ルッペ

  • 別名を海綿鉄。

  • 鉄鉱石中の鉄を溶解させるほどの高温を得られなかった場合などに生ずる、白熱した半溶融の海綿状の鉄。
   多くの不純物・鉱滓を含む。

  • このままでは鉄製品に加工する事ができないため、このルッペを叩き割って適当な大きさにしてから
   加熱して金床で叩き、不純物を搾り出す、といった工程が必要になる。

  • 古代ヨーロッパの製鉄では、高さ1メートルほどの低シャフト炉を使用していたため
   熱効率をあげる事が出来ず、このルッペの鍛造による鉄の精錬作業が森の鍛冶屋の仕事だった。
   (炉による鉄の溶融、そして精錬のいずれにも大量の木炭が必要なため、製鉄作業は森林の中で行われるのが常だった)



      参考文献
『鉄の文明』大橋周治
最終更新:2012年08月01日 02:49