「じゃおーん!」
「じゃじゃおーん!」
「ちーんぽ!ちんっ!ぢんぼぉぉぉ!!」
「じゃおーん!じゃおーん!」
番みょんの鳴き声を聞きつけて駆けつけたときには、時すでに遅く、畑は荒らされていた。
「じゃおーん!じゃおーん!」
俺の姿を見つけた
ゆっくりたちがスィーと呼ばれる動力不明の乗り物に乗って去っていく。
だがその後姿ははっきりこの目に焼き付けた。
ゆっくりめーりんだ。
「ぢん……ぢん……」
俺の足元に番みょんが這いずってきた。おそらくめーりんにぶちのめされたのだろう。
「ぢんぼっ!!」
踏み潰してとどめを刺してやる。
何が通常種最強だ。ブリーダーのやつめぼったくりやがったな。役立たずを売りつけやがって。
俺は家に帰って狩り支度を整えると、逃げていっためーりんたちの追跡を開始した。
スィーは通った跡がはっきり残るのでそんなに難しくはない。
しばらくスィー跡を追い続けると、やがて俺はめーりんたちの巣と思しき場所へとたどり着いた。
「じゃおーん!じゃおーん!」
成体めーりんと子めーりんは食事中のようだった。
食べているのは野菜。おそらく俺の畑のもの。こいつらで間違いないだろう。
……難しいのはここからだ。
ゆっくりに詳しくない素人はここで間違いを犯す。
俺はふたたび探索を開始した。
今度は明確な目印となるもののない、困難な探索だ。
わずかな徴候も逃さぬよう綿密に調べながら森を進んでいく。
すると、やがて目指すものへと行き当たった。
「ゆっくり~のひ~♪すっきり~のひ~♪まったり~のひ~♪」
聞くに耐えない騒音の源は、ゆっくりれいむとゆっくりまりさの一家だった。
「ゆっきゅちー♪ きょうもみんにゃでゆっきゅちー!」
「ちびちゃんたちはおうたがじょうずだね!」
「ゆぅ~ん!」
「それじゃあおうたはここまでにして、おうちのなかでゆっくりしようね!」
「ゆっきゅちしていっちぇね!」
ゆっくり一家どもは巣の中へと入っていく。
最後尾の親まりさがなにやらごそごそと入り口の偽装をしているが、入っていくところを見た以上、まったく無駄な行為と言える。
俺は忍び足でゆっくりの巣に近づくと、家から持ってきたゆっくり燻し煙玉を巣の中に投げ入れた。
「ゆ?ゆゆっ?なにこのけむり!おうちがかじだよ!」
「ゆへっ!ゆへっ!これじゃゆっくりできないよ!」
「みゃみゃー!れーみゅきゅるしいよー!ゆーん!ゆーん!」
「いそいでゆっくりおうちのそとへひなんしていってね!」
巣の中からゆっくり一家がぞろぞろと這い出てきた。
「ゆぅ~。ちびちゃんたちみんなだいじょ……ゆ?ゆ……あれ……」
「どうしたのれいむ?ゆっくりして……ゆゆ?……」
「みゃ……みゃ……にゃんだか……きゃらだが……おみょいよ……」
この燻し煙にはゆっくりの運動餡を麻痺させる成分も含まれている。痛覚は失われない優れものだ。
「よぉゆっくりども」
「ゆ……ゆ……おじしゃん……だりぇ……?」
「おまえらだな俺の畑を荒らしたのは?」
「ゆ?……にゃんのきょと……?」
麻痺効果のせいで親ゆっくりも舌足らずになって赤ゆっくりみたいだ。
「ま、当然しらばっくれるだろうな。おまえたちはうまくやったと思っているだろうからな」
「……ゆ?」
「めーりんにやらせたんだろ?自分たちは一切手を汚さずにな。かわいそうなめーりんたちを脅して畑を荒らさせたんだろ?」
「めー……りん?おじしゃん……にゃにがにゃんだ……か……わきゃら……」
「愚かで短絡的な人間ならここであっさり騙されてめーりんを制裁して終わるだろうが、俺はそこらのトーシローどもとは違う。残念だったな」
「ゆ……ゆっくり……りきゃいできにゃいよ……」
「まりしゃたち……は……はたけににゃんて……いっちぇにゃいよ……」
「そりゃそうだ。実際に手を下すのは哀れなめーりんたちだからな。めーりんが命を張っている間おまえらは高みの見物だ。
本当に汚い奴らだよ、おまえらゲス饅頭どもは」
「おやしゃい……なんて……もっちぇ……にゃい……よ……」
「それも予想済みだ。ほとぼりが冷め、安全が確認されてから何の罪もないめーりんたちから野菜を奪いに行くつもりだったんだろ?
