亜鉛

元素番号30 Zn


  • 自然には閃亜鉛鉱(ZnS)や菱亜鉛鉱(ZnCO^3)の形で存在する。

  • 亜鉛は銅との合金である真鍮にする事で、非常に加工しやすくなるため、有用な金属とされる。

  • 通常、金属鉱石は高温加熱することで還元され(炭素と化合して)液体状になって流れてくるが、
   亜鉛の場合は高温加熱すると液体ではなく蒸気となって空気中へ拡散される。
   これは金属亜鉛の揮発温度が907℃と相対的に低いため。
   従って、蒸気状亜鉛を凝縮させる技術がないと亜鉛を得る事が出来ない。

  • 史上、最も早く亜鉛の生産に成功したのはインドのザワール鉱山であるという。13世紀の事で、量はごく少量だった。

  • のち、16世紀に中国にて安定生産が開始され、以降中国が世界唯一の亜鉛の地金生産国となった。

  • 『天工開物』に、当時の亜鉛生産法が載る。曰く、鉱石入りの密封した容器を加熱し、のちに十分に自然冷却した上で
   容器を壊すことで得るという。


  • ちなみに、口伝ではあるが、日本最初の亜鉛鉱山の発見者は平賀源内である、という話もあるそうな。



      参考文献
『平賀源内を歩く』奥村正二


最終更新:2013年11月24日 05:01