「小遣い稼ぎでもするか」
読み終えた雑誌や新聞、食いかけのお菓子、ミカン等を風呂敷に詰め、それに黒い風呂敷を持って森に向かう。
途中道端に落ちてた自転車の反射板みたいなガラクタも拾っていく。
ごみ屋敷でも作るのかって?まぁ結果的にはそうなるかもなぁ・・・
森に着くと30分程タモを振り回して虫を捕獲する。
さて、準備できたな。開店だ!
「ゆ!おにいさんひさしぶり!ゆっくりしていってね!」
「おにいさんこんにちは!もってくるから
ゆっくりまっててね!」
と挨拶してくるゆっくり達。
この辺では俺はけっこう有名だ。まぁゆっくりの間だけだがな・・・。
俺はゆっくり相手にいらない物と食えるキノコやらなんやらを交換してる。
行商の真似事だがゴミと交換に新鮮な食い物が手に入るしこれを人間相手に売れば小遣いも入る。
さっそくゆっくりまりさが膨らんだ帽子を揺らしながら跳ね寄ってきて大量のキノコを取り出した。
「お、結構集めたな!それでなにがほしいんだ?」
「ゆへーん!がんばったよ!まりさはおかしがほしいよ!にんっしんしてるれいむにあげるんだよ!たくさんちょうだいね!」
「お前嫁ができたのか!俺は彼女も居ないっていうのに・・・」
妙な敗北感を感じながらお菓子をいくらか渡す。少しオマケしておいてやろう。
それを器用に帽子に詰めると嬉しそうに跳ねながら家があるであろう方向に帰っていった。
「おにいさんまたね!おにいさんのぶんもゆっくりしあわせになってあげるね!」
うぜぇ・・・。
そうこうしているうちに今度はぱちゅりーが寄ってきて一掴みの男根を吐き出した。
ん?男根・・・?
「むきゅ!こんにちはおにーさん!これはまつたけよ!ぱちゅはあたらしいごほんがほしいわ!」
松茸だとッッッ!?まさかこの山に松茸があるとは・・・ぱちゅりー種は身体能力が低い分他のゆっくりより知識量が多い。
先程のまりさのようにたくさん集められないから量より質を狙ったという訳か。これでしばらく遊ぶ金には困らない。ヒャッホウ!
「ほら、どれがいい?」
「むきゅー・・・これとこれがいいわ!」
そういうとぱちゅりーは新聞と地元タウン誌を選んだ。
その本に釣りとしていくらかの虫を加えてやると帽子に詰め礼を言って帰っていった。
本はれいむやまりさには全く見向きもされないがぱちゅりー、ありすには人気商品だ。
ぱちゅりーは先程のように新聞や情報誌、ありすはチラシ、漫画等特に中身にはこだわらいが気軽に「とかいは」気分が味わえる本はやはり手に入れたいのだろう。
その後もプロポーズに使うからと来るときに拾った反射板や、怪我した友達にとミカンや、ご馳走にとゆっくりでは滅多に手に入れられない虫が売れめでたく完売となった。
それじゃあ行くか。
森の恵みでいっぱいになった風呂敷を担いで森の中に入っていく。
暗くジメジメして人もゆっくりも近づかない場所。
しかしそこにはすでに何匹かのゆっくりが集まっていた。
こいつらも大事なお客様だ。
「ゆ!おにいさんおそいんだぜ!」
「悪い悪い!さて、お前は・・・まぁ聞かなくても分かるな。帽子だろ?」
「そうだよ!はやくよこすんだぜ!」
そう言うと帽子の無いまりさは後ろに居た子ゆっくりをこちらに突き飛ばした。
軽く二十匹はいるな。どれも足にあたる部分を噛み千切られており受身が取れずに転がった。
「ゆべっ!」「ゆぐっ・・・どうじでぇ・・・」「おがあしゃん・・・すてないでぇ・・・」
赤ゆっくり達は絶望に染まった顔を母に向けて自分を売らないように懇願している。だが
