世の中の人間には須らく得手不得手というものがあります。
足が速いが非力な人間、頭は良いのに不器用な人間、計画を立てるのは得意なのに実際にやるのはてんで駄目な人間、実に様々です。
さて、これから話す一人の怪物もまあそれは得手不得手の激しい男でして、プロデュースは得意なのにマネジメントはからきしというタイプであります。
例えるならそれは、革命家を自称する夢想家とでも言いましょうか。
「ふむ、役それぞれに利害のある形での鬼ごっこ、というわけですな。」
顎に手をあてながら一人話すのは、目が飛び出した蛙顔の大男です。ローブは痩せぎすの体を隠し随所にある装飾品と首飾りが極めて悪趣味なファッションをしています。そんな彼の役は『鬼』。十二人しかいないその役の一人ですが。
「しかしたった一日でやろうとはいただけない。ええ全くもって。このパーティの主催者は、惨劇の肝を解していないように見えますな。」
(ここは一つ、私が教鞭を執る必要がありそうです。)
この男、役通りに動く気は全くありませんでした。それどころか、この鬼ごっこを転覆させようと考えていました。
彼の大仰な台詞をかいつまみ要約しますと、「(主催者は)デスゲームの見どころがわかっていない」「
ルールと制限時間を練りこめばさらなる悪徳が示せる」など、ようするに「俺にやらせろ」ということです。
なんとも傲岸不遜、大胆不敵な考えですが、しかし彼には実績があります。なにせ彼は今から何百年も前に、自分の城で攫ってきた子供達に命懸けの遊戯をさせたこともあるのですから。経験者は語る、ですね。
「さて、まずは人材を集めますか。有望な人間を登用できれば良いのですが。」
(螺湮城教本も無い今、鬼を相手にするにはまずは彼らと敵対する『親』や『子』と結ぶのが定石でしょう。)
内に秘めた翻意のままに、彼――ジル・ド・レェは行動を開始します。より大きな絶望の元手となる希望を育てる為に。
「地獄の悪魔も舌を巻く、本当の涜神をお見せしましょう。」
【???/深夜】
【ジル・ド・レェ@Fate/Zero】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品2つ(確認済み)、スマートフォン(鬼)
[思考・行動]
基本方針:乗っ取るためにこのゲームには乗らない。人を殺そうとする鬼は殺して『親』や『子』から信頼を得る。
1:『子』や『親』を集め対主催チームをつくる。
人物紹介……Fate/Zeroの登場人物で、クラスはキャスター。逸話通りの危険人物で残忍・狡猾、しかし物事を客観視する度合いにムラがあり、時に慎重さに欠ける行動をする。涜神の為に子供を拉致拷問殺害してきたが、今回は鬼ごっこを「手緩い」と判断し自分が主催になる為に対主催となる。なお今回の彼は聖杯によって召喚されたわけではないのでサーヴァントではない。
最終更新:2018年06月24日 15:39