初作品。
俺設定。後半グダグダ。
登場ゆっくりの殆どがゆっくりできない目に遭います。
善良なゆっくりも醜悪なゆっくりも平等にゆっくりできなくなります。
初作品なのに、とある漫画のパロディ。ヤ〇ジャンを読むべし!
やっぱり俺設定。
ゆっくりの台詞に漢字を混ぜていますが違和感を感じる方は脳内でひらがなに変換してくださいね!
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「ゆぅゆぅ。ゆっくり~。すっき―――
線路の上でゆっくりしてたら電車にれいむははねられた。
おお、死んでしまうとはなさけない。ゆっくりしたけっかがこれだよ!
「れいむを殺したゆっくりできないでんしゃさんはゆっくり死んでね!!」
そうして運よく隣の線路にいたせいか、撥ねられなかったまりさ。
でも、その幸運を無駄にして電車に突っ込む。
れいむが一瞬で餡子になったことにびっくりしてて、気づいたときには既にゴォゴォと唸りを上げていた最後尾ぐらいしかなかったけれど。
餡子脳にはそんなことわかるはずもなし。
でも復帰するまでに電車が通り過ぎていない。
つまり中々現状を把握するのが早かったってことはこのゆっくりまりさ。
中々に優秀であったりもした。
「ゆべっ!?」
でも所詮は餡子脳(笑)。
電車に触れたら人間でもゆっくりしちゃうよね!
だから絶対ににんげんさんは触れちゃだめだよ。
そんな声が聞こえたような聞こえなかったような。
とりあえずまりさは吹っ飛んで死んだということは確実であった。
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どこかのマンションの一室。黒い球体のある部屋にれいむは転送されていた。
ちなみに自身が死んだことには気づいておらず、また、転送してきたことも理解していない。
「ゆぅゆぅ。ゆっくり~。すっきり~。ゆゆっ!?」
ゆぅゆぅ言いながらなにやら場所が変わったことにびっくりするれいむ。
でも、まわりをまったく見ずに。
「ここはゆっくりできる場所だね! ここをれいむのゆっくりぷれいすにするよ!」
と宣言した。
とりあえず広い部屋だし、屋根もあれば窓もある。そんな場所はゆっくりできるという認識なのである。
「ゆ? ゆ? ここはれいむのゆっくりぷれいすだよ!
ゆっくりしてないゆっくりはゆっくりでていってね!!」
なにやらよくわからい黒い球体があったものの、れいむの目にそれは映らない。
よくわからないものなどれいむにはどうでもよく、とりあえず目に付いたゆっくりに喧嘩を売る。
そう、この部屋にはゆっくりれいむ以外にもゆっくりがいたのだ。
「また出てきたんだねー。ゆっくりわかるよー」
れいむが自分たちに気づくまで何も話さなかったゆっくり達。いや、そういうわけではない。
れいむの目の前にいるゆっくり数匹。ちぇん、みょん、らん、ちぇん、ちぇん、ちぇん、ちぇん。である。
やたらとちぇんが多い。そして希少種であるはずのらんまでいる。
らんはれいむを見るとちぇんではないためか。
「ふん、れいむか」とだけ呟いてまとわりついてくるちぇんに蕩けた表情ですーりすーりしている。
「ちーんぽ! びっぐまら!!」
ちぇんばっかりだったせいかみょんがれいむの元にすばやい動きでやってきた。
「ゆ? なに言ってるのここはれいむのゆっくりぷれいすだよ!」
この変な場所について何か知らないか、という意味の言葉にれいむは自信を込めて宣言した。
瞬間、ダメだコイツという空気が一瞬にして部屋に蔓延するものの。
空気を読めないことに定評のあるれいむにそんなものが通じるはずもない。
「ゆ? 何これ?」
「また来たんだねー! ゆっくりわかるよー!!」
「ちぇん。目を瞑っていなさい」
らんの静かな言葉に五匹のちぇんが「わかるよー」と言いながら、らんのお稲荷さんに顔を埋めていく。
みょんも「ちーんぽ! ぺーにす!!」とれいむに
「見ないほうがいいんだちーんぽ!」という意味の警告をするものの。
「何言ってるの? そんなこと言ってないでさっさとれいむのゆっくりぷれいすからでていってね!
