※良いゆっくりが出てきます
※実験・観察中は基本解説はしてません
※ストレスでマッハになる可能性があります
※人間はあくまで状況を作り出すことしかしていません
益ゆっくりと害ゆっくり
これは人間のものさしではあるが、ゆっくりのなかにも良いゆっくりと悪いゆっくりがいる事は知られている。
しかし良いゆっくりと悪いゆっくりの比率は明らかに悪いゆっくりの方が多い。
そのため多くの独善的なゆっくりにより良いゆっくりは駆逐されてしまうのである。
アリのような集団で行動する動物は基本、7割が真面目に働き3割がサボるという。
しかしこれもまたゆっくりには当てはまらない。全体としてみると真面目ではないゆっくりが多すぎるのだ。
そこで、だ。
人間にとって益なゆっくり、つまり良識あるゆっくり(以降益ゆっくりと称する)を集めて群にしたらどうなるか。
実験してみよう。
1ヶ月位掛かったのだろうか、やっと益ゆっくりを30匹集め終えた。
まずは聡明なドスを探さなければならなかったからだ。
また、そんなドスがいても益ゆっくりはドスの言葉を理解しないゆっくり(以降害ゆっくり)に殺されてしまいやすい。
ともあれやっと集まったのだ、今度こそ実験を開始しよう。
まず殆ど自然の状態だが外敵がいない状況を作り、だんだんと数を増やすやり方で益ゆっくりの群を形成。
次に我侭なゆっくり達に振り回されていた益ゆっくりタイプのドスを引き抜きこの群に送る。
対になる害ゆっくりの群は…そんじょそこらにいるためにあえて作ることもないだろう。
それでは観察してみよう。
「たべものをとりすぎるとむしさんもくささんもはえてこないよ!だからふゆをこせるぶんだけかくほするよ!」
「むきゅ、どすのいうとおりだわ」
「どすのさいはいにまかせるよ!がんばってとってくるね!」
「すっきりしすぎるとゆっくりできないよ!」
「わかったわ!みんなとすっきりしないようにするわね!」
「みょーん」
「あれはにんげんさんのはたけだよ!たねをうえておやさいをそだててるんだよ!」
「あそこにあるおやさいはたべちゃだめなんだね、わかるよー」
「にんげんさんのおてつだいをすればあそこのはっぱさんやむしさんをあつめられるかもしれないね!」
「むきゅ、それもかんがえたほうがいいわね」
本来自然ではありえなかったであろう光景。
ドスがリーダーシップを発揮し、そして全員がソレをサポートする。
どのゆっくりも1匹たりとも不平不満や我侭を言う事無く、群の活動をしていた。
さて、そんな群に1匹、害ゆっくりを入れてみよう。
害ゆっくりが群をかき乱すかどうか、観察だ。
「ゆっくりしていってね!」
「「「ゆっくりしていってね!」」」
「まりさをこのむれにいれてほしいんだぜ!」
「まりさはゆっくりできるゆっくり?」
「もちろんだぜ!」
「れいむはかわいいんだぜ、まりさとすっきりするんだぜ」
「すっきりなんてゆっくりできないことをしようとするまりさはゆっくりできないね!」
「そんなことはないぜ!すっきりはとってもゆっくりできるんだぜ!」
「みんな!このまりさはゆっくりできないよ!」
「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉ」
「こうなったられいむにすてきなおやさいをぷれぜんとしてはーとをげっとするんだぜ!」
「ゆ?まりさもおてつだいにきたの?」
「おてつだい?ばかなの?まりさはここのおやさいさんをわるいにんげんからうばいにきたんだぜ」
「にんげんさんがいっしょうけんめいそだてたやさいをかってにとっていくの?」
「まりさはげすだったんだね!」
「おやさいさんはかってにはえてくるんだよ!それをにんげんがひとりじめしてるんだよ!」
「まりさはなにもわかってないのね、ばかね」
「わたしたちはここのはたけのもちぬしさんにおねがいしておてつだいをさせてもらってるのよ」
「みんなだまされてるんだぜ!めをさますんだぜ!」
「このまりさはすくいがないわね」
「おなかがすいたんだぜ、ごはんをたくさんとってたべるんだぜ!」
「そこまでよ!」
「みょーん!」
「ぱちゅりーにみょん!?」
