「無情」の極 シャングリラ

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「無情」の極 シャングリラ - (2021/09/23 (木) 20:38:26) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2014/07/17 (木) 19:52:03
更新日:2024/03/25 Mon 16:17:51
所要時間:約 8 分で読めます







矛盾した心の苦しみが行き着く先、それは無感動。




概要

「無情」の極 シャングリラとは、デュエル・マスターズのクリーチャーである。
DMR-08「エピソード2 グレイト・ミラクル」にて収録。レアリティはビクトリー。

背景ストーリーでは、ラスボスを務めたクリーチャーである。
まさかの古参種族であるガーディアンのラスボス化であり、DMのベテランプレイヤーは度肝を抜かれたことだろう。

背景ストーリーでも設定が人気を呼び、不死鳥編を初めとする旧シリーズから既に伏線が張られていたという説も出たほど。
そういう意味ではDMにおける総決算とも呼べるクリーチャー。

解説

「無情」の極 シャングリラ ≡V≡ 無色 (11)
進化クリーチャー:ガーディアン/ゼニス 17000
超無限進化・Ω-ガーディアンを1体以上自分の墓地、マナゾーン、またはバトルゾーンから選び、このクリーチャーをそのカードの上に重ねつつバトルゾーンに出す。
メテオバーン-このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるカードを1枚選び墓地に置いてもよい。そうした場合、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。相手はそのクリーチャーを自身の山札に加えてシャッフルする。
T・ブレイカー
このクリーチャーがタップされている時、相手のクリーチャーは攻撃できない。
エターナル・Ω

進化方法は、新能力『超無限進化・Ω』。
現在のところ、シャングリラとイギー・スペシャルズしか所持していない進化方法である。

進化元にはガーディアンを指定し、その指定枚数は1体以上。可能な限りの枚数を進化元にでき、バトルゾーンだけではなく墓地やマナゾーンからも進化元を供給できるという優秀なもの。

特筆すべき能力は2つ。一つはアタック時に相手のクリーチャーを山札へ送り込むメテオバーン能力。

クリーチャーを除去する能力でありながら破壊ではないので、モヤシなどの破壊耐性や破壊時に能力を発動するクリーチャーは一切通用しない。
例えば《悪魔神デスモナーク》などの効果は発動できず、またバウンスでもないので《時空の喧嘩屋キル》も意味を成さない。

この能力に対抗できるのは、シャングリラと同じゼニスが持つ『エターナル・Ω』や場から離れない能力、相手から選ばれない能力など、ごくごく限られたものだけ。

従来のメテオバーン能力の弱点として『使い切ってしまう』ということもあるが、超無限進化であるシャングリラに弾切れという事態は起こりにくく、一度でも能力が発動すれば甚大な被害を与えつつフィニッシュまで持っていけるので杞憂と言っても大袈裟ではない。

そしてもう一つの能力はシャングリラがタップされていると『相手クリーチャーは攻撃できない』というもの。

プレイヤーへの攻撃はおろか、タップされているクリーチャーへの攻撃すらも叶わない。当然アタックトリガーも発動できないので、場合によってはシャングリラを出すだけで相手を『詰み』の状況へ追い詰めることもできる。
正に『封殺の力』と表現するにふさわしい。

対策としてはシャングリラをなんらかの方法で除去したり、アンタップさせる必要がある。
しかしながら他のゼニスの例に漏れずシャングリラも『エターナル・Ω』を完備しているので、場を離れてしまっても進化元ごと手札に帰っていく一時的な除去に過ぎず、すぐさま安泰というわけにはいかない。
完全に除去するにはもうひと手間必要となる。

一方、見過ごせない弱点もある。

最大の弱点はなんと言っても11コストというコストの重さ。
基本的に他のカードによってサポートを受けなければブ―スト手段のない「ガーディアン」という種族もネックで、馬鹿正直に構築しても間に合うコスト域ではない。