あとあまあま持ってきてね! 持って来たらさっさと出て行ってね!!」
と、言うばかり。
みょんは一応警告はしたよ、という意味で「ぺーにす」と小さく呟くと
部屋に突如現れた奇妙なうねうねとした空間に繋がっていそうな、両端をリボンで結ばれたスキマっぽいものから体ごと視線を逸らした。
で、れいむはといえば。
「ゆ? 何これ? ゆゆ!? なにごれぇぇぇぇえええ!?」
じじじじじ、となにやらゆっくりとした速度で饅頭っぽいものとその断面が現れる。
スキマに直接繋がっているわけではなく、スキマから光線のようなものが出ているのだ。
そうしてその光線はとあるものをゆっくりと転送していた。
最初はあまあまさんだね! とゆっくり見ていたれいむもそれがだんだんと姿を現してくるにつれて
正体に気づいていく。
「ゆ? ま、まりさぁ!? ゆ、ゆっくりしてないよ!!」
なにやら凄まじい表情で空中に固定されているまりさはれいむの知り合いのまりさであった。
「れいむを殺したゆっくりできないでんしゃさんはゆっくり死んでね!!」
と、まりさは再構成された口で叫ぶものの、その体の全部が出てきているわけではない。
しかし、
その断面、つまり内臓を見せられてれいむは非常にゆっくりしてない表情で慌ててまりさへと駆け寄るも。
「さわるな!!」
唯一、新たに現れたまりさをちぇんでないか確認していたらんが静止の声を上げた。
しかし、れいむはその断面まりさに駆け寄ってしまう。
「ゆ!? で、でも、まりさはれいむのだーりんなんだよ!!
らんはれいむを止めないでね! れいむはまりさを助けるよ!!」
らんは馬鹿を見るような目でれいむを見たものの、出てきたのがまりさだとわかって興味がなくなったのか。
ぷいと視線を逸らしてしまった。
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で、れいむ。
「まりさ! ゆっくりしていってね!!」
とりあえず定番のゆっくりしていってね! をかますもいまだまりさは転送途中だ。
断面を晒すだけでまったく言葉が返ってくる様子はない。
しかし、全く帰ってこないゆっくりしていってね! にれいむはまりさがゆっくりしていないことを確信。
「ゆ! まりさ、すーりすーりするよ!!」
ならば次はすーりすーりだ! おうたをうたってもよかったが、おうたよりやはりすりすりの方が即効性がある。
それにゆっくりしていってね! が聞こえてなかった以上は、やはりすーりすーりの方が直接的で良いだろう。
断面を見せているまりさ。
通常のゆっくりならばグロくて触らないようなものであるが、れいむは愛の力でそれを乗り越えた!
「ゆ! すーりすーり! しあわせー!!」
もちもちの肌ともちもちの肌がふれあい。
まりさの断面から餡子が吹き上がる!!
「ゆ? なにこのあまあまさん?」
突如れいむに降りかかるまりさの内容物。
すりすりしているれいむの隣、まりさの断面から火山の噴火のように餡子が噴出している。
しかしすーりすーりとむーしゃむーしゃに夢中なれいむは疑問に思ってもそれに注視することはない。
まりさの断面にかかる圧力。その断面は完全に保護されているわけではなかった。
れいむは気づかず、まりさに圧力を与えていく。
しかもすりすりしたせいでまりさの断面の位置がずれたので、
まりさの目から上から微妙な位置に転送がされていく。
それはまさに途中で紙ズレしたFAXのよう。紙が詰まったせいでもう一度送ってもらう破目になったよ!
でも今回は紙ズレしても再び送ってくれるような人はない。そもそも誰が送ってるかれいむは知らないしね。
「ゆ! まりさ! 一緒にあまあまさん食べようね! ゆ? まりさ?
まり、……ゆ゛ぎゃぁぁあ゛ぁあ゛あ゛あ゛ぁぁぁぁあ゛あ゛あ゛!?
