彗星

  • ローマでは、彗星のことを「長髪の星」と呼ぶ、という記事がプリニウス『博物誌』にある。
   その他、下部から長いあごひげに似たたてがみが広がっている彗星をギリシア人は「ひげ星」と呼び、
   また投げ槍のように振動する星を「投槍星」と呼ぶともある。投槍星は凶兆だとか。

  • また、プリニウスは、全世界で彗星を信仰対象にしている唯一の場所はローマの神殿だ、と記している。
   アウグストゥスが父ユリウス・カエサルの死後間もなく、ウェヌスに捧げる協議会を催した際に
   この星が見られたため、これをカエサルの胸像に記したのだ、とする。



  • 1178年(治承二年)正月七日、彗星が観測されたという記事が
   『百錬抄』『玉葉』『山槐記』などに見られる。
   『平家物語』巻第三「祓文」の段では、この日に蚩尤旗という現象が見られたとしている。



      参考文献

『プリニウスの博物誌 Ⅰ』
『平家物語(三)』



最終更新:2016年02月03日 06:01