- アリストテレス『動物誌』に、雄のシカが角を落とす際は、誰にも見つからず容易に近づけない場所で
ひっそりと落とすといい、それゆえ深山幽谷を表す言い回しに「シカが角を落とす所」というのが
あった、と記述している。
また、シカは音楽に魅せられて身を横たえる習性があるので、狩人たちは二人組で、
一人はシカの目の前で笛を吹いたり歌を歌ったりしてシカを留め、そのうちに
もう一人が背後から矢で射るのだとしている。
- プリニウス『博物誌』第八巻にも、雄シカが角を落とすときには誰も足を踏み入れない場所へ行く事が書かれており、
角を失った彼らは武装を解かれたかのように隠れている、と記している。
- またプリニウスは、シカの角を焼いた匂いはてんかんの発作を抑える、としている。
また同様に、シカとヘビは敵対関係があり、シカの角を焼いた匂いはヘビを追い払う効果があるともいう。
参考文献
『動物誌(下)』アリストテレス
『プリニウスの博物誌 Ⅱ』
最終更新:2016年04月06日 03:58