ど、どおしてまりさがしんでるのぉおおおぉぉ!!!????」
それはお前がすーりすーりしたからだ。なんでこと、誰も言ってくれるわけはない。
この部屋にちぇんばかりが多いのも、
みょんが迂闊に転送されたゆっくりの体を動かしてしまったからで、
ちぇん以外のゆっくりが転送の途中、みょんに触れさせまくってやっと法則を掴んだらんが、
次から来るゆっくりには触らないことにしようと決めたからに他ならない。
しかし、本当にそうなのか。らんは法則を知っていたのではないのか。
ちぇん以外要らなかったから、ちぇんに来て欲しかったから、他のゆっくりを潰したのではないのか。
またはちぇんが五匹も揃ったので満足したから法則を掴めた振りをしたのではないのか。
「ちーんぽ……」
悲しそうにれいむを見るみょんがいるものの、真実を知るものはいない。
ちなみにれいむが来る前にぱちゅりーが一匹ほど転送されていたが、れいむの転送場面を見た結果。
断面のグロさに生クリームを吐いて死亡した。
ちなみに断面といっても人間にはただの饅頭を切ったものにしか見えないのである。
餡子が脈動していたり、いろいろと部位によって色が違うように見えるものの、
人間にはただの餡子にしか見えないのである。
ゆふふ、れいむは違いのわかるゆっくりなんだよ! ゆっくり理解してね!!
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さて、まりさが死に悲しみが有頂天に達したれいむは数分ほど絶叫したり暴れたりしていたが
次第に落ち着いてきたようで、ゆっくりと目の幅涙を流している。
まりさの上下真っ二つに分かたれたデスマスクは何も語ることはなく、ただそこにあるだけであった。
「ゆゆ。れいむはこの悲しみを乗り越えなくちゃいけないんだね……」
「ちーんぽ」とみょんが何言ってんだこいつって目で見るものの、突っ込みを入れる個体は他にはない。
らんとちぇんは潰したゆっくりである餡子をもしゃもしゃ食べているし。
「わかるよー!」
「あまあまさんなんだねー」
「おいしいよ! らんしゃまー!」
「ほら、ちぇん。おくちにあまあまさんがついているよ」
「ありがとう! らんしゃまー!」
「むーしゃむーしゃしあわせー!」
ちなみにこの餡子が同族だということをちぇんたちは知らなかったりする。
全ては潰したゆっくりを埋葬したふりをしつつ、
その後、餡子を見つけてきたと宣言したらんの巧妙な策であった。
らんを疑わないちぇんの駄々甘な脳みそも原因ではあろうが。
「ゆっ。ゆっくりできそうなあまあまさんだよ! れいむにもちょうだいね! ちょうだいね!」
早速悲しみから立ち上がったれいむがらんとちぇんへとぽよんぽよん飛び跳ねていく。
「うるさいな。そこに転がってるものでも食べたらいいじゃないか」
「あれはまりさだよ! まりさを食べろだなんて言うゆっくりできないらんはゆっくり死んでね!
そのあとれいむにあまあまちょうだいね! ゆっくり理解してね!!」
「わからないよー!」
「れいむはゆっくりできないんだねー! わかるよー!」
と、ちぇんたちが尻尾を立ててぷくーと膨らむ。
自分よりも体が小さいとはいえ五匹ものゆっくりに囲まれたれいむは動揺しつつも同じようにぷくーっと体を膨らませた。
ぷくーはゆっくりの威嚇なのである。しかし彼女たちを見るらんの口元には小さく笑みが浮かぶばかり。
「ちーんぽ!」
れ、れいむ、やめるんだみょん! そういう意図の言葉を発するみょん。
みょんは知っていた
饅頭に出くわした獣は決して唸ることなく
穏やかな目をすることを
「ゆ? 何言ってるのみょん? 馬鹿なの? 死ぬの? れいむはゆっくりできないらんとちぇんをせいさいするんだからね!」
ゆっくり理解してね! と振り向いたことがれいむを救った。
ぱちん、とれいむの餡子の皮を掠める硬いもの。
本来ならばれいむの脳天を貫き、中枢餡を破壊せしめたであろう米粒は、
れいむが振り返ったことにより狙いを外し、その饅頭皮を掠めるだけに留まったのだ。
「ゆ? ゆわぁぁぁぁああああ? れいむのもちもち肌がぁぁああああ」
破れた肌から餡子が漏れる。幸い軽傷ではあったが基本的に饅頭であるれいむにとって外傷は文字通り死を意味する。
傷口に蟻が集るかもしれない。傷が治らないかもしれない。怪我をしたために他のゆっくりに苛められるかもしれない。
他にも万通り存在する様々な要因により死亡するかもしれなかった。
れいむは己が境遇に涙し、この攻撃をなしたであろう存在に対して恫喝の声を上げる。
「本当にゆっくりできないゆっくりだね! ゆっくりばいしょうを請求するよ!