解決策としては大きく3つ存在し、

守護聖天タースケルケルヨを使った踏み倒し型
②自然のマナブ―ストを絡めたターボ型
③呪文「無情秘伝LOVE×HATE」を使った墓地蘇生型

あたりが狙い目か。
光、自然、闇の3文明でカラーリングすることが多い。

①タースケルケルヨ踏み倒し型

守護聖天タースケルケルヨの踏み倒し能力を利用した構築で、「時空の庭園」や「クレスト・EVO・チャージャー」でマナのシャングリラをタキシングし、発艦するタイプ。
序盤に低コストガーディアンで守りを固めてやれば速攻~ビートにも十分に立ち回ることが可能で、無事シャングリラを打ち出すことができれば、相手はほぼ詰みとなる。

②ターボ型

他のゼニス同様、マナブ―ストから召喚するタイプ。
進化元であるガーディアンという種族がネックで、ブ―スト呪文とガーディアンの比率が重要。玄人向けのデッキとも言える。
思い切って少数精鋭のガーディアンだけを用意し、他をブ―ストや除去呪文に固める構築も存在する。

③墓地蘇生型

闇ガーディアンによる墓地肥しを利用し、「無情秘伝LOVE&HATE」でシャングリラを蘇生させるデッキ。自然にも殿堂こそしているものの「カラフル・ダンス」や「ダンディ・ナスオ」、新規の「ダーク・ライフ」など優秀な墓地肥しカードがあるため相性はいい。
光ガーディアンに呪文回収と防御を任せてやると比較的簡単に踏み倒すことができる。

①~③ともに無色+2文明以上のカラーを配色することが多いので、色事故が起こらないよう注意したい。

他には、《ダイヤモンド・ソード》などの攻撃制限を解除する効果を持つカード。
シャングリラの攻撃を封じる能力も、ダイヤモンド・ソードまでは封じることができない。何事にも過信は禁物である。
ただしこれらの能力をもったカードも決して種類は多くなく、ほとんどが光文明の専売特許となっているため遭遇することは稀と言える。



以上のような弱点を持ちつつも、それでもお釣りがくるほどの強力な能力、エピソード2のラスボスとしては十分な性能を誇る。

一度バトルゾーンにシャングリラを出してしまえば、相手のバトルゾーンを荒らし回りながら強引に攻めていけるので相手からすれば厄介なこと極まりない。
打撃力、除去耐性ともに申し分なく、ガーディアンとしてもゼニスとしても最高水準のパフォーマンスを持つ。

ガーディアンという種族やコストの関係から専門性の強いデッキとなるが、十分な魅力を持ったカードであることは間違いはない。

関連カード

無情秘伝 LOVE×HATE(ラブアンドヘイト) R 無色 (9)
呪文
アタック・チャンス-《「無情」の極 シャングリラ》(自分の《「無情」の極 シャングリラ》が攻撃する時、この呪文をコストを支払わずに唱えてもよい。)
クリーチャーを1体、自分の墓地からバトルゾーンに出す。
バトルゾーンに自分のゼニスがあれば、バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選ぶ。相手はそのクリーチャーを自身の山札に加えてシャッフルする。

無色の呪文。
リアニメイト性能とゼニスが場にあれば相手のクリーチャーを山札へ封殺することができる。

シャングリラ専用呪文であり、墓地から自身を踏み倒せば相手クリーチャーを除去しながら展開できる。
シャングリラとの相性は言わずもがな、シャングリラのメテオバーンでシャングリラを落としてやり、アタックチャンスで再び踏み倒すことも可能。

「理想」の極 シャングリラ・エデン SR 無色 (12)
進化クリーチャー:ガーディアン/ゼニス 17000
進化GV・Ω−自分の墓地、マナゾーン、バトルゾーンからクリーチャーを1体ずつ選び、その3体を重ねた上に置く。
T・ブレイカー
このクリーチャーが攻撃する時、相手のクリーチャーを1体選ぶ。相手はそれを自身の山札に加えてシャッフルする。
このクリーチャーがタップしている時、相手のクリーチャーは攻撃もブロックもできない。
エターナル・Ω(このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりに手札に戻す)

