掌の中でデリンジャーを転がす。弾は装填された二発のみ。他にも殺しに使えそうなものはあるが、残念なことに、紙袋に入れられていた支給品にはロープの類はなかった。
少しの間考える。思いがけず始まった第二の生、もしくは死地への参加。23年前のように、ここには死と喪失が転がるのだろうか……
「誰かと話がしてみたいな……」
男、仙道俊雄は元・キャスターであり現・被疑者だ。六人の人間の殺害と数名の警官への爆弾による殺人未遂などがその犯行であり、現在は病院で精神鑑定を受けていた、はずだった。
仙道の記憶は、看護師達に囲まれ病院の廊下を歩いているところで途絶えている。自分が死んだ、と鬼には言われたが、そもそも生きている実感の無いこの二十余年、今このときに至るまで現実感は感じられない。ただなんとなく、自分には死ぬ理由も殺される理由もあるんだからそうなるだろうという感想のみだ。
別にこの鬼ごっこが嫌というわけではない。自分の中のぽっかりと落ち窪み湧き出す闇、それに対する答えを、あの小野寺拓巳との中で見い出したが、結局は半端な結果に終わってしまった。それがまたここで得られる可能性もあるのかもしれない。それなら少しは希望が持てる。死んだように生きている――生きたまま死んでいる自分が鬼というのも悪くない。いや、相応しいとさえ言える。
なら、それなら自分はどうするべきであろうか?
掌の中でデリンジャーを転がす。こういうのは良くない。改めて
ルールを考える。24時間で生きている『子』の半数を捕まえるか、参加者の半分が『鬼』になるか。この
ルールならば『鬼』はもちろん『子』も殺す必要はない。だが参加者がどの役か判断することも困難。ならばなにかしら役に当たりをつけられる手がかりがあるはず。情報は極めて不足している。それを集めきる時間も無い。ジャーナリストである自分には不利な環境。だがそれ故に、有能な自分にしかできないこともある。
考えることもやるべきこともは山ほどある。やるからには完璧を目指し徹底するのが主義だ。全力を尽くして初めて欲しい物は手に入る。そのことは良く『識って』いる。
さて――
「誰かと話がしてみたいな……」
【不明/不明】
【仙道俊雄@22年目の告白 -私が殺人犯です-】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:ハイスタンダード22口径2連発デリンジャー@バトルロワイアル
[道具]:デイパック(スマートフォン(鬼)、不明支給品1)
[思考・行動]
基本方針:やるからには完璧にやる。
※その他
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間を把握。
人物解説……ネタバレになるが地上波で放映されたため影響は低いと判断し解説する。元戦場カメラマンのキャスターで、強い自己顕示欲と完璧主義、そしてそれらを満たすに足る高い能力と執念を持つ。ここでいう能力と戦闘面での能力も含めたものであり、やたらタフで手負いの状態でも警察官を撒いたりある人物をボコボコにしたりしている。その内面は戦場カメラマン時代に受けたPTSDで本人にも全容はわからないが、自分の経験を共有させるべくある行動をする。ちなみに作中で連続絞殺事件を引き起こした真犯人である。
最終更新:2018年06月10日 01:01