Morris

モリス(Morris)

ルール

 ナイン・メンズ・モリス(Nine Men's Morris)は、ローマ帝国時代に生まれた2人用の抽象戦略ゲームのボードゲームです。
 ナイン・メンズ・モリスの3大バリアントは以下の3つです。
 ①スリー・メンズ・モリス(Three Men's Morris)
 ②シックス・メンズ・モリス(Six Men's Morris)
 ③トゥエルブ・メンズ・モリス(Twelve Men's Morris)

 基本的に、自分の手駒を相手と交互に盤上へ配置していき、手駒がなくなったら盤上の駒を動かしていきます。
 縦または横に駒を3人並べてミルを作り、相手の駒を取り除いていきます。
 相手の駒を指定個数まで減らすか、相手が手を指せなくなるまで追い込めば勝利となります。

  • ナイン・メンズ・モリス(Nine Men's Morris)
 「Nine Man Morris」「Mill」「Mills」「The Mill Game」「Merels, Merrills」「Merelles」「Marelles」「Morelles」「Cowboy Checkers」などとも呼ばれます。
 日本では「石並取(十六むさし)」が相当します。
 24個の点を持つ格子状のゲーム盤を利用します。
 各プレイヤーはそれぞれ白または黒の9個の「人」の駒を持ちます。

 ゲームは3段階の手順を踏んで進行します。
 1:空いた点にコマを置きます。
 2:隣の点にコマを動かします。
 3:(追加ルール)駒が3個まで減ったプレイヤーは、駒を空いた点のどこにでも動かせます。
 プレイヤーが縦または横に駒を3人並べると「ミル(mills)」が成立し、相手の駒を1個取り除くことができます。
 相手の駒を2個まで減らすか、手を指せなくなるまで追い込めば勝利となります。
 「駒の配置時に2つ同時にミルを作っても相手の駒を取り除けるのは1つだけ」「相手のミルから駒を取り除くのは可能な限り避ける」というルールの下では、どちらのプレイヤーでも引き分けに持ち込むことができます。

①第1段階:コマの配置
 ゲーム開始時は、盤面は空です。
 プレイヤーはどちらが先行か決め、空いた点に駒を1個ずつ置いていきます。
 もし自分の駒を縦または横に3人並べて「ミル」を成立させた場合、相手の駒を盤から1個取り除くことができます。
 取り除く駒はどれでもよいのですが、相手のミルから取るのはできる限り避けなければなりません。
 全ての駒を配置し終えたら、第2段階に移行します。

②第2段階:コマの移動
 プレイヤーは駒を隣に動かしていきますが、このとき他の駒を飛び越すことはできません。
 ミルを作ることができたら、第1段階と同様に相手の駒を1個取り除くことができます。
 既存のミルから駒を1個動かすことでミルを崩し、次の手番で駒を戻すことで同じミルをもう一度成立させることも可能で、そのたびに相手の駒を取り除くことができます。
 駒の除去は、相手を「叩く(pounding)」とも呼ばれます。
 片方のプレイヤーの駒が3個まで減ったら、第3段階に移行します。

③第3段階:「フライング」
 総数が3駒まで減ったプレイヤーの駒は、移動先を隣に縛られることはなくなり、空いた点ならどこにでも「フライ」「ホップ」あるいは「ジャンプ」することができます。

※「フライング」が正当なルールか追加ルールかは議論があります。
 「フライング」は押されている側がすぐに負けないようにするための補正として導入されたものとされています。

  • スリー・メンズ・モリス(Three Men's Morris)
 ナイン・ホール(Nine Holes)は、2×2マスまたは3×3マスの格子状のゲーム盤を利用します。
 2人用で、各プレイヤーは3個の駒を持ちます。
 プレイヤーは最初の3手は駒を盤上に配置します。
 (三目並べのように)ミルを作ったプレイヤーの勝利となります。
 その後、以下のルールのどちらかに従って、自分の駒を動かしていきます。
 1:空いている点ならどこにでも動かせる
 2:隣の空いている点に動かせる(つまり「端から中央」「中央から端」「端から別の端」のどれか)
 ミルを作ったプレイヤーの勝利となります。

※Harold James Ruthven Murrayでは、ルール1を「Nine Holes」、ルール2を「Three Men's Morris」または「The Smaller Merels」と呼んでいます。

  • シックス・メンズ・モリス(Six Men's Morris)
 ナイン・メンズ・モリスの盤から外側の四角を除いたゲーム盤を利用します。
 各プレイヤーは6個の駒を持ちます。
 フライングはできません。

 ファイブ・メンズ・モリス(Smaller Merels)でもこのゲーム盤を利用します。
 セブン・メンズ・モリスではゲーム盤の中央に十字を加えて利用します。

  • トゥエルブ・メンズ・モリス(Twelve Men's Morris)
 「Morabaraba」とも呼ばれます。
 ゲーム盤に4つの斜めの線を加えて利用します
 各プレイヤーは12個の駒を持ちます。
 ゲーム盤が配置段階でいっぱいになってしまった場合、ゲームは引き分けとなります。

※Harold James Ruthven Murrayでは「the larger merels」とも呼んでいます

 イレブン・メンズ・モリスでもこのゲーム盤を利用します。

<関連するゲーム>

  • Achi(ガーナ):
 斜め線付きのスリー・メンズ・モリス用ゲーム盤を利用します。
 各プレイヤーは4個の駒を持ち、隣の空いた空間にしか駒を動かすことはできません。

  • 六卒棋(広東)・Tapatan(フィリピン):
 斜め線付きゲーム盤で遊ぶ、スリー・メンズ・モリスと同じようなゲームです。

  • Morabaraba:
 ほとんどトゥエルブ・メンズ・モリスと同じですが、駒は「人」ではなく「牝牛」と呼ばれます。

  • シャックス:
 ナイン・メンズ・モリスのゲーム盤を利用します。
 ルールはいくらか違い、各プレイヤーは9個ではなく12個の駒を持ちます。

  • 方棋:
 7×7の格子状のゲーム盤を利用します。
 プレイヤーは交点に沿って駒を動かしていき、4×4の四角を形成すると、相手の駒を1つ取り除けます。

  • 三目並べ:
 3×3のゲーム盤を用います。
 プレイヤーは交互に駒を配置して(または印をつけて)いきます。
 縦横斜めに直線を作ることができれば勝利となり、直線を作れずに盤上がいっぱいになれば引き分けとなります。

最終更新:2018年04月29日 14:39