※この作品にはゲスしか登場しないかもしれません
「「ゆっくりしていってね!」」
昨晩、畑を荒らされたので近くの森の
ゆっくりの群れに犯ゆを探しに出かけた俺の前に2匹のゆっくりが現れた。
1匹は黒い髪と赤いリボンが特徴のゆっくりれいむで、もう1匹は金髪と黒い山高帽が目立つゆっくりまりさ。
いわゆるオーソドックスペアのゆっくりだ。
「おにーさんはゆっくりできるひと?」
「いいや、ゆっくり出来ないな」
「だったらまりさたちがゆっくりさせてあげるね!」
「「ゆっくりしていってね!」」
再びその挨拶をした2匹の表情はどこか誇らしげである。
が、俺は思った。果たしてゆっくりが人間にここまで友好的に接するだろうか?
答えはNOだ。
ゆっくりってのはどいつもこいつも自分がゆっくりすることしか考えていないはずである。
よって、こいつらは腹の中に何か隠しているに違いない。
一緒にゆっくりするだけなら同属と居ればいいのだから、目的はゆっくりする事ではない。
では、何か?そんなものは決まっている。
「お前らだな!俺の畑を荒らしたのは!?」
「ゆぅ?れいむは・・・ゆっぐ!?」
「ゆゆっ!?やめてあ、げっ!?」
弁解の暇を与えず、俺は問答無用に2匹の顔面に蹴りをお見舞いする。
こいつらの目的は俺の足止めに違いない。
足止めをする理由は畑を荒らした成果を取り返されないようにするためだ。
しかも、ゲスのクセに実力行使に出ないあたり自分たちの実力を弁えている賢い連中だ。
きっと今までにも相当の被害を出してきたことだろう。
「ゆっぐ・・・やべでね、れいぶだぢなにぼわるいごどぢでないよぉ・・・」
「ゆっぐぢいだいよぉ~・・・ゆっぐぢでぎないよぉ」
「うるせぇ!お前達が俺の畑を荒らしたんだろう!?」
「ぞんなゆっぐぢ、でぎないこど・・・しないよ」
まだシラを切るつもりらしい。しかも純粋ぶって俺を騙そうとまでしていやがる。
愛でお兄さんだったらうっかり騙されてしまうかもしれないほどの名演技。
きっと相当の場数を踏んだ連中だ。
これは皆のためにも一刻も早く駆除しなければなるまい。
「ぢがうよ!でいむだぢゆっぐぢでぎないごどなんでしないよ!」
「ゆっぐぢー・・・ゆっぐぢぢでよぉー」
「犯人は皆そう言うんだよ!だから犯人だ、死ね!!」
「ゆべっ!?」
「れ、れいぶきゅ!?」
こんな醜悪で歪みきった外道饅頭など生かす価値も無い。
そう結論付けた俺は問答無用に2匹を踏み潰し、以前聞いたゆっくりどもの集落のある場所を目指した。
そんなこんなで2時間後。
俺は我が家の畑を荒らした腐れ饅頭どもの巣窟に到着した。
「「「「ゆっくりしていってね!」」」」
そう言ってまるで待ち伏せでもしていたかのように姿を現したのは4匹の成体ゆっくり。
れいむ、まりさに加えて、金髪カチューシャのありすと紫髪とナイトキャップのぱちゅりーという組み合わせだ。
いわゆるオードソックスカルテットというやつらしい、は俺の気配に気付くまで4匹は円になって何かを話し合っていた。
聞くまでも無いことだ。よからぬことを話し合っていたのだろう。
「れいむはれいむだよ!おにーさんはゆっくりできるひと?」
「まりさはまりさだぜ!まりさはとってもゆっくりできるんだぜ!」
「ありおすはありすよ!と、とかいはのゆっくりをみせてあげても・・・いいのよ?」
「むきゅ、ぱちぇはぱちゅりーよ!ぱちぇはむれのおさなのよ」
「「「「ゆっくりしていってね!」」」」
いつのまにやら一列に並んでいた4匹は、満面の笑みを浮かべてその言葉を口にした。
どう考えてもありえないほどの愛想のよさと無防備さ。
自分たちを善良な個体だと印象付けることで疑惑が向けられないようにしているのだろう。
