「どうしたものでしょうか……」
アーチャー・インフェルノは地獄の片隅で悩んでいた。
彼女の役割は鬼であるが、現状、この異端なる鬼ごっこには乗り気ではない。
確かに……この身に鬼の血が流れていることは否定しようが無い。
しかし、鬼としてこの場に召喚されたことは彼女にとって遺憾であった。
不愉快、と言っても良い。
聞けばこのげえむで優勝すれば、現世への受肉も可能らしい。
それ自体は大変魅力的な報酬であるし、事実他の鬼たちは大半が乗り気である。
しかし、既に死した身である自分が何かを願うことはおこがましいと彼女は思っている。
秘めたる思いはあるが、英霊の矜持として生者を手にかけるほど堕ちてはいない。
親は子を守り、子は逃げ、鬼は子を狩る。
通常の鬼ごっこをアレンジした単純な
ルールであるが、彼女はその裏に潜む悪意を既に見抜いていた。
「悪趣味ですね……このげえむの胴元は相当な外道です」
この鬼ごっこ、まず間違いなく死人が出る。
子の大半は力持たぬ一般人であるが、サーヴァントの巴が割り当てられている時点で、それを狩る鬼の方が明らかに強い。
鬼から守る親ならば多少は武の心得があるだろうが、聞けばそれでも鬼ほどでは無いという。
加えて、鬼の勝利条件は子の生存を考慮しなくても達成できるものだ。
やる気の無い自分が異端なだけであって、他の鬼はまず子を殺めることを躊躇しないだろう。
「……それは、見過ごせないですね」
英霊剣豪の身で召喚されていたら話は違っていただろうが、この場にいる巴御前は高潔な英霊である。例えこの身が影法師なれど、外道には屈しない。
アーチャー・インフェルノは、鬼の役を放棄することを決意した。
【???/深夜】
【アーチャー・インフェルノ(巴御前)@Fate/ Grand Order】
[役]:鬼
[状態]:健康
[装備]:日本刀、薙刀、弓『真言・聖観世音菩薩』
[道具]:四次元っぽい紙袋、不明支給品1つ(確認済み)
[思考・行動]
基本方針:このげえむには乗らない。人を殺めようとする鬼は退治する
1:力なき参加者は保護する
『人物紹介』
Fate/GrandOrderに登場するアーチャーのサーヴァント。真名は巴御前。鬼の血をひく銀髪赤眼の女武者。
外見は第三再臨のもの。マスターの居ないはぐれサーヴァントとして存在しているため、カルデア及び特異点での記憶は保持していない。
最終更新:2018年04月14日 01:32