鬼ごっこ、か。
『ついさっき死亡した』はずの猫田東高校二年、安藤は潰れたパラシュートの傍らで笑みを漏らした。
髪を引っ張る、パラシュートに触れる、吹き抜ける風の冷たさを肌で感じる。
一頻り確かめたところでようやく彼は確信する。
―――……やっぱり生きてるのか、俺。
確かに、死んだと思っていた。
『腹話術』の後遺症で酸欠を起こし、鼻血を溢れさせ、
それでも魔王の喉元に自分のただ一つきりの剣を突き立てようとして……そこで、倒れたのは覚えている。
最早指一本動かせなかった体も、今は健康そのものだ。
まるで、あの魔王――犬養に出会う前に戻ったように。
「……よし」
安藤は拳を握りなおす。
何故だか分からないけれど、自分は生きている。ならば、どうするべきか。
決まっている。たった一人の血を分けた兄弟、潤也のもとへと帰るのだ。
そして、もう一度あの魔王との対決の舞台(ステージ)へ。
――――そうだ、安藤くん。でたらめでも自分を信じて、対決していけば……
「あぁ…犬養。きっと、世界だって変えられるさ」
小さく、しかし強い語気を以て呟いて、安藤はデイパックを担ぐ。
何もかもがまだ闇の中だ。
自分がなぜ生きているのかも。此処がどこなのかも。
此処へ落とされる前に鬼ごっこしろと言ってきた連中の正体も、目的も。
鬼ごっこに勝利すれば、また敗北した者がどうなるのかも。
考えなければならない。考えて、考えて、答えを出さなければ自分に未来はない。
けれど過剰に恐れることもない。
だって『考える』事こそ、彼の最大の武器なのだから。
【不明/深夜】
【安藤(兄)@魔王 JUVENILE REMIX
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:デイパック(不明支給品2)
[思考・行動]
基本方針:潤也のもとへと帰り、犬養と決着をつける。
人物紹介:
自分の考えていることを他人に話させる力・「腹話術」を持つ。能力は口に手を当てて発動する。有効範囲は30歩(正確には30~39歩)。ただし副作用つき
魔王 JRの第一章主人公。猫田東高校二年生。両親は事故で他界し弟と二人暮らし。
周囲の出来事を感じなくなるほど物事を深く考え込む考察癖があり、一人言が多い。このため電波扱いされないように、周囲との迎合を求めていた。
集団心理の恐怖に直面し、集団のトップリーダー・犬養へ対決することを決める。
生い立ちとささやかな超能力が使える以外は平凡を自称しているが、追い詰められた精神状態の中でも現状打破するひらめき・応用力を持つ。
最終更新:2018年07月16日 02:15