まさかここまで邪悪で狡猾なゆっくりが4匹4種も一同に会するとは・・・。
一刻も早く潰さねば・・・そう思いつつも、ある理由からそれをせずに恋面に質問をぶつけてみる。
「ここにいるのがこの群れの全員か?」
「ちがうよ!れいむとまりさがおそとでゆっくりしてるよ!」
「れいむとまりさはれいむとまりさじゃないれいむとまりさだよ!」
何を言っているのかさっぱり分からない。
が、こういう小難しい御託を並べ立てる奴は大体ろくでもない奴だ。
やはり、こいつらが犯ゆで間違いない。
「ゆっくりしたこどもたちはとかいはのおうちでゆっくりー、してるわ!」
「むきゅ~、むこうにゆっくりしたどうくつさんがあるからここはとってもゆっくりできるのよ!」
「そうか、分かった」
信じがたいことに知能が高いことで有名なぱちゅりーとありすが正直に全てを話した。
と、普通の連中なら思うのだろうが、俺は騙されない。
これには2つの思惑があるのだ。
1つは自ら手の内を明かすことで自分たちの誠意を示し、相手の信用を得ること。
そして、もう1つはそのゆっくりした巣とやらに罠を仕掛けて俺を陥れようとしているのだ。
「死ね!この救いようのない腹黒饅頭ども!!」
「ゆびぃ!?」
「れ、れいぶう゛ぅ!?」
一撃でれいむを踏み潰すとそのまま足を横に払ってまりさを蹴り飛ばす。
「ゆゆっ!おにーさん、とかいは、ぢゃ!?」
「むぎゅううううう!ぎゅ!?」
「み゛みんなああああああああああ!?」
それから即座に俺に文句を言おうとしているありすとぱちゅりーを踏み潰した。
踏まれたわけではないまりさが悲鳴を上げているが、罪を擦り付ける相手が居なくなったことに絶望しているだけだろう。
「お゛にーざんどはゆっぐぢでぎないよ!?ぷくううううう!」
そう言って思いっきり頬を膨らませた。
なんと好戦的で凶暴で獰猛な奴だ。こんな奴を生かしておいたら今後どんな被害を出すか分からない。
ここは見つけた俺が責任を持って処分しなければなるまい。
もっとも、もともと同情の余地の無い最上級のゲスだから、許すつもりなど微塵も無いのだが。
「ゆびぃ!?ゆ゛っ・・・あお、おぢびゃ・・・」
トドメの蹴りを受けたまりさは呟きながら餡子を吐き出して絶命した。
そうか、罪を擦り付ける相手はまだ居たのか。
いざとなれば「赤ちゃんたちが野菜を欲しがった」と言って許しを請うつもりだったに違いない。
なんと浅ましい連中か。
「・・・そうだ」
罠があるかもしれないとは言え、巣にはまだ赤ゆっくりが残っている。
こいつを始末しなければ成長してから人間の害をもたらすかもしれない。
いや、あんなゲスどもの子どもなんだ。絶対に迷惑をかける。
それに、俺の畑から奪われた野菜を取り戻していない。
そんな事を考えながら歩いているとぱちゅりーの言っていた洞窟と思しき場所が見えてきた。
「・・・ここか?」
もう野菜は葉の一枚も残さず食べつくされているかもしれないな。
そうなっていたら野菜の代用に子ゆっくりどもを持って帰って食べようか。
いや、流石に汚いから赤ゆっくりを作らせて食べるほうが賢明か?
『『ゆっくちちていってね!』』
子ゆっくりどもの処分の方法を考えつつ、慎重に洞窟内に足を踏み入れた俺に数十匹の子ゆっくりが異様に愛想よく挨拶をした。
---あとがき---
書いている途中でゲスめーりんの濡れ衣を押し付けられるれいまりの作品の存在を思い出した・・・
ちなみにお兄さんの畑が荒らされたと言うのはお兄さんの妄想です。
彼は畑なんて全く耕していませんが、そこに畑があるなら畑を耕しているに違いないと思い込んでいるだけです。
最終更新:2009年03月02日 08:02