DMEX-01で登場したリメイク版或いはリブート版シャングリラとでも呼ぶべきカード。
本家よりも進化元の種族の縛りがない点や能力による相手の行動のロック範囲が広がっているが、進化元のゾーンの確保が必要な点やコストが重くなるという点が劣る。

背景ストーリーでの活躍は語られていないが、開発主任曰く「オラクル教団で理想化されたシャングリラが顕現した」という考察を出している。

守護聖天タース・ケルケルヨ VR 光文明 (6)
進化クリーチャー:ガーディアン 9500
進化-自分のガーディアン1体の上に置く。
自分の他のガーディアンが破壊される時、墓地に置くかわりにこのクリーチャーの下に置いてもよい。
このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下にあるクリーチャーを1体選び、表向きにして自分の山札の上に置いてもよい。そうした場合、そのクリーチャーをバトルゾーンに出す。
W・ブレイカー

進化ガーディアン。
ガーディアンが破壊されるとき代わりにこのカードの下に仕込むことができ、攻撃時には下のカードを山札経由で踏み倒すことができる。

エピソード2からの、ガーディアンデッキの切り札的存在。
単純にブロックして破壊されてしまったガーディアンの再展開や、cip能力持ちのガーディアンの再利用など、その能力から様々なコンボや専用デッキが組まれてきた優秀なクリーチャー。

前述したとおりシャングリラも踏み倒すことがきでる。

逆転王女(プリンセス)プリン UC 無色 (5)
クリーチャー:ハンター/エイリアン 2000
S・トリガー
ガチンコ・ジャッジでこのクリーチャーを見せた時、またはこのクリーチャーをバトルゾーンに出した時、バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選び、タップまたはアンタップする。

場に出した時や、GJによりめくられた場合にバトルゾーンのクリーチャーをタップかアンタップできる珍しい能力を持つカード。

背景ストーリーでは、シャングリラと激突する鬼羅丸の援軍として参上。
その力で、劣勢だった鬼羅丸の形勢を見事に逆転してしまった。

背景ストーリーに合わせてこのカードはシャングリラに対抗できる能力となっている。
しかしアンタップだけではなくタップもできるので、皮肉にもシャングリラとも相性が良かったりする。

色んな意味で『逆転』なカードと言える。

超絶奇跡(グレイト・ミラクル)鬼羅丸 ≡V≡ 無色 (12)
クリーチャー:ヒューマノイド/ハンター/エイリアン/ゼニス 17000
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、相手と3回ガチンコ・ジャッジする。クリーチャーを見せて自分が勝つたび、そのクリーチャーを山札の一番下に置くかわりにバトルゾーンに出す。呪文を見せて自分が勝つたび、その呪文を山札の一番下に置くかわりにコストを支払わずに唱える。
バトルゾーンにある自分のクリーチャーはすべて「スピードアタッカー」を得る。
T・ブレイカー
エターナル・Ω

エピソード2の主役カード。
背景ストーリーでは、シャングリラと激突した。

シャングリラとは、別方向に強力なカード。
両カードも劣勢な状況を逆転できる性能を持つが、相手を封じ込めるシャングリラに対し、鬼羅丸は力を解き放ち勝利する意匠が込められている。
シャングリラデッキを使ってこのカードを相手に出された場合は、ある意味デュエルが盛り上がるかもしれない。