「むきゅ、むしさんもくささんもとりすぎちゃだめなのよ」
「どすのめいれいだみょーん」
「もうやだ!こんなむれからはとっととでていくぜ!」
「むれからでるにはどすのきょかがいるわ」
「わかったぜ!さっさとどすにいってこんなゆっくりできないむれからだしてもらうんだぜ!」
「どす!こんなゆっくりできないむれにはいられないんだぜ」
「むれにはいったそのひにむれをでる?まりさはゆっくりできないうえにこんじょうなしだったんだね」
「まりさはゆっくりできるぜ!ここのむれがゆっくりしてないんだぜ」
「このむれはみんなものわかりがいいんだよ、かってなことをしたいだけのゆっくりできないまりさはこっちからねがいだげだよ」
「もういい!どすはゆっくりしね!」
「「「「どすのわるぐちはゆるさないよ!!!」」」」
「なにをするんだぜ!はなすんだぜ!」
「これはせいさいだよ」
「むれをゆっくりさせないようにしたうえ、どすにてきいをもったゆっくりはゆるせないよ」
「みんなのことをかんがえるどすにしねだなんて、みのほどしらずだね」
「いんがおうほうだねー、わかるよー」
「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
案の定まりさフルボッコ。
今まで見てきたのとは逆の結果になった。
つまり、だ。
ゆっくりはその場の多数派に流れる傾向がある。
同じ数なら押しの強い害ゆっくりが攻勢になるが、これだけ数が揃うと益ゆっくりの勢力が強く主導権を握る。
まさに人から見てもゆっくりできる群であろう。
1対多なら多が有利。それがゆっくりの生態のようだ。
さて、こうなると同じ位の規模の益ゆっくりの群対害ゆっくりの群の勝負を見てみたくなる。
これの準備は簡単だ、近くの群の食料を台無しにすればいい。
人の手と言う事がばれないように、寝ている隙に崩落を装う。
勿論次の朝、群から五月蝿いほどの悲鳴が聞こえてくる。
「ふゆをこすごはんが・・・これじゃゆっくりできないよ」
「しかたないね、ちかくにむれがあるからたべものをわけてもらおうよ」
「れいむのかわいいあかちゃんたちをみればきっとごはんをだしてくれるよ!」
「まりさたちがゆっくりしたほうがちかくのむれもうれしいにきまってるんだぜ!」
害ゆっくり達の群でもドスはドスらしく振舞っているようだ。
空回りしている所が涙を誘う。
ドスは比較的益ゆっくりが多い為仕方ないのだが。
虐待お兄さんを愛でお兄さんにする位のドスもいるらしいが、大抵は害ゆっくりに愛想を尽かすものである。
このドスは何とか持ちこたえているようだが・・・
さぁご対面。
どうなる事だろう?
「ゆっくりしていってね!」
「「「「ゆっくりしていってね!」」」」
「ここのどすにあわせてね!」
「ゆ、どすとそのむれだね、どうしたの?」
「おねがいがあるよ!そうこがくずれてたべものがだめになっちゃったんだよ」
「すこしでいいからたべものをわけてね!」
「・・・ごめんね、ここはほかのむれがゆっくりできるほどのたべものはないよ」
「むきゅ、むれのみんなのぶんでいっぱいいっぱいなのよ」
「それじゃしかたないね・・・」
「まつんだぜどす!このどすはうそをついているんだぜ!」
「なにをいいだすの?まりさたちはうそをついてないよ」
「いーや、このむれはきっとたべものをひとりじめしてまりさたちにたべさせないつもりなんだぜ!」
「へんなことをいうんじゃないよまりs」「そーだそーだ!れいむたちにたべものをださないなんてゆっくりできないゆっくりだよ!」
「まりさまでそんなことをしんj」「こんにゃかわいいれーみゅたちにごはんくれにゃいなんてこきょのどすはばきゃだね!」
「そんなこといったらだめでs」「でぃなーもくれないむれなんてとってもいなかものじゃない」
「くろうしてるんだね、どす」
「もうどうしたらいいの、どす・・・」
「ごはんをくれない、ゆっくりしてないどすはゆっくりしね!」
「そのことば、せんせんふこくとうけとるよ」
「むきゅ、むこうのどすはたたかういしはないみたいだから、どすのかんがえにはんたいなゆっくりのふこくとみるわ」
