無生物を裁判にかける

  • パウサニアス『ギリシア案内記』第1巻第24章
   →ゼウス・ポリエウス(ポリスの神)の犠牲式においては、祭壇に小麦と混ぜ合わせたオオムギを供えて、
    わざと見張りをつけずにおく。そこで犠牲のための牛が麦に口をつけると、
    人々は神官の一人を「ブーフォノス(牛を屠る者)」と呼んではやし立てる。
    神官が斧で牛を屠殺すると、その場に斧を放り出して逃げ去ってしまう(そのようにする決まり)。
    すると人々は屠殺行為を行った男など「まるで見なかったかのように」、斧を裁判にかけるのだという。

  • また、アテネには「在・中央市庁舎(エン・プリュタネイオン)」という建物があり、
    これはもっぱら無生物に対する裁判を行う法廷であるという。




      参考文献
『ギリシア案内記(上)』パウサニアス



最終更新:2015年08月25日 04:58