ライオン

  • アリストテレスは『動物誌』の中で、ライオンの骨はあらゆる動物の中で最も固く、
   打ち合わせれば火花が散るほどである、と記している。

  • また、『イソップ寓話集』に「ライオンは鶏鳴に怯える」という言い伝えがあった事が記述されており、
   小屋の中のロバを襲おうとしたライオンが、同じ小屋にいたニワトリの鳴き声に驚いて逃げていく。
(zsphereコメント:ちなみに、それを自分を恐れたと勘違いしたロバがライオンを追いかけて、結局食われてしまう。
            実に寓話集らしいバッドエンド)

  • プリニウス『博物誌』第八巻に、ライオンは動物の中で唯一、嘆願者に慈悲を示す、とある。
   自分の前に平伏する人を決して害さないと云々。
   また、悪知恵や猜疑心というものは持ち合わせていない、とも。
   ライオンの撃退法として、ガエトゥリア人の牧羊者が発見した方法があり、外套をライオンの頭を
   覆っただけでライオンは凶暴性を失い、屈服してしまったという。
   リュシマコスアレクサンドロス大王の命令でライオンの檻に閉じ込められた時、この方法で
   ライオンを絞め殺したとか。

  • プリニウス『博物誌』第八巻はまた、ライオンが生息する地域にだけ発生する「ライオン殺し」という小動物を紹介している。
   これを食べることはもちろん、この動物を焼いた灰、そしてこの動物の尿すらライオンにとっては致命的であり、
   そのためライオンはこの動物を見ると、踏みつぶしてしまい、その他噛むこと以外のあらゆる手段でこれを殺すという。
   同書の訳者注釈は、この「ライオン殺し」は架空の動物であるとし、比定される現実の生き物は挙げられていない。



      参考文献

『動物誌(上)』アリストテレス
『イソップ寓話集』
『プリニウスの博物誌 Ⅱ』


最終更新:2016年04月08日 05:40