「なにをごちゃごちゃいってるちーんぽ」
「このむれをうばえるとおもってるんだねー、わかるよー」
「うるさい!ゆっくりしね!」
群同士の争いが遂に始まった。
ここからはゆっくり同士の会話だけでは分かりにくいので解説を入れてみる。
「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」
害ゆっくり側はドスに対してしゃにむに突撃を行う。
「みんな、ここはどすはおさえるよ、ぱちゅりーとありすはほかのみんなをつれていどうするんだよ」
「むきゅ、わかったわ」
「とかいはにおまかせ!」
害ゆっくりの群の前にはドスが立ちふさがる。
そして大きく息を吸い込みその体を膨らませた。
「ここからさきはとおさないよ!」
その大きさと、体当たりにもびくともしない姿を見せつける。
「さっさとたおれるんだぜ!」
「あきらめてれいむのかわいいあかちゃんにごはんをたべさせるんだよ!」
「ゆっきゅりさせちぇね!」
大小様々な害ゆっくりがドスに体当たりを続ける。
「あとひといきだよ!」
「もうすこしでゆっくりぷれいすにつくね!」
ドスは全然こたえていないようだが、害ゆっくり達はもうすぐドスを倒せると思い込んでいるらしい。
もう1匹のドスといえば、申し訳なさそうな目でドスを見ていた。
「いまだよ!」
ドスが声を上げる。
「どすにこうげきするわるいゆっくりはゆっくりしね!」
「おうちやごはんをうばおうとするゆっくりできないまりさはいなくなってね!」
左右から洗われる益ゆっくり達。
どんどんと害ゆっくり達のスペースが狭くなっている。
「ふぅーーーー!!!」
害ゆっくりの逃げ場が殆どなくなったところでドスが吸い込んでいた息を大きく吐き出す。
「ゆわ!?」「ゆひゃ!?」
前方のゆっくりは後ろへ吹き飛ばされ、まりさやちぇんなどの帽子を被った害ゆっくりの帽子は飛ばされる。
「までぃざのおぼうじがぁぁぁぁ」
「ぼうしのないへんなゆっくりはゆっくりしね!」
「やめでぇぇぇぇ!!ゆっぐりじぬのばどずでじょぉぉぉぉ」
仲間割れ。
飾りのないゆっくりは相手を認識できない、というものであるが。
「ぼうしがなくなっただけでみぐるしいね!」
「かざりがないだけでゆっくりできないってだれがきめたの?」
益まりさが自分の帽子を益れいむにとってもらう。
「ゆっくりできな―」「なかまにぼうしがなくったってゆっくりできるまりさはまりさよ」
帽子を外したまりさに突撃してきた害れいむを突き飛ばす益ありす。
「ちゃんとあいてのとくちょうをおぼえればぼうしなんてただのかざりよ、そんなこともわからないの?えらいの?」
あれよあれよと害ゆっくりは同士討ちで数を減らす。
逃げ出そうとするものあらば益ゆっくりの囲みで押し戻される。
残ったのはとドスに従おうとした数匹のゆっくりだけである。
「わるいゆっくりにふりまわされてたんだね、どす」
「ありがとう!どすにはかんげきしたよ」
「おなじどすでしょ、しっかりしようね」
「どす!どすにいろいろとおしえてほしいよ!」
ドスがドスに教えを請う。
こんなレアなシーンを撮影できるとは思わなかった。
結局、この残ったドスとゆっくり達は益ゆっくりの群れに入る事になったようだ。
冬場までに2匹のドスの力もあり、何とか残った数匹過ごせる量の餌を集める事ができたらしい。
このまま群が増える事もあるかもしれない、れいぱーありすの集団が来た時の対応も気になる。
引き続き観察を続ける事にしよう。
…ただ、これは教授に提出するいい書けそうだ。
きっと「素敵!」の声が聞けることだろう、今から楽しみだ。
――とある研究お兄さんの実験メモ
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あとがき
よくドスの言う事を聞いたばっかりに殺されるゆっくりがいたのでそれをかき集めてみました。
今まで書いたもの
博麗神社にて。
炎のゆっくり
ゆっくりを育てたら。
ありす育ての名まりさ
長生きドスの群
メガゆっくり
ゆっくり畑
最終更新:2022年04月17日 01:04