森に続く農道の途中で、2匹の
ゆっくりを見つけた。
潰すのに丁度いいので拉致した。
「ゆっくりおうちにかえしてね!」
「かえしてね!」
虐待用地下室に、2匹のゆっくりの声が響く。
バレーボールほどの成体れいむと、ソフトボールより一回り大きい子まりさ。
話を聞くと、なんでも子まりさがまだピンポン玉くらいの大きさだった頃に、パートナーが死んだらしい。
そのときついでに、子まりさの姉妹計12匹も死んだとか。
「そうか。じゃあ大切な1匹娘なんだな」
「そうだよ!おチビちゃんはれいむのたいせつなおチビちゃんなんだよ!」
エッヘン、とばかりに顎を張る親れいむ。
1匹で苦労して育てた自慢の娘なのだろう。
大きさ的に見ても、巣立ちは間近に違いない。
「へえ。1匹でよく育てたなあ」
潰されるだけの存在のくせに、ご苦労なことである。
「ゆゆっ!ゆっくりりかいしたら、れいむたちをおうちにかえしてね!」
「まりさはもうすぐ"おとな"になるんだよ!おかあさんとのゆっくりタイムをじゃましないでね!」
独立前の思い出作りと言ったところか。
ゆっくりのクセに生意気だ。
今この場で踏み潰して最高の思い出にしてやろうか・・・
「ッ!」
と、手をワキワキさせていた俺はふと良いことを思いついた。
「おい、れいむ。ちょっとこっちに来い」
「ゆ?」
ぴょんぴょん、と俺の方に跳ね寄ってくる親れいむ。
それをガッシリとホールドすると、俺は親れいむの喉に虐待用の棒を突っ込んだ。
子どもの腕くらいの太さがある、鉄の棒だ。
「ゆ゙ぐぉっ!?!?ゆんぐむぅぅうっ!!!」
棒がつっかえたが、気にしない。
さらに喉の奥に棒を入れる。
「やめてね!!おかあさんにひどいことしないでねっ!!」
足元で子まりさが懸命に抗議しているが、どうでもいい。
子まりさの出番はまだ先なのだ。
「ゆぐぅうぅぅっ!!ゆ゙ご!ゆぅぅぅ゙うゔ!!!」
棒が、かなり深くにまで来た。
後頭部に手を当てると、皮の向こうに棒があることを確認できる。
「ほーら、グーリグリ。しあわせー。なんつって」
そのまま円を描くように棒をまわす。
白目をむき、汚らしいヨダレを垂らす親れいむがビクンビクンと震えた。
「ぐぉゅ゙ぇっ!!!ぎゅゅ゙ぅぇぉおゅ゙っ!!」
親れいむ一段と大きく揺れたところで、俺は勢いよく棒を引き抜いた。
それと同時に、親れいむの口から土石流のように餡子が吐き出される。
「ゆ゙ぎょっ!!げぅぼぉっ!!ゆ゙ごぇぇぇえっ!!!」
ぼとぼとぼと。
大量の餡子が床一面に広がる。
「・・・ゆっふぅう・・・・!ゆぐぅう・・・。どぼぃじでぇ・・・ごんなごど・・・」
「お゙かあざんのながみがぁああっ!!!どぼじでごんなごどずるのおぉぉおっ!!!???」
撒き散らされた餡子を見て泣き叫ぶ子まりさを、軽く蹴飛ばす。
「れいむ。このままだと死ぬぞ」
自分でやっといてこのセリフはなんだかなあと思う。
「・・・ゆ゙ふっ・・・ゆぐぅ・・・」
嘔吐に疲れ、息も落ち着かない親れいむが俺に目を向ける。
涙が溢れ、恐怖に染まっていた。
「ほら、早く吐き出した餡子を食べろ。そうすれば死ぬことはないぞ」
親れいむを床に投げ捨てる。
ベチョッ!と、バカみたいな音が部屋に響いた。
しかし親れいむは餡子を食べようとしない。
はっきり言ってゲロだし、食べたくないんだろうなあ。
「れいむ。それ食べないと子まりさにも同じことするぞ。早く食え」
親れいむの後頭部がかすかに震える。
「やめてね!まりさならだいじょうぶだよっ!!まりさはもうおとななんだよ!こわくなんてないよっ!!」
