地獄に再現された沖木島。その上空を飛ぶ飛行機くら落とされた女が海岸です蹲っていた。
銀の髪と白皙の肌の美麗な女だった。雪と氷でを掘り上げて作った精緻な彫刻を思わせる。しかしそこに冷たさなど無い。有るのは長い歳月を持つ家柄に産まれた者しか持ち得ない気品と、その精神から滲み出る母性だ。

「一体…、何が、起きたの………」

呆然と呟くも答える者など居やしない。
近くに落ちていた紙を拾う。書かれている内容は機内で聞かされたものと一致する。

「ああ………」

アイリスフィール・フォン・アインツベルンは嗚咽を漏らす。
アインツベルンの城の中に居たこの身をどうやって飛行機に乗せたのか?
城の護りと、夫と騎士王を欺いて自分を拉致した者は何者なのか?

「あ………ああ…」

此処まで考えて気づいてしまった。この出来事に城に居た者達も巻き込まれたのではないかと。
切嗣やセイバーならば心配有るまい。だが、問題となるのは………。

「イリヤッ!」

アイリスフィールは立ち上がった。イリヤが此処にいるなら一刻も早く合流しなければならない。
アイリスフィールは目的も定めず走り出した。

脳裏に浮かんだ、この場にイリヤがいた場合、『イリヤを生かす為には『子』を殺さなければならない』という、悍ましい事実から逃げる様に、一心不乱に駆けていった。


【E -06/深夜】
【アイリスフィール・フォン・アインツベルンFate/Zero】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]: 針金
[道具]:デイバッグ(中身未確認)
[思考・行動]
基本方針:イリヤが此処に居るかを確かめる

備考
※『子』に勝たせる為には『子』を殺さなければならないことに気付いています。

人物紹介
アインツベルンが作り出したホムンクルスで魔術師としての性能は高い。
しかし戦闘は苦手。
温和でありながら気高い、貴族の姫君然とした性格。一方で、非常に好奇心旺盛で無邪気。稼動時間は9年足らずな所為か、情動面において子供の様な所がある。
【参戦時期】
日本に行く直前辺り
最終更新:2018年07月01日 02:53