呼びかけると決闘に応じる亡霊

  • ティルベリのゲルウァシウス『皇帝の閑暇』
   →イングランドにワンドレビリアという土地が所在し、その名の由来はブルターニュの諸地域を荒らし
    多くのキリスト教徒たちを惨殺したヴァンダル人たちが、陣営を築いた場所だったからという。
    その場所には円形の柵で囲まれた平坦な土地がアリ、そこで一人の騎士が侵入して「一騎打ちだ!」と叫ぶと
    どこからともなく戦闘準備を整えたもう一人の騎士が現れ激しい戦いになるという。
    ただし一人以上の騎士が入るとやって来ない。
    ある時勇猛なオスバートという名の騎士がこの話を聞いて一騎打ちを叫び、
    現れた謎の騎士を見事に地に落としたが、その騎士が最後に投じた槍が尻に突き刺さる。謎の騎士は消えた。
    謎の騎士の乗っていた馬を戦利品としてオスバートは引いてきたが、ニワトリの鳴き声がすると
    馬は興奮の極致に到り絆を破って早足に逃げてしまったという。
    その後、毎年この夜が来るたびに、オスバートは受けた傷が開いたのでこの夜の事を思い出させられたという。



      参考文献
『西洋中世奇譚集成 皇帝の閑暇』ティルベリのゲルウァシウス


最終更新:2016年11月07日 00:00