注意
きが くるっとる
とある田舎の片隅にある私の家、そのすぐ横に
ゆっくりの一家が住んでいました。
「おきゃーしゃん、りぇーみゅおにゃきゃしゅいちゃよ……」
「ゆっくりがまんしてね、たべものはもうないんだよ……」
「ゆっきゅちりかいちちゃよ……」
毎日ひもじい思いをしているそのゆっくり一家は、このようなやり取りを日に6,7回繰り返していたそうです。
それはさておき、そのゆっくり一家は私の家のご飯の度に窓ガラスに張り付いて、私達が食べるご飯をじーっと眺めて
いました。
「おいちちょーじゃにぇ……」
「そうだね。ゆっくりしてるね」
「りぇーみゅもいちゅかあんにゃごちそうをたべちゃいりょ……」
「むちゃいわないでね。ゆっくりがまんしてね」
「ゆっきゅちちきゃいしちゃよ……」
その度にこんなやり取りがあったそうですが、私には知った事ではありませんでした。
そんなある日の事でした。ご飯の中に私の嫌いな玉子の肉包み、~男の血と汗の結晶、荒塩風味~……略して玉男が
あったのです。
私はつい、うげぇ! こんなの喰えるか馬鹿ァ! と叫びました。
それを聞いた窓のゆっくり達は揃って声を上げます。
「だったられいむたちにちょうだいね!」
「れいむたちがかわりにたべるよ! おれいもするよ!」
「おにぇがいちまちゅ! りぇーみゅにごはんをくだしゃい!」
一家は窓に張り付いて涎を垂らしながら必死に乞います。
母は言いました。
「好き嫌いしちゃいけません」
母は厳しい人でした。どのくらい厳しい人かというと、ダサいから嫌だといっているのにも関わらず、父が何故か買って
きた「男ボールペン」――略して玉男――を、むりやり(筆箱に)挿入するくらいです。その日私は玉男を挿入された
まま泣きながら学校に行きました。
「世の中には食べたくても食べられない人だっているんです」
「そうだよ! れいむたちおなかすいてるんだよ!」
「れいむたちのぽんぽんはからっからなんだよ!」
「おにぇがいちまちゅ! ごはんくだしゃい!」
母の言葉に便乗するように窓の外で涎を垂らしながら土下座をするゆっくり達。
母は私を睨みながら、淡々と言いました。
「だから好き嫌いしないでちゃんと食べなさい」
「「「どぼじでぞうなるのぉぉぉぉぉ?!」」」
「世の中には食べられない人がいる」→「だから好き嫌いしないで喰え」という因果関係が全くもて不明な理論に、
ゆっくり達が泣き喚きました。
一方、母の意味はわからないがとにかく凄い自信に押されて、私は泣く泣く玉男に口付けしました。
後日、量が多すぎて余った玉男と、それを欲しがって寄り付いてきたゆっくり一家は生ゴミとして処理されましたとさ。
最終更新:2009年02月26日 01:10