エギーユ・デラーズは激怒した。
 必ずやかの邪智暴虐の鬼畜共に裁きの鉄槌を下さんと決意した。

「地獄とはさもありなん。しかし、よもやこのような場所とは。」

 デイパックを引っ掴み手近な建物に身を寄せると、艷やかな頭部と半ば一体化した眉間に皺を寄せる。
 デラーズはもちろん、このような催しに参加するつもりは無かった。彼の意識は部下であるガトーを喝破した後に途絶えている。大方あの直後にシーマに撃たれだのだろう。だがその生涯に後悔はあれど絶望は無い。自分の亡き後でも、必ずや意思を継いだ若人達が大願を成就すると確信しているからだ。それはここが地獄ではなく、自分があの後殺されずに拉致されてこの戦いを共用されていたとしても同様だ。
 よって彼がこの鬼ごっこで目指すのは一つ。鬼ごっこの打破である。それはただの一参加者でしかない彼の身には余る困難な事業であるが、しかし彼は一欠片の諦めも抱いてはいない。崇高な意思は、苦難の全てを跳ね除けるのだ。このような場所であっても絶対に同志を見つけ、このようなことを仕出かした連中に乾坤一擲の痛打を加える、その為に全身全霊を捧げることに抵抗は無い。

「まずは拠点の構築が最優先か。」

 デラーズは一先ずの方針に従い建物にバリケードを築き始める。若くはないがこれでも軍人、激しい加重に襲われるモビールスーツも乗りこなす彼のその動きに淀みは無い。
 勝ち取るべき栄光の為に彼は動く。
 核を撃ち地球にコロニーを落とし、間接的にでも関わった殺した人数は五十億を超える宇宙世紀史上でもトップクラスのでテロリストの第一歩は、そんな地味なものであった。



【不明/不明】
【エギーユ・デラーズ@機動戦士ガンダム0083STARDUSTMEMORY】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:デイパック(確認済みの支給品二つ)
[思考・行動]
基本方針:この戦いを打破する。
1:まずは拠点を構築する。
※その他
自分の役・各役の勝利条件・制限時間を把握。
人物解説……原作における悪の首魁。階級は中将で、デラーズ・フリートと呼称されるジオン軍残党を率い地球連邦政府に対し宣戦を布告、自身は最終局面で死亡するも目的を完遂、地球の食料自給率を低下させる。リーダーとしては申し分無く、将校としては極めて優秀。しかしその軍略によってどのような政治的影響が齎されるかは読み切れない。ネーミングセンスなどと合わせてロマンチストと言われることも。
最終更新:2018年06月30日 23:55