藤原保昌


  • 『御伽草子』「酒呑童子」のうちある本では、大江山の鬼退治をしたのは保昌であると描かれている。

  • 祇園祭の山車のうちの一つに、「保昌山(ほうしょうやま)」がある。別名「花盗人山」。
 和泉式部に乞われて桜の花を手折ってきた逸話にちなむ。
『和泉式部集』に、
 おのが名は花ぬす人と立てば立て ただ一枝は折りて帰らん
 という歌がおさめられている。

  • 丹後の民話に、以下の話がある。
「保昌と和泉式部は結婚するが、その祝宴を丹後の阿蘇湾に船を浮かべて行った。喜んだ保昌は立ち上がって金の樽をたたいて舞った。たまたま船が揺らいで、手にした金の樽は海の底に沈んでしまった。翌日から金の樽を探したが、ついに見つからず、代わりに金銀の鱗をきらめかせた鰯が大量にかかった。これを金樽鰯、なまって金太郎鰯という」

(『八坂神社』学生社
 『人物伝承事典 古代中世編』)


最終更新:2011年08月08日 11:16