よく考えたものだ。おまえらの餡子脳は悪知恵をひりだすことに関しては一流だよ。他はすべて最低だがな」
「にゃに……いっちぇるの……おじしゃ……」
「さてさて、唯一無二の真実がこれではっきりわかったわけだ。続きましては制裁タイムだな」
俺は痺れている赤れいむの一匹を掴み上げた。
「やめ……やめちぇ……ゆっくち……させ……」
「おまえらゆっくりは、野菜は勝手に生えるものだと思い込んでいるんだろう?
おまえらの頭の悪さでは野菜は人間が育てるものと教え込むのは一苦労だ。
だからわかりやすく教えてやる。……これがお野菜だ」
俺は手の中の赤れいむを握りつぶした。
「ゆ……ゆぎゃ……ゆあぁぁぁ……あぁぁぁぁ!!」
「わかるな?これがお野菜。お野菜を潰されると人間は悲しい。今おまえらが悲しいようにな。
それとも別に悲しくもないか?いくらでも産みなおせる価値のない虫ケラ以下の物体だもんな。
お野菜とはまったく釣りあわないもんな」
俺は赤まりさを拾い上げ、これもぶちゅりと潰してやる。
「ちびちゃ……ちび……ちゃん……ゆあぁぁぁ……あぁぁぁぁ……」
潰れた赤ゆっくりを親ゆっくりの体に擦り付けてやる。
「ゆぁ……ゆあぁぁ……」
目の前で赤ゆっくりを次々と潰してやる。これで少しは俺とめーりんの悲しみ、苦しみがわかってもらえただろうか?
「ゆっぐじ……じねぇ……じねぇ……」
「……わからないようだな。おまえたち餡子脳を教育するのは徒労でしかない。
というわけで物理的に畑荒らしをできなくさせてやろう」
親ゆっくり二匹の全身を火で軽く炙ってやる。移動能力を奪うと共に去勢の効果がある。
「あ、あじゅいいいいいいいいいいい!!!ゆぎゃあああああああああああ!!!」
「どぼじで!どぼじで!どぼじでごんなごどずるのおおおおおおおおおおお!!!!!」
煙の効果が切れたのか、二匹は盛大に喚き散らした。もう足は潰してやったから問題ないがな。
ついでに罪の刻印として髪を一本残らず引きむしり、こいつら自身の飾りは目の前で切り刻む。
代わりに死んだ赤ゆっくりどもの飾りを体に縫い付けてやる。
よかったな。これでいつまでも一緒だ。俺の野菜は返ってこないがな。
「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!ぢびぢゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ん゛ん゛!!!!
あ゛ん゛な゛に゛ゆ゛っ゛ぐりじでだの゛に゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!!!」
「どぼじでぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!ばり゛ざな゛ん゛に゛も゛わ゛る゛い゛ごどじでな゛い゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!
お゛や゛ざいな゛ん゛でぬ゛ずん゛でな゛い゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!ばだげに゛い゛っ゛だごどな゛い゛よ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!!」
どうやらまだ自分たちの罪がわかっていないらしい。救いがたいゲス饅頭どもだ。
まあ、もう悪さはできないだろうがな。
無様に這いつくばってゴミ饅頭のみじめな生を送るといい。
「授業は終わりだ」