花(引用)

野原の花がどのように育つかを考えてみなさい。働きもせず紡ぎもしない。しかし、言っておく。栄華を極めたソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。今日は野にあって、明日は炉に投げ込まれる草でさえ、神はこのように装ってくださる。まして、あなたがたにはなおさらのことである。
                                 『新約聖書』「ルカによる福音書」


ぼくの星には他の場所には生えていない、世界中でたった一輪の花があるけど、なんにも知らないヒツジがある朝、ぱくっと食べてしまったらその花はなくなっちゃうんだ。なのにきみは、そんなことは大事じゃないって言うんだ
                                   サン・テグジュペリ『星の王子さま』

花の言うことは聞いてはいけないんだよ。ただ眺めて、香りを楽しんでいればいいんだ。あの花はぼくの星をすっかりいい匂いで包んでくれたのに、ぼくはそれを楽しめなかった。
                                   サン・テグジュペリ『星の王子さま』

ぼくは何もわかっていなかった! 言葉じゃなくて花のふるまいで判断すればよかったのに。彼女はとてもいい匂いがしたし、輝いていた。ぼくが逃げ出したのは間違いだった。あの小細工の陰にかくれた優しさを察してやればよかった。花というのはとても矛盾した性格だからね!
                                   サン・テグジュペリ『星の王子さま』
最終更新:2017年04月19日 01:49