「な……なんだ、ここは……?」
少年は、怯え、驚き、あたりを見回す。今までいた世界とは、何かが根本的に違う。
世界は……もっと乾いていたはずだ。砂埃、暴君、奴隷、労働。飢えと渇き、暴力と支配。
だが、ここは。緑に覆われた山、廃墟ではなく整然と立ち並ぶ家屋。失われたはずの旧世界。
いや、違う。空は青くも黒くもなく、不気味に赤い。火花が散り、紙が舞い落ちる。それを無意識に拾い、文字を読む。
最低限の教育はある彼にも、その文字は読めたが……その内容は、理解を拒むものだ。
「鬼ごっこ……!?」
かつて遊びとしてやったことはある。しかし、これは。どう考えてもまともな鬼ごっこではない。
鬼とはたぶん、あいつらのような、文字通りの鬼。暴力で人を支配し、殺し、奪い、搾取することしか知らない奴ら。
あの暴君が斃れたというのに、自分はまた、同じような奴らの虜になってしまったというのか。
ぎり、と歯を食いしばる。負けるものか。生き残ってやる。逃げ切ってやる。
『仁』の星のもと、自分たちを守り、身代わりになった―――――あの人のために。
【???/00時12分】
【レム@北斗の拳】
[役]:子
[状態]:健康、困惑
[装備]:ナイフ
[道具]:支給品(未確認)
[思考・行動]
基本方針:生還する。
1:子や親と合流し、協力する。鬼からは逃げる。
※その他
各役の人数・会場の地図・制限時間の詳細は未把握。自分の役を子であると推測。
『人物解説』
漫画『北斗の拳』94話に登場する少年。アニメでは67話に登場し(CV:江森浩子)、レムという名がつけられた。
サウザー率いる聖帝軍に捕らえられ、聖帝十字陵の建設作業を強いられていた。
十字陵の完成が迫った際、頂上へと続く階段の脇に並ばされ、反乱軍を率いていたシュウの最期を目撃。
自分たちを「未来を照らす光だ」と言ってくれたシュウの仇を取るため、階段を上ってきたサウザーの右脚に刃物を突き立てる。
だがサウザーは全く動じず、愛が彼を狂わせたと発言し、自らが愛を否定するに至った経緯をケンシロウに語るのであった。
同作のパロディ漫画『北斗の拳イチゴ味』では「ターバンのガキ」と呼ばれ、執拗にサウザーの脚を狙うばかりか、
ケンシロウやラオウにもダメージを与える恐るべき存在と化したが、ここでは原作通り無力な少年である。
最終更新:2018年06月24日 15:18