像が姿勢を変える

  • ヘロドトス『歴史』巻五
   →エピダウロスの人々が、豊饒祈願のためにダミアとアウクセシアという二柱の女神の像を
    アテネのオリーブの木を用いて製作した。アテネは木材の供与と引き換えに毎年犠牲を供える事を条件としていたが、
    この像をやがてアイギナの人々が奪って行ってしまい、それを口実にエピダウロスはアテネへの供犠を断るようになった。
    そのためアテネがアイギナに人を送って、結果としてアテネ人がこの木造を持ち去ろうとし、
    台座からもぎ離そうとしたができなかったので網をかけて曳いていこうとすると、
    この二つの神像はいずれも曳いていくアテネ人の前に膝をついたのだという。
(同書訳者の注釈に、この二柱の女神は豊饒の女神であろうという説があり、そのためこのひざまずく姿勢も
 もともと出産の様子を表現した形だったのではないかという説が存在する、としている。)



      参考文献
『歴史(中)』ヘロドトス



最終更新:2015年10月12日 17:56