トリファニア王国は
ルシリア東北部に密集する各国の最北部に位置し、過去に振り回される国として名高い。
カウマ法国に隣接している事から、この国も
キリシア王国に準じて長い歴史を持つ。
ただし傑出王は現れなかったが、偉大なる英雄、騎士、宰相が貴族、民を問わずに産出され今に至る。
タバルト王国に負けぬ程に
カウマ法国の親国を任じ、これまでに幾度も
カウマ法国の危機を救ったと誇る。
実際、自国が飢饉で飢えても
カウマ法国への援助を緩めた事は無く、教義を守る為にある国であると、貴族から国民までが考えている。
長い年月の間に、
サンフリト王国と
タバルト王国からの軋轢があり、国土が両国から押し込まれた形状を見る事で伺い知れる。
国土の北半分は厳しい寒さの期間が長く、恵まれた環境とは言い難い。 それ故に国も国民も厳しい状況の中で生活が営まれている。
優れた人物が出た事から、官民揃って己を磨く事を疎かにはしない、厳しい土地でも長い期間を掛けて田畑を広げ、学芸を修める事を尊しとしている。
各国では珍しく、十歳までの労働は認められず、国営の無料塾に通う事が義務づけられている。
その為に識字率が高く92%以上と言われているが、実際はこれよりも低い。
義務から離れたら、それまでのツケを払うかのように労働が強要され、以後学習の機会が失われてしまい、文字を読む、書く機会が無く成ってしまうからだ。
しかし、それでもそこから優秀な人物が選別され、選ばれた者は更なる学習や武芸への費用が国から僅かではあるが支払われる。
北方は長い期間寒冷なる地であり、南も決して温暖な地とは言い難いが、この国で得られる生産の全ては国土の南方に頼る事に成る。
またそれと同時に人の住む地域も南方に多く点在し、狭い国土の南方に密集する事から、国境線の守りは厚いと言えよう。
国境線に対しては傭兵を雇い入れる事が多いが、国土防衛に関しては国軍及び民間から自主的に義勇軍が興り、この力も侮る事が出来ない。
国民性は一言に我慢強いと言う言葉に纏められる。
忍耐はこの国の国色で有ると共に、美徳でもあり、自然これが生きる上では前提と成っている。
夢を見る分、それを諦める事も事実として認め、神から選ばれなかった者の道を自ずから任じてそれに従う事を尊ぶ。
我慢する分、内に秘める様に他国から見え、「何を考えているか解らない」と評される事が多いが、悪く語られる事は少ない。
幼少に学を収め、武芸を仕込まれる事から、この時代で生きる最低限の基礎を学ぶ事が、民度を上げその後の将来に役立っているのは確実であろう。
自給率は60%と低めだが、それを補って余る知恵がこの国には有ると言えよう。
特産は北方の先にあるバルーズ山脈の奥に住む民と毛皮交易が最大の収入である。
また北方には多くの氷室が作られ、夏の暑い時期に氷室を開いて各国の王侯貴族にこれを売る事も、かなりの収入に成って居る。
少ない資源を活用する事を常に考え、無から有を生み出す試みを耐えず考える人材が、最大の特産と言えるかもしれない。
下段に位置する
カウマ法国を除き、左右の両国に置いては油断無き相手として考えられている。
特に左に位置する
タバルト王国は、近年版図を広げ勢いがある事から、決して油断は出来ず多数の傭兵を雇い国境線を守らせている。
右の
サンフリト王国も油断は成らない存在では有るが、
サンフリト王国内部の問題から大規模な戦争を行う事が厭われる状況にある。 *詳細は
サンフリト王国を参照。
最終更新:2012年08月22日 00:05