牙と森の約束

(ああ、そうか)
『貴方の第一歩よ、その伸ばした前髪と一緒』
(シュジェはそう言っていたけど違ったんだ。俺は逃げていたんだユルの強さから。そして、自分の弱さから)
「ふ、」
「…?…!」
「エイワズだベルカナだと、こだわっていたのはお前じゃなくて俺の方だったのかもな」
「…っ」
「…話すよ、ユル "森"への答えを、俺の考えを」
「…」「…」
「俺は、選べる未来の可能性が欲しい。種族を問わず受けられる教育と変化を望めば変わる事ができる、その足掛かりが欲しいんだ。今の里は役割に責任を押し付け合って、お互いの領域を区切っている。俺は、里を否定する事になっても、里を変えたい。森が朽ちる前に」
「…」「…」
「…やっぱりエシムはすごいよ」
「!…お前は…また考えなしに同意して…。失敗するかもしれない、意味があるかもわからない。ともすれば森に居られなく「考えなしじゃないよ。 前にエシムの話聞いて前に進まなきゃって思った」
「…!」
「けど、どうすればいいかわからなかった。俺、考えるの得意じゃないから。でも、エシムの手伝いならできるよ。大変かもしれないし、間違うかもしれないけど。 俺は"森"を信じるよ。何があっても、だからエシムも、諦めないで」
「…ああ"約束"だ」

「ありがとう」

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最終更新:2013年04月15日 09:14
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