雷獣

  • 雷を獣と見る見方が、少なくとも日本と中国にはあった。

  • 『日本紀略』に、「雷は白い鶏の如し」という記事。

  • 「冬は穴を掘りて土中に居る」としている文献もある。


  • 古事記の黄泉国神話の「土雷」「伏雷」と関連があるかどうか?
(ここまで、大学時代の講義ノートより)


  • 『大雑言』に、「山々の陽に近き土地に怪獣ひそみ居て雷鳴のとき雲気に乗じて空に昇り、
 雷にしたがいて落つ、また雲に包まれ昇る」とある。

  • 滝沢解(馬琴)の随筆『玄同放言』で、越後国魚沼郡伊勢平治村(新潟県十日町市)の
 観音堂の辺に落ちたという。
 その挿絵、「雷獣画図」では、一見犬のようだが足が6本描かれている。
 尻尾は3本、足に水掻き。
 この情報の提供者は、鈴木牧之(『北越雪譜』の著者)とのこと。

  • 現在の百科事典などでは、テン(貂)の夏毛のものを雷獣という、としているものがある。

  • 新潟県長岡市の古刹、西生寺に雷獣のミイラが伝わっている。
 同展祀解説では、これは絶滅したキテン(黄貂)としている。
 が、同寺住職の話では、「動物学者が調査したところ、水掻きがあった」とのこと
 (ただし、この住職の話の情報ソースは雑誌『ムー』の取材であるとのこと)

(『魔界と妖界の日本史』上島敏昭)



最終更新:2011年08月08日 11:01