(あ…ありのまま今起こった事を話すぜ!
「花京院にやられた思ったら、いつのまにか別の場所にいた!」
な…何を言っているのかわからねーと思うが、おれも何をされたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとかテレポートだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえもっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…!!)

赤く染まった空の下、一人の赤ん坊・マニッシュボーイは驚いていた、自身に襲いかかったこの謎の現象に。

(夢の世界…じゃあ無いよな、明らかに風景がちげーし、かと言って現実世界でもねーな、一体ここはどこなんだ?…そういや、さっきから鬱陶しいほどビラが巻かれているな?)

ここはどこなのか考えていると、空から無数に散らばるビラに目をつく。
ビラを読み上げると…、

ルール1:子供は、鬼から逃げなければならない。
ルール2:鬼は、子供を捕まえなければならない。
ルール3:きめられた範囲をこえて、逃げてはならない。
ルール4:時間いっぱい鬼から逃げきれれば、子供の勝ちとなる。
ルール5:親は、子供を守らなければならない。

(はぁ!?なんだこりゃ!?まさか俺に鬼ごっこをしろって事か!?これによると子供、親、鬼の三役があるが俺は鬼か?いや殺すことは出来ても捕まえるのはまず無理だしやっぱ無難に子供か?)

生後11ヶ月の赤ん坊だが、頭は良く大人の思考を持つ赤ん坊は、ビラを読み終えどうやら自分は鬼ごっこに参加させられたと推理する。

(ん?…オムツに何か入ってるな、これは札と紙か?)

その時、自分のオムツに何やら札と紙が入ってることに気付く。
紙には説明が書いてあり、説明によると札は式札と呼ばれ、効果は死体の上に乗せるとその死体の役がわかり、役が鬼だとその死体がある場所は禁止エリアになるということだ

(いやいや待て待て!?禁止エリアって何だ!?というか死体って何だよ!?まさかこれってそういう系のヤツなのか!?)

そこで気付く、自分が参加してるのはお遊びではなく、命懸けの鬼ごっこだということに。

(…まあ何となーく気付いちゃいたけどさー、どう見てもまともな世界じゃなかったし、…とりあえず誰か探すか、なんかちらほらとパラシュートがあちこっちに落ちてるし、多分俺と同じ参加者だろう。
泣け叫んであっちから来てもらうのもいいが、それで鬼か赤ん坊を殺すのも躊躇わねーサイコヤローが来たらヤバイな、ただでさえ俺は赤ん坊で俺のスタンドも今は何の役に立たねーのに、捕まるならまだしも殺しに来たらお手上げだ。
まずは遠目から安全かどうか確認してから、普通の赤ん坊のフリしてお世話になるとするか、自分が鬼か子供かはそっから考えればいいしな。)

今後の方針が決まり彼は動き出す、他の参加者と合流する為に。
昔の彼ならすぐに大声で泣き叫んで他の人を呼んでいただろうし、自分の役は鬼だと思いこんだだろう。
彼がここまで慎重になったのはここが殺し合いの場かもしれないことだとわかったのもあるが、一番の理由はその前にあった空条承太郎一行との殺し合いだろう。
あの時は自身のスタンド・死神13で一方的に承太郎達を痛めつけ、後一歩のところで殺せたところを、自分のミスにより先に自分の正体を知った承太郎の仲間・花京院典明の機転により逆転されてしまい敗北、彼により自分の大便入りのご飯を食べさせられるという屈辱的罰を受けた。
その時の苦い経験から、彼は慎重に行動する。
もう二度と失敗はしない。
彼はまだ赤ん坊だが、それ故に無限の可能性を秘めているのだ。
最終更新:2018年05月16日 16:02