B-1Bランサー

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B-1Bランサー - (2021/02/12 (金) 14:44:44) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/06/12(日) 08:50:01
更新日:2022/09/18 Sun 18:42:06
所要時間:約 4 分で読めます





B-1Bはアメリカ空軍の超音速爆撃機です。通称”死の白鳥”。

開発はロックウェル(現ボーイング)

ステルス爆撃機のB-2や超大型爆撃機のB-52と比べるとなんか影が薄いとか言うな


□歴史

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時は冷戦の真っ只中。
その冷戦の副産物となるプロトタイプなどと共に見ていきましょい。
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①B-58計画
1955年に優秀なB-52を多数配備したアメリカでしたが、空軍は別の爆撃機欲しいな〜(チラッというわけで
次期爆撃機として超音速爆撃機を作ることにしました。

そこで出来た試作機がB-58ハスラー(開発はコンベア(現ロッキード・マーティン))です。

確かにB-58はマッハ2を超えるスピードを有しましたが、航続距離が短く戦略爆撃に向いてないと言うことでボツになります。

②B-70
次にアメリカ空軍は当時のSAM(地対空ミサイル)では届かない24,000kmをマッハ3で飛行する爆撃機を計画しました。

そこで出来た試作機がB-70バルキリー(開発はノースアメリカン(現ボーイング))です。

んが、こんなの作る前から分かるけど、めちゃくちゃ経費がかかるので議会に攻撃されます。
しかも技術が伸びてきた弾道弾と能力がだだ被り。
結局計画は凍結され、B-70を迎撃できるMiG-25の登場により正式に破棄されました。

③B-1A
計画が散々葬られたアメリカ空軍はソ連の空軍力増加に伴い超低空を超音速で飛行する爆撃機へとシフトすることとなります。

というわけでB-1Aを1974年に初飛行。

んが、

議会「これ高すぎなんすけどwwwあとこんなの作るんだったら弾道ミサイルの方が良くね?」
カーター「だよね☆」

またボツになりました。
空軍涙目www


ただ、B-1による将来の爆撃機の研究は認められました。
そして1981年に政権交代。
大統領はロナルド・レーガンさんです。

レーガン「強い国アメリカ万歳!!」

つーわけで、軍備増強を推し進めます。
同時に赤字国債も増発します。
んでアメリカは莫大な赤字国債に苦しむ事になりますが割愛。

結果B-1は1981年に復活します。
ですが、一応議会を配慮して経費削減のため、B-1Bは空気取り入れ口を可変式から固定式に変更し、元のB-1Aより最大速度を下げ、低高度での超音速飛行能力を持たせないなど、改悪…もとい改修を加えました。実際、速度の低下は致命的であり、その最大速度はF-22や日本のF-1よりも遅いという有様。が、アメリカは基本性能が劣悪であろうが、後からどんどん生産して数で押し切るという伝統があり、決して速度が遅いのはそんなに問題視されていないのだ。実際、爆撃機で速度を重視しているのは世界の常識であり、ソ連(現ロシア)が運用しているTu-160は空気取り入れ口を可変式にしてマッハ2台を出している。

そこで出来たのがB-1Bランサー。

B-52が初飛行したのが1952年ですから次期爆撃機を作るのに約30年要したことになります。


□参加した作戦
「砂漠の狐」…湾岸戦争(の後始末)
「同盟の力」…コソボ
「イラクの自由」…イラク戦争

…え?後輩のB-2スピリットより少ない?気のせい気のせい。まああんな鈍足に乗ろうなんていう人はいないでしょうな。





□兵装
種類
AGM-86B(ALCM…空中発射巡航味噌・)
AGM-86C/D(ALCM・通常兵器・メイン兵装)
AGM-129(ACM…発達型巡航味噌・凄く…太いです…)
AGM-69(SRAM…短距離攻撃味噌・)
Mk82(500ポンド通常爆弾)
GBU-38(Mk82のJDAM(GPS誘導)版)
MK84(2000ポンド通常爆弾)
GBU-31(Mk84のJDAM版)
AGM-154(JSOW(滑空式長射程爆弾))
AGM-158(JASSM(長射程空対地味噌))
増漕(11,260L/4,936L)

最大搭載数(機内+機外)
AGM-86…8
AGM-129…4
AGM-69…24+14
Mk82/GBU-38…84
Mk84/GBU-31…24
AGM-154…12
AGM-158…24


□データ
行動半径…5,543km(無補給・無増漕)
最大速度…マッハ0.9(アフターバーナー時…マッハ1.2)
配備数…60

□比較(速度)
実際、速度の低下は致命的であり、各国の爆撃機と比較してみるとやはり差は歴然としている。
Tu-22M(ロシア)…M2.05
Tu-160(ロシア)…M1.63(本来はマッハ2は出せるがエンジンを疲労させないためにあえてこのスピードしか出していない)
連山(日本)…593 km/h
B-1(アメリカ)…M1.25
ミラージュⅣ(フランス)…M2.2
Ar234(ドイツ)…742 km/h
バルカン(イギリス)…830 km/h
ヴィクター(イギリス)…1,050 km/h
ヴァリアント(イギリス)…912km/h
P.108(イタリア)…420 km/h
如何せん、枢軸国側の機体よりは速いが、連合国側だと双発のミラージュⅣにすら勝てない有様である。日本とイタリアに関してはこれしか対抗手段がなかった。

□おまけ
  • データにもあるように、通常時は音速に達してない。そしてアフターバーナーは燃費がものすごく悪くなるので使わない。
  • ステルス性を意識しなかったらしいが、B-52ストラトフォートレスと比べるとなんとレーダー断面積が1/50!
  • 配備数60は確かだが、そのうち10機しか即応体制に入ってない。残りの50機は部品取り。なんだこの扱い。
  • 正式な愛称は「ランサー」だが、「B-ONE」から「ボーン」とか現場では言われていた。F/A-18E/Fがアンテナの形状から「ライノ」とか呼ばれてたのと同様な非公式愛称となっている。


ソ★連から見たランサー

ソ★連当時の防空システムはXB-70等の高空を高速で飛行する目標に重点を置いているモノだった。そのため、低空を高速で侵入してくるランサーには有効な対処を取れないので防空システムの根本から見直す必要に迫られた。
コレには莫大な費用がかかり(レーダー基地からミサイル、迎撃機に至るまで更新が必要だった)結果ソ★連の財政を圧迫しソ★連の崩壊を早めたと言われる。
つまり、ランサーはある意味冷戦を終わらせた爆撃機と言えるであろう!
そして影響が強かったのか、ソ★連そっくりさんを作った。

なので決して、影薄いとか、《B-52でよくね?》とか言ってはいけない。



影の薄い人は追記・修正お願いします。

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