ゆっくりいじめ小ネタ362 リサイクル

コンビニの店先、いつもの日常。

「ゆゆっ! おちびちゃん! ここにはおいしいものがたくさんあるんだよ!」
「ほんちょ!? れいみゅ、あまあまたべちゃいよ!」
「ゆっへん! おかーさんにまかせてね!」

成体のれいむと赤れいむの親子。
その姿をガラスごしに捉えた店員は大きく溜息をついた。

「またきやがったのかよ、糞饅頭どもが……!」

店員は愚痴をごぼしながら、いつものように裏の掃除用具入れに向かい、大きなトングとゴミ袋を手に戻ってくる。
入り口のところにはゆっくりの親子がいた。
ゴミ箱に隠れ、そこから出てくる客には見えないように隠れているつもりなのだろうが、後ろからはまる見えだ。

「お客さーん」

ちょうど出てきた男性の客に店員が声を掛ける。

「申し訳ありませんが、左手を前に伸ばしていただけますか?」
「……これでいいの?」
「ゆ"びぇぇっ!?」

不思議な顔をしながら、袋を提げた手を持ち上げると客の足元から親れいむの悲鳴が上がった。
親れいむが客の袋に飛びかかろうとした瞬間だったため、そこから落とされた形となり、アスファルトに顔面から叩きつけられたのだ。
痙攣しながら餡子を吹いて悶絶する。

「はい、結構です。ありがとうございました」

うんざりといった様子で頭を下げる店員に、苦笑いを浮かべながら男性客が手を振って去ってゆく。

コンビニでのゆっくり被害は切実だ。
24時間いつでも人間がいて、たくさんの食料があり、ゴミ箱には客が捨てていった
喰い残しが溢れている。
こんな条件のいい場所を野良ゆっくりが見逃してくれる筈が無い。

ゴミ箱や店舗の廃棄コンテナを漁るだけでなく、客の背後に隠れての店内に侵入して
食品を持ち逃げしようとしたり、ドアの所で待ち伏せして買い物を終えた客にエサを
ねだったり、それを奪おうとするのだ。

「お、おきゃぁしゃあああああん!? ゆっくりしていってね!? ゆっくりしていってね!?」
「ゆ"…ゆ"ぶう"ぅ"……ど、どうぢでじゃまずる"の"ぉ"お"お"お"お"お"! 」
「ゆっ! そうだよ! おにーしゃんのせいで おきゃーしゃんが ゆっきゅりできにゃいんだよ! ゆっくりあやまっちぇねぇ!」
「れいむは しんぐるまざー なんだよ!? たいへんなんだよ!? ゆっくりあやまったら あまあまもってきてね!」

店員の足元で親れいむが怒りの声を上げる。
かわいいれいむとおちびちゃんが飢え死にしたらどうしてくれるんだと言わんばかりにゆぅゆぅを繰り返す。
赤れいむもと店員の足に体当たりを繰り返している。もちろん痛くも痒くもない。

「そうかそうか、シングルマザーなのか。 そりゃ大変だろうな。 あっ、そうだ!」

店員が制服のポケットを探り始めると、たちまちにれいむ親子の視線がそこに集中する。
親れいむは先程の剣幕をもう忘れてしまったのか、涎を垂らして何をくれるのかと期待した声を上げる。

「あまあまをくれるんだね! ゆっくりしないでよこしてね!」
「さっさちょ よこしちぇね!」
「はいはい、ここに注目ね……いいか?」

やがて取り出され、握ったままの手をれいむ親子に見せつけるようにその頭上で何度も左右に往復させると急にそれを後ろへ放り投げる動作をする。
開いた掌から飛んだものは何も無いのだが、ありもしないそれを追ってれいむ親子はそちらへと飛び跳ねていく。

「あまあまさんまってね! れいむにたべられてね!」
「ゆっくちぃー! れいみゅもあまあましゃんたべ……ゆゆゆ!?」

店員は一つ溜息を吐くと、親れいむのあとに続く子れいむをトングで摘んでゴミ袋に放り込む。
夢中になって地面の上を探し続けている親れいむには真後ろでそれが起きていても気が付かないらしい。

「ゆっ! とってもゆっくりしたきらきらさんをみつけたよ! れいむのたからものにするよ!」

親れいむが嬉しげに声を上げる。何かを見つけたようだが、舌では中々拾い上げることが出来ずに地面を掻くばかりだ。
後ろから覗き込んだ店員は手を伸ばし、銀色のそれをひょいと摘み上げる。

「おっ……百円玉だ、やりぃ」
「それはれいむのたからものだよ! ゆっくりかえしてね! かえさないといたいめにあうよ!」
「いいこともあるもんだなぁ~」
「どうじでむじずる"の"ぉ"お"お"お"お"お"お"お"!」

それが胸ポケットに滑り込むと親れいむは憤慨して砂糖水をみっともなく流しながら店員の足に体当たりをする。
自分は使うことの出来ないものを欲しがるのだからゆっくりというものはわからない。
店員はちょっと足を上げてスニーカーのつま先で親れいむの額を押す位の強さで向こうへ転がす。
ムキになった親れいむは起き上がりざまに大口を開いてまた突進してくるので、今度はもう少し力をいれて転がしてやる。

「ゆ"う"う"う"う"う"う"う"!!! 」

ようやく馬鹿にされている事に気づいたらしい。
いよいよ我を忘れ、全速力で体当たりでもするのか、下を向いて頭頂を前にして突っ込んでくる。
店員がその進路をわずかに避け、ゴミ袋の口を開いてやると親れいむはそこへまっすぐ飛び込んだ。

「……やれやれ」

呆れたように言うと、店員はゴミ袋の口紐を締めて堅く縛り上げ、裏口に運ぶとゆっくり専用の廃棄コンテナを開ける。
今日は既に4組のゆっくり一家が放り込まれている。
蓋が開いた事に気づいたゆっくり親子が袋越しに暴れたり、一家揃って哀れそうな悲鳴を上げるが、いつもの事なのでその上に5組めを放り込んだ。

「ほんと……コイツらって馬鹿だよなぁ……」

店員が店内に戻り、手を洗ってカウンターに戻るとチャイムが鳴った。
同時にマニュアル通りに発声する。

「いらっしゃいませぇー」

それはコンビニのいつもの日常、いつもの風景。

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最終更新:2009年02月22日 00:00
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