「れいむのあがぢゃんがぁああーー!!!」
毎度おなじみの悲鳴が森に響く。
「うっせー!おまえもう用済みな!」
ゆっくり潰しは休日のささやかな楽しみだ。
今日は思うところがあって、ターゲットは絞ってある。
「ついに10本目か・・・!」
俺は手に握った茎を数えた。
1、2、3、・・・10。
目標達成。
この茎、言うまでもなくゆっくりの赤ちゃんが実っている例の茎だ。
植物型妊娠で生えてくる茎。
ところどころ葉がついていたりする。
「実はー・・・何も言わんか」
今回の設定では、茎に実っている時点で赤ゆっくりは喋ることができるらしい。
書きたいネタごとに設定が変わる、実に便利な世界である。
残念ながら、茎に実った赤ゆっくりは1匹もしゃべらなかった。
栄養供給が途絶えているので余計なエネルギーは消費したくないのかもしれない。
見つけたゆっくりを無理やり交尾させたり、妊娠中のゆっくりのもとに案内させて奪ったりしたので大小さまざまではある。
が、ラムネに入っているビー玉くらいが半分を占める。
「ふふん」
これからやること考えると、笑いがこぼれる。
「さてっと」
用意したのは、ごく平凡な植木鉢。
大きさは検尿の紙コップより若干小さい程度。陶器製なのでサイズの割に重い。
中にはすでに、腐葉土やらなんやら、栄養がありそうな土を入れてある。
「ゆっくりしたまえ、君たち」
その土に、茎を植えていく。
ゆっくりはテキトーな生き物なので、地面に植えても育つのだ。
植木鉢は小さく、鉛筆程度の太さもある茎を10本も移植するとかなり狭苦しくなってしまった。
「お」
だが、赤ゆっくり達は栄養元に気がついたのか、いつのまにか顔に笑みを浮かべていた。
移植前は、眉が困ったちゃんになっていたのだ。
「ま、ゆっくり育ってくれよ」
翌日。
植木鉢の様子を見に行くと、さっそく楽しげな光景が飛び込んできた。
「ゆー!!まりしゃがすうんだよ!」
「うるちゃいよ!えいよーはれいみゅのものだよ!」
「ぱちゅにごはん!」
「とかいはのありしゅがおっきくなるの!」
基本的に、茎には10匹前後の赤ゆっくりが実るものだ。
それが10本なんだから、くっついている赤ゆっくりは単純に考えて100匹。
当然、あんな小さい植木鉢では栄養が足りないだろう。
俺は物陰で様子をうかがうことにした。
れいむ種とまりさ種が実った茎を見る。
「ゆっくちしゅるよ!ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙ゆ゙っ!!!」
プチトマトにもう少しで届くくらいの大きさの赤れいむが、威嚇するように体を膨らませた。
「ゆー!やめちぇ!ごはんがぁああ!!」
「にゃくなっちゃうよぉお!!」
どうやら、ああやって栄養を強引に吸収しているようだ。
また別の茎では。
「もうゆるしゃないよ!まりしゃもゆっくちしゅるよ!」
赤まりさが体を膨らませる。
「むびゅっ!!?おねーぢゃんやべちぇえぇえ!!!」
ぷりぷりになっていく赤まりさとは対照的に、すぐ隣、同じ茎に実っていた赤ぱちゅりーが凹んでいく。
「うるしゃいよ!えいよーはまりしゃのものだよ!ゆっくちー!」
「みゃ・・みゃ・・・ゆっ・・・ちたかたょ・・・」
それだけ言い残し、赤ぱちゅりーは皮だけになってしまった。
「まりしゃなんてことちゅるのおぉお!?」
「ぱちゅりーがちんじゃっだぁああああ!!!」
「ゆ!まりしゃはぱちゅのぶんまでゆっくちちゅるね!」
悪びれる様子もなく、赤まりさは応える。
さらに・・・
「みんなもまりしゃのえいよーになっちぇね!!」
またまた膨れ出す赤まりさ。
「やめちぇー!!おねーしゃんしゅわないでえええ!!」
「ゆー!!ゆっくちへりゅぅうう!!!」
なんとも醜い光景だ。
そんな光景が、あちこちで繰り広げられている。
「おねーしゃんがじぇんぶたべたんだね!!もうゆるしゃない!!」
「どぼぢでしょんなこというのぉおお!?」
ある茎では、上のほうに実っていた赤れいむが、根元付近に実っていた赤れいむを罵倒していた。
「おねーしゃんがみんなのごはんたべたんでちょ!!」
「ゆるしゃないよ!」
「ゆっくちみんなのごひゃんになっちぇね!!」」
確かに、根元の赤れいむは大きい。
プチトマトサイズ、いつ生まれおちてもおかしくないほどだ。
たいして上のほうに実っている姉妹は、ビー玉より少し大きい程度。
「れーみゅ、ちょっとたべちゃっただけなにょにぃい!!!」
土から栄養を吸うとすれば、根元を必ず通る。
土の栄養が少なくなってきたと感づいたこの赤れいむは、上の姉妹の分まで横取りしていたのだ。
