カウマ法国は
ルシリア東北部に密集する各国の中央北部に位置し、
カウマ教の総本山にして信徒で構成される国である。
小さな国土だが、居住する民の数は多く、その殆どがカウマ教信徒である事から、ルシリア東北部では一番治安が良いとされている。
王都に値るる場所は法都アラベスクと言われ、ガイスル山脈を背にした所に位置する。
居住する者の多くは礼儀正しく、カウマ教の教えに従い生活が成され、どの街も静かである事が印象的である。
法皇を頂点に、数百人の枢機卿、それに続く法官、使徒、そして信者のピラミッド構成で国が成り立ち、国の成り立ちは各国の散らばる教会に集う信者の喜捨で成り立っている。
法皇には金で縁取られた白い衣装、枢機卿には赤い衣、法官には白い衣、使徒には黒い衣が与えられ、それを常時身に着ける事が義務付けられている。
法皇は前任の法皇から名指しで指名される事が定めであるが、不慮の死であった場合は枢機卿の多数決で次期の法皇が指名される。
ルシリア東北部の90%以上が信者である事から、年間で集められる喜捨は小国の国家収入を馮河し、毎年莫大な金額が収集されている。
また、王の就任時や、王族の出産に発生する祝福儀礼に置いては、各国から多大な喜捨もあり、法城の奥深くにある蔵にはこの地域で得られる25%の金銀が蓄えられているとも言われている。
兵と言う者は存在せず、もしもこの国を攻める国があれば、親国と任ずる
タバルト王国、
トリファニア王国は長年続く矛を収めてでも助けの手を出すであろうと言われている。
また、この国に住む信者も国難と思えば、温厚な仮面を脱ぎ捨てその身を犠牲にしてでも戦いに赴くであろう。
新しい物は受け入れられず、古い物ほど尊ばれる傾向が高い。
便利と言う一面だけでは物事は受け入れられず、どの家にも数百年前の物品が存在し、生活様式も変えようとは考えない。
法城へ入れば、教団設立以来の生活様式が営まれ、その生活こそに祝福があると考える信者は、法城に近い生活様式を好む。
極端に大きな街は無いが、数多くの小さな町、村で構成されその数だけでも四百とも五百とも言われている。
法城に近いほど霊験を受けると言われているが、質素を好む者は敢えて国境近い付近で生活を営む者も少なくは無い。
目の戒律はあるが、この国に置いては信者で有る限り、その任が緩められる場合が多く、仕事以上に祈る事が優先される。
自給率は20%を切るが、国からの支援が多く決して飢える国民は居ない。
各国から信者が集まって居る為、確固たる国民性と言う物は存在したないが、信者と任じている事から友好的であり開放的な部分が伺える。
巡礼の者がこの国へ入れば、飢える者には食が与えられ、眠る場が提供される為、途中での苦難が余計に感じられる事だろう。
巡礼者が棲み付く事も多く、受けた恩を返す様に旅人や巡礼者への対応を行い、それが繰り返されている。
しかし、酒を提供する店は少なく、商業的興行は禁止されている為、巡礼者では無い旅人は詰まらない旅が始まったと思う者も多い。
識字率は99.8%以上を誇り、ほぼ全ての者が文字を読む事が可能である。
文字が読めない者に対しては、それを学習させる機関もあり、また国庫図書館は常に開かれ、民の知識要求に対してはその門が大きく開かれている。
特産は無いが、祈りで使用する杯、護符、等の品物は常に高い収益を国内で得ている。
購入者の殆どは、年間5万人とも言われる巡礼者であり、この収益も実際の所この国に多くの富を落している。
物語の中で周辺国と軋轢を生み、他国との関係が悪くなったが、それでも
カウマ教を信じる貴族階級や市民は多く、カウマの教えが衰えて行くのはこれからまだ二百年の時を必要とする。
目の教義を信じる者は時を経ても存在し、特に
猫の目を持つ者は、選民意識からこの教義を強く信じているケースが現代に続く。
また商業コミニュティとして兎がこれを活用し、大きなネットワークも存在が確認されている。
最終更新:2012年08月31日 00:48