航海中などに強力な磁力を発する山に遭遇するというもので、船の釘などがすべて吸い寄せられてしまい
船が解体、遭難するという。
- 『続日本紀』巻第六、和銅六年(713年)五月の条に、各地からの献上品を列挙した中に
「近江は慈石」という項目があり、この「慈石」は磁石を指すと思われる。
- 平安時代中期成立の『和名類聚抄』に、「慈石吸針」の記述があり、
また平安時代前期の『日本霊異記』に「利養を翹(のぞ)み、財物を貪ること、
磁石の鉄(くろがね)の山を挙(こ)して鉄を嘘(す)ふよりも過ぐ」という記述があり、
この時代すでに磁石の性質が広く知られていたと思われる。
(『古代日本の超技術』志村忠夫)
最終更新:2017年04月04日 18:55