「破滅」の頂 ユートピア・エヴァー SR 無色 (12)
クリーチャー:ガーディアン/アンノウン/ゼニス 17000
ブロッカー
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、次の相手のターン、相手のクリーチャーはすべて可能であれば攻撃する。
自分の他のクリーチャーが相手のクリーチャーとバトルする時、かわりにこのクリーチャーがバトルする。
バトルゾーンにある自分のクリーチャーを相手が選ぶ時、このクリーチャーを選ぶことはできない。(ただし、このクリーチャーを攻撃またはブロックしてもよい)
T・ブレイカー
エターナル・Ω(このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりに手札に戻す)

シャングリラ同様に、ガーディアン/ゼニスを兼ね備えている。
名前の由来も、シャングリラと意味が近い。

背景ストーリーでは、終盤頃に登場。
このクリーチャーが登場したこととシャングリラの降臨により、不穏な動きを見せていたガーディアンの目的がついに明らかになる。

「終」の極 イギー・スペシャルズ VR 無色 (13)
進化クリーチャー:アンノウン/ゼニス 21000
超無限進化・Ω-無色クリーチャーを1体以上自分の墓地、マナゾーンまたはバトルゾーンから選び、このクリーチャーをそのカードの上に重ねつつバトルゾーンに出す。
このクリーチャーが攻撃する時、このクリーチャーの下に重ねたカード1枚につき、次のうちいずれかひとつを選ぶ。
▼バトルゾーンにある相手のクリーチャーを1体選び、持ち主のマナゾーンに置く。
▼相手の手札を見ないで1枚選び、持ち主のマナゾーンに置く。
Q・ブレイカー
エターナル・Ω

エピソード2で登場した進化ゼニス。
シャングリラと同様に、超無限進化・Ωを所持している。

『始まり』のゼニスであるシャングリラとは逆に『終わり』を名に司るゼニス。
『智』の頂 レディオ・ローゼスとも容姿が似ている。エピソード3では「世界の終りを知らせに降臨した神」として知られており、シャングリラと同じようにオラクルによって神として崇められている。
背景ストーリーではシャングリラに勝るとも劣らない裏ボス的な立場にいる存在でもあり、実質エピソード3の元凶となった。

神人類 ヨミ ≡V≡ 無色 (8)
クリーチャー:ゴッド・ノヴァ/オラクル 12000+
このクリーチャーを召喚してバトルゾーンに出した時、カードを3枚まで引いてもよい。
T・ブレイカー
中央G・リンク(このクリーチャーまたは自分の他のゴッドをバトルゾーンに出す時、自分の好きな数のゴッドからカードを1枚ずつリンクを外してもよい。その後、このクリーチャーを「右G・リンク」または「左G・リンク」とあるゴッドにリンクしてもよい)
このクリーチャーがカード3枚でリンクしていれば、自分のシールドはブレイクされない。

エピソード3で登場したクリーチャー。
シャングリラを神として崇めている種族。オラクルのトップに立つ存在である。

ヨミ自身もシャングリラ自身に影響を受けたのか、シールドのブレイクを封じる能力を持っている。これもシャングリラと同じ封殺の力と言っても過言ではない。

もっとも攻撃そのものを封じるシャングリラよりは能力面では劣る部分も多い。
ここからもシャングリラが背景スト―リーでどれだけ強大な力を持っていたのかが分かるだろう。

樹脈の守護者エバード・ゼノム C 自然文明 (3)
クリーチャー:ガーディアン 2500
バトルゾーンに自分のガーディアンが他に1体でもあれば、このクリーチャーは「ブロッカー」を得る。

不死鳥編時期に登場した初の自然単色ガーディアン。
残念ながら自然ガーディアンということ以外に特徴がなく、能力はあまり実用性があるとは言い難い。

しかし、背景ストーリーではシャングリラ誕生を示唆する重要な存在だったのではないかという説がある。
その場合、当時のデュエリストは気が付く訳もなく、5年以上の時間をかけた壮大な伏線が見事に回収されたという事にもなる。

なぜ光文明の守護者だったガーディアンが自然文明となることが可能だったのか。
天空の守護者の彼らがなぜ地上に適応し、他の文明のために活動を行っていたのか……?