その声に、親れいむは振り返った。
そしてニコリと一回、力のない笑顔を見せる。
「おチビちゃん、だいじょうぶだよ!おかあさんは、おチビちゃんのおかあさんなんだよっ・・・!」
親れいむが、餡子の海に飛び込んだ。
「ゆぐっふ・・・!で、でんぶだべだよぉ・・・!!だがらおうぢにがえじでね!」
2分もしないうちに、親れいむは吐き出した餡子を平らげた。
もともと体内にあった餡子なので、おなかいっぱいで食べられないことにはならないようだ。
「よし、じゃあ次行くぞ」
棒を手に取る。
作業手順は変わらない。
親れいむの顔が険しくなった。
「ゆ゙ぐおぉぉおぉ!!!ゆげぇえっ!!!ゆ゙げっ!!ゆぎょぉうぇぇっ!!!」
餡子の海が広がる。
「吐き出したものを全て食べろ。食べなければ・・・」
「たべまずうぅ゙うっ!!だべまずがらっ!!だがら゙!!おチビじゃんだけは!!」
「おがあじゃんぼうやべでぇえ゙えぇ゙ぇぇっ!!」
「・・・じぇ・・・じゅえんぶだべだよ・・・、ゆ、ゆるじでね・・・おべがいだがら・・・」
棒を手に取る。
「ゆぐぅぇっ・・・!!げぺっ!!ぐぉえぁああゆ゙ぅぇあっ・・・!」
餡子の海が広がる。
「だべまず・・・だべまずがら・・・」
「ゆるじで・・・ゆるじでぐだざい・・・・」
棒を手に取る。
餡子の海が広がる。
「・・・ぐぇえぇ・・・ゆぐぇ・・・」
棒を手に取る。
餡子の海が広がる。
棒を手に取る。
餡子の海が広がる。
棒を手に取る。
餡子の海が広がる。
「れいむ。もう食べなくてもいいぞ」
「ゆぇえ・・・ゆぅっ・・・?」
日も暮れた頃、俺はれいむを開放することにした。
「おがあじゃんっ!!!おがあじゃんゆっぐりじでええええっ!!!」
天井を見上げ、ぼーっとしている親れいむに子まりさが擦り寄った。
激しいすりすりが始まる。
「おがあじゃあああ!!!ごべんねえええ!!!!!ゆぅぅううう!!!」
親れいむは何の反応も返さない。
餡子的にはプラスマイナスゼロなので、死ぬようなことはないだろう。
餡子を吐き、餡子を食べ、餡子を吐く。
そう、餡子の量は何も変わっていないのだ。
量は。
「ゆっくりしたまりさだね!ゆっくりしていってね!」
生気を取り戻した親れいむの、最初のセリフがそれだった。
「ゆ?おかあさん・・・?ゆっゆっゆ?」
子まりさは親れいむのセリフに違和感を覚えたようだ。
俺は目論見通りに事が進んだことに、ニヤリとした。
「れいむはれいむだよ!ゆっくりしていってね!」
「ゆっ!?おかあさんなにをいってるの!?まりさはまりさだよっ!?」
まるで初対面の相手に対する挨拶。
子まりさが目に見えて動揺している。
「ゆゆ?れいむはれいむだよ?まりさはへんなこといわないでね!ぷんぷん!」
子まりさのあんぐりと開いた口が、バカっぽくて可愛いと思う。
十分満足した俺は、親れいむと子まりさを庭に捨てた。
巣に帰るなり、死ぬなり好きにすればいい。
ゆっくりは食べたものを全て餡子に変換する、すばらしい消化能力を持っている。
同時にゆっくりは餡子でモノを記憶している。
親れいむは、記憶餡子を全て消化してしまったのだ。
もう二度と、子まりさを我が子と理解できないだろう。
子まりさは親れいむをどうするのだろうか。
我が子すら理解できない1匹のゆっくり霊夢。
子まりさは見捨てるだろうか。それとも記憶が戻る日を夢見て、懸命に寄り添い続けるだろうか。
どちらにしても素敵な思い出になると、俺は思う。
おわり。
最終更新:2009年06月08日 03:47