「ククリ-!ジュジュー!トマー!もうこの際ギップルでもいいから出て来いよー!」
通りすがった民家のタンスを物色しながら、赤いバンダナを巻いた少年は叫ぶ。
せっせと窃盗行為に勤しむ少年の名前はニケ。こう見えて、勇者である。
四大精霊王との契約を完了し、魔王ギリとの決戦に備えて眠りについたはずが、こんな島に来ていた。
グルグル使いのククリ、ルナーのジュジュ、地味なトマ
パーティーの仲間も一人もいない。一体何があったというのか。
「迷子の勇者様はここにいるぞー…はぁ」
何度仲間を呼んでも出てくるテロップは「しかし なにも おこらなかった !」ばかり。
現実逃避を兼ねた勇者の特権である窃盗行為も、手に入ったのは変な紙一枚。
ため息を吐きながら、手に入れた紙を眺める。
『制限時間まで一人でも逃げ切る、もしくは、『鬼』が全員死ぬ。』
『子』が勝利条件を満たしなおかつ『子』の生きている人数が『親』の生きている人数より多い。』
『制限時間までに生きている『子』の過半数を主催者本部に捕まえる、もしくは、生きている参加者の内過半数が『鬼』になる。 ―――現在開催中!』
「現在開催中って…なんかいやに複雑な
ルールの鬼ごっこだな、多分ククリが説明聞いても分かんねーぞこれ」
ともあれ、この島では魔物と住民?との鬼ごっこが開催されているらしい。
それに自分は巻き込まれた、ということなのだろう。
ギャグマンガの人間は呑み込みの速さが売りである。
「そんでもって、これは王様からのおくりものって所か」
ポケットにいつの間にか入っていたお守りを検めながら、ニケは外を見据えた。
自分の役割は親に守られるべき子だが、『勇者』としてやるべきことは決まっている。
ゲームに勝ち、ククリ達と合流する。それこそが勇者が歩むべき王道の英雄譚。
「さーて、ほんじゃ行くか。ククリたちもここに来てるかもしんねーし。
出来れば初めて会うのは可愛い子がいいなグヘヘ」
…もっとも、このお気楽極楽勇者様がそんな英雄譚を歩めるかは、分からないが。
【不明/不明】
【ニケ@魔法陣グルグル】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:お守り、鬼ごっこのルールが書かれた紙
[思考・行動]
基本方針:ククリ達と合流してギリを倒しに行く
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
人物解説……『魔法陣グルグル』の主人公。13歳。
ひねくれてるように見えるが結構お人よしなとこも。
お色気と金品には目がない。一度店を開いて大もうけしたことがある。
ボケもツッコミもこなす勇者様。僕にはとてもできない。
風の王との契約後から参戦。
最終更新:2018年06月24日 15:33