※オリジナル設定あり
※虐待は極端に薄め
※登場人物はfuku1814.txtの人間と母ゆっくりさくや








「おーい、さくや~?」

仕事に行くまでのゆっくりしたひと時を、ペットのゆっくりさくやと一緒に過ごそう。

そう思った俺がそのペットの名前を呼ぶと、そいつはすかさず飛んできた。

「なんでしょうかですわ、だんなさま!」

無駄にキビキビ動きやがる。ゆっくりのクセにゆっくりしてない奴だ。もうちょっとゆっくりしろよ。

ちなみにこのゆっくりさくやだって普段はわりとゆっくりしている。

ゆっくりのクセに他のゆっくり(特に子ども)の世話が趣味という変わったところはあるが、基本的にはゆっくりらしく振舞っている。

じゃあ、何故今こんなにゆっくりしていないかと言うと・・・さっき、俺が名前を呼んだからだ。

さくや種は名前を呼ばれると従者モードと呼ばれる「出された命令を必ず実行しようとする」という変なモードに突入してしまう。

しかも、このモードのときの記憶は曖昧らしい。だから・・・

「さくや、これを一気に食べろ」

と言って、魔王ジョロ○アを一袋丸ごと渡すとしよう。

すると命令通り一気に食べるわけだ。ただし、従者モードのうちは辛さを感じていても全く反応がない。

任務達成した自分を褒めろといわんばかりに澄ましつつもどこか得意げな表情でふんぞり返って「どうですわ!?」などと口走るだけだ。

これはこれでウザいのでとりあえずご褒美にデコピンでもくれてやることにしよう。あべしっ!

「ゆぎゃ!?」

デコピンの衝撃で正気に戻ったらしい。相変わらず解除条件のよくわからんモードだ。

「な、なにをするで・・・すわぎゃああああああああああああああ!?」

で、正気に戻るとジョロキアの殺人的な辛さの前に悶絶する羽目になる。

「おーい、どうかしたかゆくや?」

ゆくやというのは普段従者モードにさせたくない時の呼び方で、あだ名みたいなもんだ。

「ゆぎいいいいいい・・・み、みず・・・ですわ~・・・」

仕方ないな。しかし、主人をこき使うとはなんてメイドだ。

「はい、ミミズ」

「ち、ちがいますわあああああああああああああああ!!」

顔を真っ赤にしてごろごろと転がりながらもしっかり突っ込むゆくや。

見ようによっては楽しそうでもある。いや、実は楽しいに違いない。そういうことにしておこう。

「仕方ないなぁ・・・ほらよ」

「ゆ!んぐんぐんぐ・・・・!!」

ところで辛いものを食った後に水を飲んだら余計辛く感じたとか、喉の奥がひりひりしだしたなんて経験のある人はいるだろうか?

「それじゃ、いってきます。良い子にしてろよ、ゆくや」

そう言ってゆくやの頭をなでてから、さっさと仕事場に向かう。

家を出たところで、ゆくやが再び悲鳴を上げるのが聞こえたが、仕事に遅れるわけにもいかないので聞かなかったことにした。



---あとがき---
たまには虐待分薄めのもということで

【登場人物紹介】
甘味処お兄さん:23歳独身。ゆっくりはわりと好き。
ゆっくりさくや:珍種。あんまりゆっくりしていない。


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最終更新:2022年05月19日 15:26