れいむにあまあまさんをよこしてね! そうしたらどれいにするだけで許してあげるよ!
でもれいむの傷が治ったらゆっくり死んでね!」
振り返るれいむの目にはお稲荷から米粒を装填し、口をすぼめて第二射を発射しようとするらんの姿が映る。
ゆ? とれいむが体をかしげ、次に馬鹿なの? と叫ぼうとした瞬間!
まさにれいむの一山三百円の命が失われようとした刹那!
だんだんかだーんだんだかだーん!
と、怖い音楽協会のせいで歌詞を引用できない音楽が流れ始めた。具体的にはラジオで朝で体操なあれであるが。
「ゆ? ゆっくりできそうなおうたさんだね! れいむもうたうよ! ゆー♪ ゆっくり~♪」
既に直前の出来事をすっぱり綺麗に忘れ去ったれいむがおうたを歌いだすものの。
部屋のゆっくりたち。ちぇん五匹。らん、みょん、はゆっくりと辺りを見回した。ゆっくりが出てくる以外の初めての変化であった。
そして、部屋の隅で正確にはまだ死んでいなかったぱちゅりーがこの音楽に驚きのあまり、
断末魔のむき゛ゅぅ を呟いて今まさに天に召されたが誰も気にすることはない。
「ちーんぽ! まら! びっぐぺにす!」
このたまさんがあやしいんだちーんぽ! とみょんが玉の表面を見ながら叫ぶ。
「わかるよー!」
「もじさんがうつってるんだねー!」
「よしよし、さすがはちぇんだな」
「らんしゃまにほめられちゃったよー!」
「わかるよー。うれしいんだねー」
わらわらとゆっくりたちが駆け寄っていく。ゆっゆー♪と歌うれいむは誰にも気に掛けてもらうこともなくゆっくりとおうたを歌っていた。
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手前らゆっくりどもの饅頭生命は粉々になりました。
新しい饅頭をどう使おうと私の勝手です。
という理屈なわけです。
ゆっくりりかいしてねー!
という文字が書かれていたが、ゆっくりに理解できるのは最後のゆっくりりかいしてねー! というひらがなだけであった。残念!
しかもその文字の最後も微妙に反転していたりで理解できるゆっくりはいなかった。残念!
「わからないよー! わからないよー!」
ちぇんたちのわからないよーとれいむの馬鹿なお歌が響く中、ただただみょんとらんは顔を見合わせるばかり。
恐らく何か重要なことが書かれているのだろうが二人には読むことがかなわなかったのだ。
「ちーんぽ」
「そうだな。漢字が理解できればいいんだが」
どうする? という意味の言葉にらんも困ったような表情をするだけだ。
黙っているゆっくりたち。その目前で黒い玉の文字が切り替わっていく。
饅頭たちは今からこの饅頭を粉砕してきて下さい。
ゲスまりさ星人
特徴 よわい もろい
好きなもの おやさい ゆっくり
口ぐせ ゆっくりしていってねだぜ!