背景ストーリー

背景ストーリーでは、エピソード2のラスボスとして登場。

悩んだ末に、歪んだ愛情から『世界を無にする』ことを目的に世界滅亡を目論む。
それを阻止しようとする《超絶奇跡 鬼羅丸》と激突し、引き分けの末に世界から他のゼニス共々消滅した。

その後、エピソード3の背景世界にも影響を与えた。

■誕生経緯

ガーディアンはDM初期の設定では、光文明の天空都市を守護することにとにかく集中する無慈悲な存在だった。
これがいつの間にか全ての者を守ろうとする思考を持つ設定に変化していた訳だが、これは背景ストーリーにおける光文明の状況の変化を辿るとガーディアンの行動の変化の理由は推測出来る。

ガーディアンの変化の始まりは、転生編まで遡るとも言われる。
クロスギアの開発により再び戦火が巻き起こった時代に「進化クロスギア」の暴走の末に引き起こされた、世界滅亡。

その未来を預言してしまったシルヴァー・グローリーは無情な決断を選択することとなった。
それは「光文明の種族を天空都市から切り離し(追放)、絶対防御体制の準備に入る」というもの*1

多くの光文明の種族は天空都市から切り離され、文明が意味を持たない世界で生きていかねばならなくなった。
光文明の種族であるガーディアンも同じように絶対防御体制の準備のための犠牲となり、天空都市を追放されたと思われる。

それから一万年を経過した不死鳥編の世界でもガーディアンは活動をしていた。
主にアーク・セラフィムの本拠地で活動しており、アーク・セラフィムやワイルド・ベジーズと手を組んで地上の生き物を守護していた。

天空都市から追放され、文明の意味を持たなくなった世界でも彼らは本能のまま「誰かを守ること」に務めるのであった。
やがて地上に適応した彼らの中には、《樹脈の守護者エバード・ゼノム》のように従来の光文明を捨てた存在も現れ始める。
不死鳥編の世界で栄えた新種族もやがて世界の覇権を争いが始まり、その後ユニバースゲートより舞い降りた不死鳥とも戦うこととなるが、新種族は結束した末に不死鳥を撃退することに成功した。

そしてその後の世界が描かれる極神編では、ゴッドと闇文明軍の激突が繰り広げられた。
両者の激突後、五元神が修復を行うことで世界は復活する。
《電界の守護者ラ・フランシス》のフレーバーテキストで、この時代におけるガーディアンは「龍も神も関係なく、ただ世界を守りたい」という思考に目覚めていたことが明言されている。

超獣世界は不死鳥編以前の世界に姿を戻すことになった。
世界には長い平和が訪れ、ガーディアンの防衛も終わるかと思われた…が、それは許されなかった。

極神編終了からしばらくの時を経た戦国編の始まりである。
この時代、世界では戦争は起きておらず抑止力として競技化した戦争「戦国武闘会」が開催されていた。
世界の平和を象徴するはずのこの大会が、ついにシャングリラが超獣世界に出現する直接の原因を生み出す。

戦国編の背景ストーリーで行われていた第百回戦国武闘会は次第にヒートアップし、『大会』ではなく本当の『戦争』と様相を変貌していく。大会は確実に狂気へと向かっていき、決勝戦まで残った《暗黒皇グレイテスト・シーザー》が、禁断の兵器《超銀河弾 HELL》を使用。
結果的にシーザーは瞬殺されるが、HELLの威力は時空の裂け目を作り出してしまう。

時空の裂け目からは、古代の軍勢が出現。
一夜にして超獣世界に残虐極まりない侵攻という悪夢を引き起こし、大規模な戦争が繰り広げられる。神化編の幕開けである。

ガーディアンは結局平和というものを目の当たりにすることが出来ずに、地上の生き物の防衛に努める。
しかし彼らには(推測するにおそらくこのころから)自己矛盾が生まれていった。

