ジョウト地方に一人の天才トレーナーがいました
彼は廃人の一人でしたので、来る日も来る日もチャリをこぎ続けていました
ある日、一匹のポケモンが産まれました
そのポケモンは「V」の数も多く、バトル向きの性格と身体を持って産まれました
秘められた能力…その「めざめるパワー」も彼の種族の弱点を補うにふさわしいものでした
しかし、残念なことに、特性はトレーナー、いや廃人一般の望むものではありませんでした
そのため、ポケモンは「ゴミ処分」と称して初心者の元へと交換されてゆきました
交換、と言ってもその辺を歩いていた事情のよく分かっていない初心者の
誰かにもらったらしいマスターボールをひったくって
いいものやるよ!などと捨て台詞つきで不要なポケモンを強引に押し付けたという状態ですが…

それから数ヵ月、トレーナーはイッシュ地方へと旅立っていました
トレーナーはこの地の知識を徐々に身につけるうちに、
自分が大変なことをしてしまったことに気がつきました
数ヶ月前にマスターボール一つ奪って初心者に押し付けたあのポケモン
あのポケモンを粗末に扱った原因のあの特性は、この地ではとても有用なものだったのです
その後彼はずっとずっとずっとずっとあのポケモンのことを惜しんでは愚痴り続けたそうです

ちなみに、ポケモンを押し付けられたトレーナーは
ボールからポケモンを出して目にした途端、それはもうメロメロ状態になり、
美味しいものを与えたり毛づくろいをしてあげたりと大事に大事に育てたそうです
結局産まれ持ったバトルの才能も完全には活かされなかったのですが、
チャンピオンとの決戦やポケスロンに挑戦したり色んな場所を旅したりで幸せだったので
ポケモンにとってもトレーナーにとっても別段問題はないでしょう

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最終更新:2011年07月30日 22:43