『
ルール1:子供は、鬼から逃げなければならない。』
顔をあげると、一番はじめに目に飛びこんできたのは、その一文だった。
黒板にでかでかと、書きなぐってあるのだ。
チョークを横にしたのか、太い文字で。
それを見て僕は、この前に参加したある大会を思い出していた。
小学六年生が、願いを叶えるために最後の一人になるまで争う、あの『ラストサバイバル』を。
僕の名前は桜井リク、体育より音楽とか図工とかのほうが好きな小学六年生。
そんな僕は今度、『ラストサバイバル』っていうも大会に出場するはずだった。
ラストサバイバルは、毎年50人の小学六年生を集めて、誰が一番になるのかを競う大会だ。
ラストサバイバルではなにをするかっていうのは毎年変わる。
この間僕が参加したのは、だれが一番長く歩けるかを競う『サバイバルウォーク』。
その前は、満点がとれなかったらその場で失格となる『サバイバルテスト』。
他にも『サバイバルスイム』とか『サバイバル縄とび』とかいろんなものがある。
そのなかで僕は、次回のラストサバイバルに参加しようとしていた。
ラストサバイバルで優勝すれば、なんでも願いごとを叶えてもらえる。
たとえば『お金がほしい』でもいいし、『アイドルになりたい』でもいいし、『世界中を旅したい』でもいい。
だから僕は、絶対にラストサバイバルにでて、優勝しなくちゃいけない。
お母さんを、交通事故で倒れたお母さんを助けるために。
だから、こんなところにはいられない。
「鬼ごっこのルールみたいだけど、あやふやだな……」
ラストサバイバルではルール説明はしっかりしている。
それにテレビ局のカメラが回っていたりもする。
誰もいない教室に突然一人だけ連れて来られるなんてことは、考えにくかった。
だから、少なくともこれはラストサバイバルではない。
僕は他に手がかりになるようなものはないか探そうと席から立った。
そのとき、ズボンのポッケ似なにか入っていることに気づいた。
手を入れて取り出すと、それはスマートフォンだった。
見たこともない機種で、画面を見ると「01:00から使用できます」と書いてある。
僕はスマホを持ってないし、たぶんこの鬼ごっこの主催者が持たせたんだろう。
なにが起きたのかはわからないけど、自分が鬼ごっこをさせられようとしていることはわかった。
だったら、鬼ごっこに負けることはまずいはずだ。
「鬼ごっこなら僕以外にも人がいるはずだ。」
とにかくやるしかない。
覚悟なんて全然決まってないけれど、僕は勝たなくちゃいけないって思った。
【G-07(分校)/00時08分】
【桜井リク@ラストサバイバル】
[役]:子
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:不明支給品
[思考・行動]
基本方針:絶対に生きて帰る
1:ルールを理解する。
※その他
自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。
人物解説……『ラストサバイバル』シリーズの主人公で小学六年生。二巻の『でてはいけないサバイバル教室』で母親が倒れた後からラストサバイバルに参加する間までからの参戦。家族思いの気弱な少年。特段得意なことはないが、一度限界を迎えたあとに誰かに立ち上がらせてもらうと精神が肉体を凌駕し勝利するか死ぬまで動き続けるようになる。
最終更新:2018年05月29日 02:30