ゆっくりいじめ小ネタ548 ねるねるねるゆ

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「買って来たぞ!」

奴は手に持ったスーパーの袋をぶんぶんと振り回しながら、そう言っ
て窓からぬるぬるとした動きで侵入してきた。
二階なのにどうやって……とか、そもそも何で窓から……とか思った
が、奴の事なので特に意味とかは無いんだろうと納得し、読んでいた
本をベッドの上に放り投げて努めて冷静に訪ねた。

「何を?」
「ねるねるねるゆ」

即答。そして満面の笑み。
何を言ってるのか理解できなかった俺は、一度大きく深呼吸をしてか
らもう一度訪ねた。

「何だって?」
「ねるねるねるゆ」
「……だからそれが何だよ」

そう言うと、奴はまるで『無知な奴は困るな。困るな無知な奴は』と
でも言いたそうな見下した顔で首を左右に振ってから、スーパーの袋
に手を突っ込んで俺にそれを突きつけた。

「これだ!」
「ゆっくりしていってね!」

顔面に突きつけられる人面饅頭。
俺は迷わずその面を引っぱたいて床に叩き付けた。

「ゆべっ!」
「あぁっ?! どうしてそんな事するの?! 食べ物を粗末にすると
もったいないお化けが出るぞ!」
「お化けも何もそれ自体が饅頭のお化けみたいなもんじゃねーか」
「あ、そっか。ならよし」

奴はなにやら納得したような顔で、床に落ちて涙を零すゆっくりれい
むを拾い上げた。
大事そうにそれをテーブルの上に置く奴に向かって俺は言う。

「それで結局何なんだねるねるねるゆって。ただのゆっくりにしか見
えんぞ」
「あぁ、ちょっと待て」

奴はそう言うと、スーパーの袋に入っていた器のようなものと二つの
小袋を取り出して、それを器の中に開けた。
すると、その中からそれぞれ色鮮やかなキャンディーと、たくさんの
小さな球体が現れた。
そして、その小さな球体はもぞもぞと動くと、揃って上を向き、こう
叫んだ。

「「「「「ゆっくちちちぇいっちぇにぇ!」」」」」

それはゆっくりれいむの赤ん坊の群れだった。テーブルに乗せられて
いたゆっくりれいむは「れいむのおちびちゃん!」と言いながら瞳を
爛と輝かせる。
俺は目の前に広がる光景に、ねるねるねるゆとやらが一体どういうも
のなのか更にわからなくなってきていた。
奴は最後に袋に入っていた大き目のプラスチックスプーンを取り出し

赤れいむ達が器にあけられたキャンディーと食べだしたのを確認して
にやりと笑みを浮かべながら口を開いた。

「ねるねるねるゆはな」

そして、奴の指がテーブルの上にれいむの頭に伸び、その頭をカパッ
と取り外した。
自然とそこに視線が集まる。
ちょっと引いてる俺の視線。
何が起きてるのかわからず唖然とする赤ゆ達の視線。
何が面白いのか口の端に笑みを浮かべている奴の視線。
頭の上が妙にスースーして不思議、とでも言いたそうなれいむの視線。

「ゆぎゃー?!」

そして、自分の頭がなくなったことに気付いたれいむがけたたましい
叫び声を上げた。

「でいぶのあだまがー?! どぼじでごんなごどにー?!」
「「「「「おきゃーしゃーん?!」」」」」

変わり果てた母の姿を見せられた子供達も参加しての大合唱だ。凄い
うるさい。
そんな中でも奴はひたすらマイペースに、片手でれいむの体を押さえ
てもう片方の手にもったスプーンを、そのむき出しになった餡子へと
勢いよく突っ込み、ぐりぐりとこね回し始めた。

「                 (文字では表現できない)」

先程までの意味のある叫びとは全く違う、襲ってくる痛みに耐えかね
てひたすらに搾り出しただけの獣のような絶叫に、俺は慌てて耳を塞
いだ。
はっきりいって、これはかなりくる。この聞くに堪えない酷い叫び声
もそうだが、頭の中身をこね回されているれいむの表情が実に醜悪か
つ悲惨、俺は勿論血の繋がったれいむの子供達ですらひそかにバケモ
ノ呼ばわりするほどの凄まじい苦悶の表情だ。

「練れば練るほど顔色が変わって……」

そんな中で、奴は一人だけ平気な顔で声を上げる。その声は何故か少
し楽しそうだ。
そしてれいむの顔色がこげ茶色になり、もう叫び声も上げられなくな
ったのを見計らってそのスプーンを取り出し、泣きつかれた赤ゆの入
った器に突っ込んだ。

「こうやってつけて……」
「ゆぅー?!」
「べちょべちょしゅるー?!」
「やめちぇにぇー?! へんにゃにょつけにゃいでにぇー?!」
「やめちぇっちぇいっちぇるにょにー?!」
「「「「「もうやじゃ! おうちかえりゅ!」」」」」

口々に文句を言う赤れいむ達。奴はそいつらの必死の訴えにも全く耳
を貸さず、その赤ゆ付き餡子スプーンを口に入れてしっかりと咀嚼し。

「マズいッ!!」(テーレッテレー)

勢い良く器に吐き出した。

「まずいの?! あと何その効果音?!」
「苦痛を味わったゆっくりの餡子の濃厚な甘さに赤ゆの飲み込んだパ
チパチするキャンディーの爽やかな酸味がストライキを起こすマズさ
だ。飲み込めないほどまずい」

そう言いながら奴は口直しとばかりにテーブルの上においてあった俺
のお茶を勝手に飲みだした。

「つーか顔色が変わるまで餡子混ぜなきゃ食えない上にまずいとか、
それに商品価値はあるのか?」
「さぁ……でも結構売れてるらしいからきっとどこかに需要はあるん
じゃないか?」
「何処にだよ」
「さぁ……」

奴は無責任にそう言って首を振った。
俺はとりあえず食べ物を粗末にするのはいけないと思ったので器の中
で半分死にかけになっている赤ゆをこっそりと奴の飲んでいるお茶の
ペットボトルに入れた。すると、奴は盛大にお茶を吹いたので極めて
平和的に拳での会話で家から出て行って貰った。







後日、あのねるねるねるゆが混ぜるだけ混ぜて食べずに捨てられてい
るのが社会問題になっているらしい事が、テレビの特集でやっている
のを見かけた。
が、特に興味は無かったので普通に料理番組とか見て過ごした。


おわり

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最終更新:2011年07月28日 03:57
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