地上のクリーチャーを守っているうちに、ガーディアンにある思想が芽生えてくる。

何かを守護したいという『愛』の心と、侵入者を排除したいという『憎』の心。
誰でも良いから守ってあげたい』という気持ちと『攻撃してくる侵入者は撃退してやりたい』という気持ち。

『誰でも守る』という思想に相反する二つの思想が生まれてしまった。

この自己矛盾はやがて(詳細は不明だが、おそらく神化編終盤~覚醒編初期のころ)『はじまりのゼニス』を誕生させた。
このゼニスこそガーディアンの自己矛盾の思念が生み出したクリーチャー、《「無情」の極 シャングリラ》である……。

そしてシャングリラは自己矛盾を解決するためにゼロの力に目覚める。ゼロ文明の誕生である。

■行動開始~消滅へ

ガーディアンの自己矛盾によって誕生したシャングリラ。
シャングリラはガーディアンのそういった自己矛盾を解決する考えを導き出す。

それは「全てを『無』にすれは苦しみがなくなる」→無にするには、世界の滅亡が必要

という狂気の結論であった。
自己矛盾は歪んだ思想を生み出してしまったのだった。

彼はエピソード2の戦いの裏で行動を開始する。

手始めにガーディアンたちを闇文明化し、アンノウン&ゼニス軍側に加勢させる。
もっとも闇エンジェル・コマンドからは『頼りない』として感謝すらされていなかったが…
その後、戦いの中で主である《「祝」の頂 ウェディング》を失った闇エンジェル・コマンドを自身の手下に付けた。
馬鹿にしていたガーディアンの親玉の頼りになるとは、闇天使にしてみれば皮肉なものである…

一方、ゴールデン・エイジ側はゼニスの力を手に入れた鬼丸(黄金龍鬼丸「王牙」)とキング・コマンド・ドラゴンの総指揮者、「戦慄」の頂ベートーベンが衝突していた。
その姿を一目見て己が兄弟であると気付いた鬼丸は、生き別れた兄を救出すべくゼニスの鎧に囚われベートベンの姿に変わり果てた兄と対峙する。
この希望の双子の激突時には《「破滅」の頂 ユートピア・エヴァー》が出現するなど、ガーディアンの怪しさはピークに達する。

ウェディングやサスペンスも撃破され、激戦の末みごと再会を果たした兄弟。
ようやく戦争が終わるかと思われたその時、シャングリラはついに姿を現すのであった。

シャングリラの圧倒的な力の前に、従来の超獣世界のクリーチャーは手も足も出ない。
ゴールデン・エイジ軍は、シャングリラの力の前に一瞬にして犠牲者の山を築くこととなった。

鬼丸と修羅丸も奮戦したが、二人の力をもってしてもシャングリラを倒すことはできない。
そこで兄弟は《絆の戦士ペッパー》の提案により、兄・修羅丸がその力と魂の全てを弟・鬼丸に託すことで融合することを決意する。

兄弟は「希望の絆 鬼修羅」へ姿を経て《超絶奇跡 鬼羅丸》となった。
だが、鬼羅丸へと融合を果たしてもなおシャングリラ相手には劣勢を覆すことができない。
そんな折、彼のもとにとうとうゼロの力に目覚めた双子たちの姉《逆転王女プリン》達が救援に駆けつける。

プリンの『自由』の力が、シャングリラの『封殺』の力を打ち破る。

そして鬼羅丸は長きに渡る死闘の果てにシャングリラと相討ちで討ち取る。
シャングリラは消滅し、ゼニスも超獣世界の一部として、消え去ったのだった…。

一方その頃、《「必勝」の頂 カイザー「刃鬼」》に敗れ去った《「終」の極 イギー・スペシャルズ》というゼニスがいた。
イギーは事前にゼニスの消滅を察し、ゼロの力を絶やさずに伝えるためにオラクルという種族を創造したのだった。

