コイ

  • ラテン語名キプリノス Cyprinus は、「キュプリス(アフロディテのこと)の魚」の意。
   アフロディテはローマにおける多産の女神ウェヌスにあたり、、
   コイの多産性から関連付けられた名前と見られる。

  • 中国での別名を六六魚という。その大小に関わらず、鱗が36枚あったことからという(『重訂本草綱目啓蒙』)

  • 『本草綱目』では、「諸魚の長」とされる。

  • 『酉陽雑俎』に、唐代の律では鯉は捕えてもすぐに放さなければならないとし、
   食べる事を禁じたとある。売った者は杖六十の刑に処すと云々。
   唐の帝室の姓「李」と読みが同じであるからという。
(ただし、現在参照できる『故唐律疏義』には同項目は見当たらないとか)

  • 日本の『魚鑑』に、コイという和名の起源説として、冠位十二階により、
   大位から「タイ」、小位から「コイ」の名が生まれたという由来話が載る。


  • 『列仙伝』で、太公望が釣り上げ、その腹から兵法書を得たのも鯉。
  • 呉の仙人琴高は、鯉に乗って昇天したとか。

(『世界大博物図鑑 魚類』荒俣宏)


最終更新:2011年11月16日 10:39