「参ったな、こりゃ。」
どこにでもいそうな中年の男は空を見上げてそう言った。
「まったく……鬼ごっこなんてガキのころにしたっきりだってのに……
あ、俺のやってることも鬼ごっこに入るのかな、ははは」
一人笑いながら、村田はいつもの「ボディーを透明にする」前の準備のように色々考えてみる。
十二分に異常な状況であるにも関わらず。
「俺の役は『親』で、『親』が勝つには『子』が逃げ切って、それで『親』よりも『子』が
多く生きていればいい。つまり、必要とあらば『親』を殺す必要もあるわけか。まあ、別に殺しはどうだっていいんだが」
「『子』の勝利の優先度は『親』の勝利の優先度よりも低い。
『子』が勝つには生き延びた上で『親』よりも数が減っている必要がある。
そのくせ、『親』に守られろっていうのは変な話だ。
もし『子』がこのことをわかってるんなら『親』に守られようなんて思わないだろう。
『親』が勝っちまうからな。『子』だけで固まっていた方がまだ安全だ。」
そして、空から降ってきたビラを手に取り、二つの文に注目する。
『ルール4:時間いっぱい鬼から逃げ切れれば、子供の勝ちとなる。』
『ルール5:親は、子供を守らなければならない。』
「ルールを説明されたっていうのに、なんでこんなものを配る必要があるんだ?」
腕を組んで考える。そして、一つの考えが思い浮かんだ。
「『子』にはそういう情報が与えられていないんじゃないか。
だからこうやってわざわざ通達していると。で、俺みたいなのに守られて安心しっぱなしってわけだ。」
村田はそう結論した。
にぃっと笑ってみせる。
おそらく他の『親』も勝利条件を知っているのだろう。
中には他の参加者を殺すことに躊躇を覚える人間もいるだろう。
しかしそんな連中は脆い。ちょっといい顔をして信頼を引き出せば、コロッと堕ちる。
そのあとはずぶずぶだ。
俺は常に勝つ。
いつものようにそう心の中で呟いた。
【???/00時04分】
【村田幸雄@冷たい熱帯魚】
[役]:親
[状態]:健康
[装備]:毒入り栄養ドリンク
[道具]:デイパック(不明支給品2つ、確認済み)
[思考・行動]
基本方針:
1:無害を装い『子』を守るふりをする。
2:参加者(特に『子』)に信頼されるようにする。
3:必要とあらば『子』に嘘を吹き込む。
『人物解説』
映画『冷たい熱帯魚』の主要登場人物。演者はでんでん。
熱帯魚店「アマゾンゴールド」の経営者であり、気さくでノリが良く押しの強い、おしゃべりなおじさん。
しかし、裏の顔は金のために邪魔な人間を本人曰く58人、最低でも30人以上殺害した殺人鬼である。
死体を細かく解体、焼却し、殺人の証拠を完璧に隠滅するということで発覚を逃れてきた。
人間心理を読むことに長けており、言葉巧みに対象をその気にさせる話術、
風貌、ユーモアのセンス、そして暴力性を持っている。
最終更新:2018年05月24日 00:19