■その後

シャングリラが消滅した後も、彼の存在は超獣世界に影響を与える。

エピソード2から一万年ほどが経過したエピソード3の世界。
彼はその世界で、イギーが生み出したオラクルによって至高神として崇め奉られることとなった。
シャングリラと鬼羅丸の激突は、オラクルが神話として語り継いでいたのだ。

そしてシャングリラの意思はオラクルの掲げる思想として生き続け、エピソード3の世界でも争いが引き起こされることになるのだった…。

■DS世界では

基本セット~エピソード3までの世界とは別世界のドラゴン・サーガでも、物語開始前にゼニスは出現していることが明らかになっている。
ここから考えるにドラゴン・サーガ世界でも、シャングリラが出現している可能性があった。
また、ドラゴン・サーガ世界でも《葬送の守護者ドルルン》など、新たな闇のガーディアンの存在が確認されている。

しかし、DMBD-06「クロニクル・レガシー・デッキ2018 至高のゼニス頂神殿」では、DS世界のゼニスについて補足されたが、シャングリラはDS世界では出現しなかったことが判明した。
シャングリラが存在しないDS世界では《「終焉」の頂 オーエン・ザ・ロード》と《「創世」の頂 セーブ・ザ・デイト》という2体のゼニスが親玉となった。
この2体のゼニスが光文明だったことでゼニスの力が超獣世界と異なる性質へと進化している。
DS世界のオラクルも至高神として崇めるのはシャングリラではなく、この2体が信仰先となった。

超獣世界のパラレル的個体が多数いるDS世界で、シャングリラのパラレル個体が出現しなかった理由は不明。
同じガーディアンのゼニスである《「破滅」の頂 ユートピア・エヴァー》はゼニス頂神殿からDS世界に出現した辺りも謎は深い。
一説には、シャングリラ自体が次元移動を行う存在だからではないかとする見方もある。

ちなみに、シャングリラがDS世界に出現しなかった影響で、DS世界のゼニスに圧勝した《龍世界 ドラゴ大王》との力関係は不明慮となっている。

■補足

以上のことを踏まえると彼が結果的に戦国編から緩い時間経過で進んだエピソード2のラスボスである。
覚醒篇から順に遡っていくと、

  • 覚醒編のラスボスであるZ軍を操っていたエイリアン
  • そのエイリアンを操っていたアンノウン
  • アンノウンの上位種的存在であるゼニス
  • そのゼニスの頂点であるシャングリラ

となり、神化編の騒動以外は彼の手のひらで踊っていたとも言える。
加えてエピソード3の争いも間接的に引き起こしている。

また、シャングリラという存在自体を超獣世界の争いの被害者としてみる意見もある。
確かに超獣世界の住人の争いを好む性質がこの存在を生み出してしまったことは間違いない。

しかし、シャングリラは覚醒編以降の戦いを自身の手で広げているようなものなのである。
超銀河弾によって引き起こされた戦争の傷口をさらに広げたことは、決して許されることではない。
シャングリラと同弾に収録された《ヘブンズ・サンダー》のフレーバーテキストが、シャングリラに対する回答となっている。


何かを守ろうとするには、誰かを傷つける覚悟を持つことだ。


シャングリラはこの現実に目を背け、守護者として持つべき「覚悟」が出来ずに逃げたと言わざるを得ない。
逃げた先が世界に対する無差別な攻撃だったと考えると、超獣世界の住民からは迷惑極まりない存在だっただろう。

因みに何かと戦犯扱いされているシーザーさんだが、そもそもガーディアンが基本セットの頃から存在している超古株種族である以上、「シーザーが居なくともいずれシャングリラは顕現していた」事は十分可能性として考えられる。これに関しては濡れ衣と言ってもいいかもしれない*2その場合でも時空の裂け目開けなきゃよかったんじゃねとか言うな







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