すぐに同じ茎の上下で、姉妹を吸い合う戦いが始まった。
「ゆ・・・」
「も・・・ゆ・・・・」
「ゆ・・・て・・」
「もっと・・・」
違う茎では、すべての赤ゆっくりが死にそうになっていた。
実った赤ゆっくりは、どれもビー玉より小さい。
「ああ、あの茎か・・・」
10本中、一番成長していなかった茎だと俺は直観した。
他の茎がさっさと成長してしまい、栄養をほとんど持って行ってしまったのだろう。
出足が遅れたこの茎は、姉妹が争うこともなく朽ち果てていくのだ。
では、逆に一番成長していた茎はどうなったのだろう。
俺は茎を見回す。
「ゆゆ!れいみゅたちが、いちばんゆっくちちてるね!」
「おねーしゃん!うまりぇたりゃしゅりしゅりちようね!」
「ゆ!まりしゃ、おかーしゃんとしゅりしゅりしたいな!」
明らかに勝ち組な茎があった。
実った9匹の赤ゆっくりは、どれもこれもぷりぷりしている。
栄養が十分なら争いもないのか、姉妹仲も良さげだった。
「れーみゅ、ゆっくちできりゅかな?」
「だいじょーぶだよ!まわりのびんぼーなれいみゅより、れいみゅのほうがとってもゆっくちちてるよ!」
「しょーだよ!あんなきたないれいみゅたちよりずっとゆっくちちてるよ!」
まわりのびんぼーなれいみゅ。
確かにその茎の周囲には、薄っぺらで今にも死にそうな赤ゆっくりが何匹もいた。
「おお!あわりぇあわりぇ!」
「じぇんじぇんゆっくちちてないね!」
この茎のゆっくり達は、早い時期から栄養を吸っていたのだろう。
周囲の茎のゆっくりにとってはいい迷惑だ。
「しぇめて、れーみゅのおうたをきかしぇてゆっくちさしぇてあげるね!」
罵詈雑言あふれる植木鉢に、勝ち組赤れいむの歌がミックスされていく。
俺は部屋を後にした。
「ゆっくちちていっちぇね!!」
赤れいむは、満面の笑みと共に生まれ落ちた。
「ゆっくちちていっちぇね!!」
それに、8匹の姉ゆっくりが応える。
みんなで赤れいむの誕生を待ってくれていたのだ。
「ゆー!おかーしゃんはどこぉ?」
だが、肝心の親がいない。
当然だ。
既に親ゆっくりは2匹とも、森で男に殺されていた。
「ゆ!みんなでさがしゅよ!まりしゃについてきちぇね!!」
一番元気な赤まりさが声を上げる。
あまりにも自信まんまんだったので、他の姉妹は文句も言わなかった。
「ゆっくちいこうね!」
残ったのは、庭に放置された植木鉢。
ほとんどが枯れ、茎1本につき1匹だけが実っている。
栄養戦争で勝ち残った赤ゆっくりだ。
庭に植木鉢が放置されているのは、ただ単に男が飽きたからだ。
赤れいむは、一度植木鉢に振り返った。
(じぇんじぇん、ゆっくちできないれいみゅとまりしゃばかりだったね!)
栄養の吸い合い。
なんと醜いことか。
赤れいむは他の茎のゆっくりを見下していた。
ぴょんぴょんと跳ねていく9匹。
負け組のゆっくりだけが、それを見ていた。
それから数時間。
赤ゆっくり達は空腹で動けずにいた。
「おかーしゃ・・・まりしゃ・・・おにゃか・・・・」
「どぼじで・・・・ゆっぐぢ・・・ぢだい・・・ごはん・・・」
赤ゆっくりは、体力となる餡子が少ない。
何も考えず、全力で跳ね続けた結果がこれだ。
「まりしゃっ・・・!まりしゃは・・・!」
そんな中、リーダーだった赤まりさが体を起こした。
何かを決意した、強い意志を感じる目をしている。
「ゆ・・・?まりしゃ・・・?れーみゅは、しゅりしゅりよりごは・・・」
「ゆっくち、ゆっくちまりしゃのごはんになっちぇね!」
がぶり。
たった1口で、赤れいむは右目を含む右半身の一部を失った。
「ゆゆ゙ゆ゙ゆ゙!?」
「まりじゃあぁあっ?!」
「なんでごどずるのぉお!?」
「うるしゃいよ!まりしゃはみんなのぶんも、ゆっくちちてあげりゅっていってりゅでしょ!」
そのまま、赤れいむを貪る赤まりさ。
困惑する姉妹達。
だが、すぐに別の赤れいむが隣にいた赤れいむに噛みつく。
それをキッカケに、9匹の姉妹による争いが始まってしまった。
飛び散る餡子、悲鳴、涙。
最後に生まれた赤れいむは、それを見てホロリと涙をこぼした。
自分が一番体力がないことは分かっている。
誰かを食べることもできない。
きっと、自分は栄養になってしまうのだ。
「ゆ・・・?」
不気味な笑顔で寄ってくる、赤まりさ。
その光景に、赤れいむは既視感を覚えた。
少ない記憶。
一体、どこでこんな光景を見たのだろう・・・。
「ゆっくり、りかいちたよ・・・」
赤れいむはゆっくりと目を閉じた。
終わり。
最終更新:2009年01月23日 14:53