「はやくするんだぜ!」
と全く意に介さず催促してくる。
まぁ俺も興味は無いので黒い風呂敷から取り出した帽子を渡すともう用は無いとばかりにさっさと立ち去っていった。
あの親も少し前までは仲の良い家族で、俺の前で子供達と歌を歌ってくれたんだけどな・・・。
何かの拍子に帽子を無くしてからはゆっくりできない日々が続いたのだろう。
すっかり愛情を無くし子供を売り払ってしまった。
このように飾りを無くしたゆっくりはゆっくり達の間で密かに囁かれいる「うらるーと」(つまり俺)で帽子を得ることによってゆっくりしようとする。
しかし帽子は先程までの本やガラクタなんかより遥かに交換レートが高い。
よってこうやって子供を差し出す親ゆっくりは多いのだ。
どうせ畑荒らしのゆっくりから奪った帽子なので仕入れ値はタダなのだが。
「どうじでぇぇぇぇ!!!!!かわいいこどもだっていってくれたのにいいいい!!!!」「ゆえーんゆえーん!!」「おがああああああじゃあああああああ!!!!!」」
泣き叫ぶゆっくりを無視して次のありすの接客をする。
「このまえのまりさはよかったわよ!!でもありすはあたらしいまりさがほしいわ!!」
こいつは定期的にまりさを買っていく。
どうやら奴隷にして働かせたり慰みものにしているようだ。
また買いに来たってことは殺してしまったのだろう。
その辺の事情は聞かないがな。
こいつがまりさを買いに来るであろうことは分かっていたので仕入れ済みだ。
さっきの帽子の持ち主である足を焼かれたまりさをありすに渡す。
「んほおおおおお!!!!とってもかわいいわぁぁぁ!!!!ありすのあいのすでかってあげるからねぇぇぇぇ!!!!!」
「ぎゃああああああ!!!じじいたすけるんだぜぇぇぇぇ!!!!!もうゆるしてくれだぜぇぇぇぇ!!!!!」
「お幸せにな!」
「うふふふふふふ・・・。しあわせになりましょうねぇぇぇぇ!」
泣き叫ぶまりさを乱暴に加えて引き摺っていくありす。うえっ、変な汁が出てるし。ナメクジみたい。
「っておい!おまえ代金は・・・これか?」
去っていったありすの居た場所に大量の果物と赤ありす達が居た。ありすと奴隷まりさの子供だろう。赤まりさは・・・犯し殺したか。
皆一様に「ゆ?」等と体を傾けている。事情が全く飲み込めていないのだろう。まぁそっちのほうが静かで良い。
帽子と交換で得た子まりさ達もようやく泣いても無駄だと分かったのか宙を眺めて呆然としていた。
その後もたくさんのゆっくりが日の当たる場所では決して言えない理由で訪れた。
恋敵を亡き者にする為に七味を買っていったゆっくりぱちゅりー。
親の言いつけも守らない、ワガママに育った子ゆっくりを食べ物と交換するゆっくりれいむ。
今日はこんなものだろう。
黒い風呂敷には普通のゆっくり相手に商売していた物より遥かに大きく膨れている。
中には森の恵みとゆっくりだ。
それなら最初っからここに来ればいいじゃないかと思うかもしれないが
先にあちらで商売したほうがそれを聞きつけた「うらるーと」目当てのゆっくり達が集まりやすいし森で信用を集めて宣伝にもなる。
それに俺はゆっくりが嫌いじゃない。
純粋で家族や恋人のために俺のところで品物を買っていくゆっくりは見ていてなかなか美しい。
その後のドロドロしたゆっくり達の姿にもある意味そそられるのだが・・・。
そんな事を考えながら果物やらキノコやらを売り払い家でゆっくりとお茶を飲みがらゆっくりをかじった。
「おがぁさん・・・どうじてぇ・・・」
最終更新:2008年12月09日 18:59