- 『和漢朗詠集』仏事に載る、白楽天(白居易)の漢詩に、
「願ハクハ今生世俗ノ文字ノ業 狂言綺語ノ誤リヲモツテ
翻シテ当来世々讃仏乗ノ因 転法輪ノ縁トセム」
がある。
また『涅槃経』巻二十に
「諸仏常ニ軟語ス。衆ノ為ノ故ニ麤(そ)ヲ説ク。麤語及ビ軟語皆第一義ニ帰ス。」とある。
第一義は絶対的真理の意味。
以上をもとに、『梁塵秘抄』巻第二に
「狂言綺語の誤ちは 仏を讃むるを種として
麤(あら)き言葉もいかなるも 第一義とかにぞ帰るなる」
とある。
後白河法皇も『梁塵秘抄口伝集』に同内容の事を述べており、同書の仏教教義への意識が垣間見られる。
参考文献
『新編日本古典文学全集 神楽歌・
催馬楽・梁塵秘抄・閑吟集』
最終更新:2015年06月16日 23:57