まりさの顔写真、ではなく全身写真を見て二人は首を傾げる。粉砕という文字が読めなかったせいで何をするかも理解していなかったのだ。
ただゆっくりできないゲスの写真を見せられて眉、というより顔を歪ませるだけである。
写真から伝わるゲスのゲスらしい、ゲスっぽい表情に二人も嫌な気分になったのだ。
「ちぇん、こんなゆっくりになっちゃだめだぞ」
「わかるよー! これはゲスなんだねー!」
「ゲスになったらいけないんだよー!」
わいわいがやがやとれいむの阿呆なお歌が響くだけだった室内に華やかさが戻ってきた。瞬間。
「ゆぎゃぁっ!?」
がしゃん、ぐしゃん、ゆぎゃぁの三拍子。
黒い玉の周りをうろうろしていた一匹のちぇんが、玉の側面が開き、そこから飛び出した玉の一部に潰されたのだ。
「ぢぇぇぇえ゛え゛え゛え゛え゛ん゛ん゛!!????」
「ぢん゛ぽぉぉお゛お゛お゛お゛ぉお゛お゛!!!????」
「わからないよぉっぉおお」
「らんしゃまー! らんしゃまー!!」
号泣するゆっくり。泣き出すゆっくり。叫ぶゆっくり。わめくゆっくり。
ただただれいむの馬鹿なお歌が響くものの。その悲しみが癒されることはない。
「もう! れいむはおうたを歌ってるんだよ! ゆっくりしてないゆっくりたちだね!」
ぽよんぽよんとはね、この集団に近づいてきたれいむは、なにやら玉の側面に出てきているものを見て首、というか全体を傾げた。
なんだろう、これ? と考えてもれいむには理解できなかっただろうが狩りのために用意された道具である。
玩具のような形をした銃であった。上トリガーと下トリガーを同時に撃つことでロックオンと発射を行うことができる道具。
ロックオンで複数個体をロックしてから撃てば複数個体、複数部位を同時破壊できそうなものであるが、ゆっくりにはそもそも扱えなかった。
せめて胴付きがこの場にいれば、と少し賢ければ思わないでもないだろうが。
「ちぇぇえぇえええん……」
「らんしゃまー! らんしゃまー!」
「わからないよぉぉお」
「こわいよー。らんしゃまー!」
「ちーんぽ」
頼りになる頭脳集団(笑)も今はあの有様。そうして彼らは何も理解することなく、準備することなく戦場へと向かうことになったのだ。
(いろいろ省略されました)
「やべぇ、失敗した」
ゆっくりたちには気づかれなかったが、黒玉の中には全裸の男が入っていた。
全てのゆっくりの転送が終わったので、というより鬼意山の言葉通り、失敗してしまったので、全裸の鬼意山は出てきたのだ。
ちなみに通称、希少種大好き鬼意山。通常種を蛇蝎のごとく嫌い。希少種のみを愛でる趣味の鬼意山である。
「ゆぅ。ゆっかりどうしたの。おにーさん?」
「あ、ああ、ゆかりか?」
鬼意山の足元にいるのはゆっくりゆかり。胴付きではないが、今回のこの仕掛けを手伝ってくれたゆっくりだった。
スキマなる能力を持ち、対象を移動させたり、閉じ込めたり、引っ張りだしたりする能力を持っている。
「いや、あの、な。手伝ってもらって申し訳ないんだが、失敗しちゃった」
「ゆ? どういうことなの?」
まず鬼意山、この転送機能がぶっ壊れた黒玉を低価格で仕入れ、ゆっくりのみを対象にできるように設定。
で、最近近所の畑荒らしをしているゲスゆっくりの群れにゆっくりを攻め込ませようとしたのだが、そもそもの最初の段階で躓いた。
壊れた転送機能は飼っている唯一の希少種ゆっくり、ゆかりに頼んだものの。ゆっくりのあまりの低脳さに集める段階から躓き始める。
特にらんのちぇん以外を排除していく当初の方針でちぇん以外を集められなかったのも痛かった。
計画では二十匹ほど集めてぶつけるつもりだったのだが、見事につまずいたのだ。
結局数を集めることを諦めた鬼意山は設定したフィールドに送るときにゆかりのスキマで転送してもらったのだが
最初の位置はランダムに送ってくれと頼んだのでその際に車道にちぇんとらんを転送してしまった。
もちろん直後に車がとおりつぶれ饅頭に。
「らんしゃまぁあぁあああ!!」「ちぇぇぇえええん!!」の言葉を残すことなく死亡。
次に残ったちぇん三匹。
らんしゃまー。らんしゃまー。と怯えながらも転送を受けるも、残った二匹が転送途中に転送されている一匹の下半身を強く揺さぶった。
とたんに吹き上がるチョコクリーム。鬼意山はみょんが止めろよと思うものの、彼女は彼女でいきなり始まった転送に怯えるばかり。
れいむは「いいきみだね。ゆふふふふふ」と呟きつつ、傍観。
