「ひゃっはー!我慢できねぇ、虐待だぁ!!」
「ゆゆっ!ここはれいむたちのおうちだよ!ぷくうぅぅうううううう!」
「
ゆっくりできないおにいさんはゆっくりでてってね!ぷくううううう!」
「「「おきゃーしゃん、きょわいよー!」」」
そんな今や懐かしい言葉を叫びながらゆっくりの巣に突撃を仕掛けたのは1匹の虐待お兄さん
カン○タやバー○ーカーあたりと似たようなものなので、恐らく“匹”で差し支えない
中には成体のれいむとまりさが1匹ずつと赤ちゃんれいむ2匹に赤ちゃんまりさ1匹の姿があった
不運にも大きな巣だったために人間でも十分進入でき、そこに突撃をかました彼は早速親まりさを蹴り飛ばす
「ゆぐぅ!?」
「ひゃっはー!いい蹴り心地だぜ!」
空気を吸って普段の1.5倍ほどにまで頬を膨らませていたまりさは思いっきり壁に叩きつけられる
打撃には強いゆっくりだ。それで死に至る事はなかったが衝撃で空気と少量の餡子を吐き出した
苦痛に顔をゆがめながらゆっくりと床に落下したまりさは呻き声を上げながらもつがいのれいむの傍に這いずってゆく
「いい度胸だぜ!ひゃっはー!」
「ゆびぃ!?」
「まりざあああああああああああ!?」
さっきよりも力を込めての二度目の蹴り。その圧倒的な暴力の前にまりさはなすすべもない
またしても勢いよく洞窟内を舞ったまりさは壁に叩きつけられ、さっきよりも多量の餡子を吐き出した
今度は這いずって戻ってこない。見たところ、死んではいないが意識を失ってしまったようだ
「「「おきゃあああぢゃああああん!?」」」
「ゆゆっ!れいむもうおこったよ!ぷくううううううううう!?」
「あ?怒ったのに膨れるだけなのか?馬鹿なの?死ぬの?」
お兄さんはそう言ってれいむが自分に攻撃を仕掛けてくるように仕向けようとしているらしい
しかし、れいむは一向に攻撃をする気配を見せず、子供達を庇うように彼の前に立ちふさがって頬を膨らませている
どうやら人間には勝てないことを悟れる程度には賢い個体だったようだ
「っち、善良ぶるなよ!ひゃっはー!」
「ゆぎぃ!?」
「「「おきゃああしゃあああああん!?」」」
れいむもまたお兄さんの一撃で壁に叩きつけられ、餡子を吐き出した
赤ゆっくり達は母れいむを目で追いながら彼女を呼ぶ
れいむもまたその声に応えるかのように「ゆっぐ・・・」と痛みを堪えて起き上がる
「おぢびぢゃ・・・ゆっぐぢにげでね!」
「逃がすものか!ひゃっはー!」
「「「ゆっきゅちにげりゅよ!」」」
それは本当に紙一重の勝負だった
行く手を遮るもののなくなったお兄さんは赤ゆっくりを潰すべく跳躍し、れいむはそれとほぼ同時に叫んだ
それでも彼は自身の勝利を確信していた。相手はあの赤ゆっくりなのだから、と
愚鈍で、惰弱な救いがたい腐れ饅頭なのだから、と
「「「ゆぴぇえええええええええええええええええん!?」」」
「何!?」
が、お兄さんの予想は裏切られ、赤ゆっくり達は時速20km近い速度で巣の外へと駆け出していった
彼は知らなかったことだがゆっくりにとって最も重要な餡子は突き詰めれば生まれたときから体内にある餡子、俗に核中枢餡と呼ばれるものである
その中枢餡は他の餡子よりもずっと性能が高く、味もよい。それに本能を司る部分なので親に勝てない敵に挑むような愚考を本能的に犯さない
ただ、この機能を発揮できるものはごく稀な上に、緊急時以外は「親のほうが強い」という思い込みやゆっくリミッターによってその力を抑えられているが
他の餡子がこの中枢餡よりすぐれている点と言えば、それこそ量に任せた強度くらいだろう
「これで・・・れいむのおぢびぢゃんはゆっぐぢでぎるよ・・・ゆべっ?!」
「くそっ・・・なんか知らんけど逃がした!?」
赤ゆっくりを取り逃がした悔しさをかみ締めながら、腹いせにお兄さんはれいむを踏み潰した
もっとも、半年後には復讐にやってきたあの3匹をいともたやすく返り討ちにしてその無念を晴らすことになるのだが
どうやら成長に伴って他の餡子の量が増えたことが中枢餡の機能を著しく低下させてしまったらしい
もっとも、どんどん弱体化していることに当の本人達は最後まで気づかなかったようだが
その事実に気づいたとき、お兄さんは思った
「・・・今度、赤ゆに親を虐待させてみるかねぇ」
‐‐‐あとがき‐‐‐
親の庇護なしで赤ゆが生きる方法を考えた結果
成長するほど弱くなるというトンデモナマモノになってしまった
まあ、トンデモなのは今更か・・・
最終更新:2009年04月11日 01:03