さらに残った二匹はまた転送されたちぇんに「おいてかないでね! おいてかないでね!」とまた揺さぶり。噴きあがるチョコクリーム。
絶叫。気絶。車道に転送。トラック、死亡のコンボ。
玉の中で映像を見ていた鬼意山もちぇんの悲鳴でやっと、希少種のらんが死亡した心の動揺から復帰する。
すかさず転送位置を再設定するように膝に抱えていたゆかりに指示。
「ゆっかりわかったわ」とゆかりがすかさず転送途中だったみょんの下半身を車道から歩道に転送開始。噴きあがるみょんの餡子。
みょん、何もできずに死亡。
「ゆっかりやっちゃった」とゆかり、鬼意山に謝る。鬼意山、ゆかりの表情に爆裂萌え。なでなでしつつ、盛大に許した。
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そうして残ったれいむであったが、彼女は今、ゲスの群れのど真ん中にいた。
「ゆぁぁぁああああああああああああああ。やめてね! やめてね! すっきりーはゆっくりできないよ! やめてね! やめてね!」
「ゆふぅ。こいつケツふってるんだぜ! さそってるんだぜ!」
「もちもちしたれいむなんだぜ。きずがあるけどまりさたちは気にしないんだぜ!」
「ゆぁぁああ! やめてね! はなしてね! れいぷはだめなんだよ! ゆぎゅっ!」
反省した鬼意山により、ゲスの集団のど真ん中に転送されたれいむ。当初は突然現れたゆっくりの断面図に怯えたものの。
現れたのがただのれいむだと知った瞬間に獲物発見とばかりに襲い掛かったのだ。
もちろん、特に美ゆっくりでもないが暇だったのでれいむをれいぷである。
ゲスまりさたちはれいぱーではないが、別にれいぷ嫌いなわけではないからだ。
「ゆ゛あ゛あ゛あ゛ぁあ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁあ゛! ずっぎり゛ー! ずっぎり゛じだぐな゛い゛げどずっぎり゛ー!」
「すっきりー! なんだぜー!」
にょきにょきとれいむの頭から茎が生えてくる。新鮮な赤ゆである。
「ゆ゛っ。でい゛ぶの゛ばーじん゛ばばり゛ざに゛あ゛げだがっだげど、ゆっぐりごのあがちゃんをそだでるよ……」
ゆっくりした赤ちゃんだね、とれいむが呟いた直後。
ガチン、とかみ合わさる歯によってゆぅゆぅとゆっくりしている赤ゆたちはこの世から解き放たれた。
「むっしゃりー! むーしゃむーしゃしあわせなんだぜー!」
「赤ちゃんはゆっくりできるんだぜ! むーしゃむーしゃ!」
「まりさも欲しいんだぜ。れいむすっきりさせるんだぜ!」
「どぼじであがぢゃんだべちゃうのぉおおおおおぉおおお!!!!」
れいむが饅頭生産機に変わろうとしたとき、不意にれいむの餡子の中だけに音楽が響きだす。
ぴんぽろぱんぽろぴんぽろぱんぽろぴんぽろぱんぽろ。
れいぷされつつも、その音にゆっくりしてしまうれいむ。
「すっきりー!」
「ずっぎり゛ー!」
法悦の表情をにじませたれいむ。その茎から再び赤ゆが生まれ、直後にずどんと音が響き渡った。
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「はい。終了終わりありがとうございましたー!」
「なにいってるのおにいさん?」
「なんでもない。次は胴付きとか賢いゆっくりから転送してみようかなぁ」
街中の人間の表情ですら詳細に写すことのできる衛星からの映像で、
目標の地点のゆっくりたちがれいむに仕込んだ小型爆弾によって粉々に吹き飛んだことを確認した鬼意山。
その表情は希少種であるらんの死に悲しみをたたえているが、その三秒後には復帰していた。切り替えが早いのも鬼意山の特徴なのだ。
「よーし。次は頑張るぞー。まずは星人役のゆっくりを探さなくちゃな」
「おにいさんはゆっかりしてないわねぇ」
「なにをぉ。じゃあゆっくりしてやるよ」
「ゆ?」
部屋から出つつ、全裸の男はゆっくりゆかりを胸に抱えてすりすりなでなでぺーろぺーろしだす。
「ゆわぁぁぁあああああ。やめなさいっ。やめなさいっ! ぺーろぺーろはゆっかりできないわっ!」
「すっきりー! すっきりー! すっきりー! ゆかりはもちもちだね! すっきりー!」
「ゆわぁぁぁああああああ! やめなさいっ! やめなさいっ! やめなさいぃぃぃいいいいい!!!」
続かない。
つかテンポわりぃなぁ。
後半ダイジェストでごめんなさい。
最終更新:2022年05月21日 22:38