転生編(デュエル・マスターズ)

登録日:2014/05/03 Sat 10:44:18
更新日:2023/01/21 Sat 16:59:41
所要時間:約 5 分で読めます



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持つ者だけが、世界に平和を与えることができる。




転生編(ジェネレート・ギア)とは、TCGデュエル・マスターズ」4番目のシリーズ。


エキスパンション

  • DM-14「転生編 第1弾」
  • DM-15「転生編 第2弾 神滅奥義継承(シークレット・オブ・ヒドゥン・ギア)
  • DM-16「転生編 第3弾 魔導黙示録(オリジン・オブ・パーフェクト・ギア)
  • DM-17「転生編 第4弾 終末魔導大戦(ジ・オーバーテクノクロス)

概要

聖拳編に続く4番目のシリーズ。

このシリーズの新ギミックはなんと言っても第3のカードタイプ、「クロスギア」であろう。
戦国編まではクロスギアサポートもクロスギア自体も、さらに言えばクロスギアメタカードもこの弾にしか収録されていなかったため、活かすにも殺すにもこの弾のカードが必要だった。
…それでも売れなかったのはクロスギアが一部を除いて動かしにくかったから、とも言えなくもない。
相手が使わないなら対策する必要もないため、メタカードは更に価値が落ちる。
クリーチャーに装備するカード、というギミックは後にドラグハート・ウェポンという形で再利用される事になる。

他にも大きな特徴として「転生」の名前の通り、人気クリーチャーをリメイクしたカードがいくつか登場する。
カードパワーも大きく派手な物となっていて、カードパワーが地味と評される転生編においてインフレの要素を匂わせてくれている。

評価

デュエル・マスターズの苦難の時代を象徴するセットとして、続く不死鳥編と共に並び称されるセットでもある。

理由は明白で、「売れなかった」こと…だと指摘されるが、実は売上関係に関しては「全く」売れなかったというのは事実と異なる。
前シリーズの聖拳編が好評だった余波もあり、むしろ売上の数字だけで見れば一定の成績を残している。
しかし、数字上はそれなりの成績だったが売上の流れは明確に下降線を辿っており、次シリーズの状況も重なって商業的に苦難の幕開けだったことは否定できない。

そして、転生編の最大の問題点として指摘されることは、「新規カードの質」だろう。
まず、大半のカードパワーが地味。多色カードがDM-17の進化クロスギア以外一枚も収録されず、またデュエルの後半にならないと活かされない「メタモーフ」など、
かなり上級者向けだったり、当時のカードプールではそもそも活かしきることが不可能だったりした。
そんな中で一部の優秀なカードはもれなくボルバルマスターズサファイア地獄を推し進めるようなカードであった。
現在では《セブンス・タワー》や《パクリオ》《天真妖精オチャッピィ》など優秀なカードを輩出したセットとして名が上がるが、当時は最後のDM-17など、「終末ナスオ大戦」の元に「《ダンディ・ナスオ》(コモン)以外はただの紙」という扱いすら受けていた。*2

また、第三のカードタイプとして売り出した新要素・クロスギアが環境的に高評価を得られなかったことも転生編の評価に大きな悪影響を与えた。
クロスギアというカードタイプ及びシステムには様々な問題点があり、全くファンが付かなかったという訳ではないが、一部のカードを除いて環境で使われることはなかった。
クロスギアは後年のシリーズでも強化が試みられるが、結局あまり上手くテコ入れが出来ない状況が続き、一種の禍根を残してしまうことになる。

背景ストーリー

あらすじ

龍炎鳳エターナル・フェニックス》が消滅してから200年後。
平和な世界になり復興を遂げた各文明は古代遺跡の魔道具を発見する。
それらを改良し、各文明は「クロスギア」として運用し始めた。

同じ頃、各文明で名の知れた超獣を再生する試みが行われ、かつての超獣が《クリスタル・ツヴァイランサー》や《悪魔神ドルバロム》などへと転生することに。
闇文明はかつてのバロムがドルバロムとして復活したことを契機として、少しづつ地上に領土を広げていく。
一方の光文明も《聖霊王アルファディオス》を生み出すと、霊装(=《ペトリアル・フレーム》)を纏って他文明へと侵攻を開始する。
クロスギアの研究を怠った闇文明は返り討ちにされて地下に戻るはめに。

光文明に負けず火文明もかつての英雄《超竜バジュラ》の力を持つクロスギア《バジュラズ・ソウル》を開発、動きを見せない水文明を侵攻し壊滅的被害を与えると、そのまま光文明に攻撃を仕掛ける。
いつしか光と火に世界は二分されていた。光は《ヘブンズ・ゲート》からの大量展開や《インパクト・アブソーバー》などで猛攻を凌ぐが、光が実験中に汚してしまった仙界から怒れる3体の超竜が蘇ってしまう。

こうして開いた隙をついて他の文明はクロスギアの研究を続ける。
しかし、畏敬を忘れて研究を続けたその結論は―――

ストーリーの特徴

完全に地続きだった聖拳編までとは異なり、前シリーズとの間に200年に及ぶ物語の空白期間が生じている。
とは言え、超獣世界の住民は寿命が長い連中が多い様で、あまりリセットされている感じはない。
物語の各所にも、聖拳編における最終決戦の傷跡を匂わせる要素が出てきている。

世界背景的には、文明軽視の風潮が強くなっていた聖拳編とは異なり、再び文明間戦争に回帰している。
多色クリーチャーは200年の間に姿を消していったのか、姿を見せることはない(王の遺産を生かした多色に関する力を使う存在はいる)。
また、物語には各文明で大きく力を誇ったクリーチャーが新たな姿で復活しており、物語に深く関わっていく。
物語のキーワードとしては「魔導具の探索・開発」「転生したクリーチャー」「王の遺産探し」が強調されていると言える。

物語のラストは自業自得の要素を持つバッドエンドで締められており、シリーズでもトップレベルに後味が悪くなっている。
ラスボスも存在はするが、明確な意思を持った存在とは言い難く、この点も後のシリーズと比べて異色的。
このラストによって世界観を大きく一新することで、不死鳥編への繋ぎへとしている。
そのことから物語的には一区切りとなっていて、「基本セット~転生編」というサーガにまとめられることが多い。

勢力別の動き

光文明

《ペトリアル・フレーム》や《インパクト・アブソーバー》を開発したり《ヘブンズ・ゲート》から超獣を展開したり、《聖霊王アルファディオス》を蘇らせたりとその持つ科学力を最大限に発揮。
しかし科学実験のために仙界を汚したことが彼らにとって良くない結果をもたらす。

闇文明

《悪魔神ドルバロム》を蘇らせると地上世界へ侵攻。しかし《従獄の凶獣ドルベロス》をやられてしまうなど、詰めの甘さを見せる。
何気に音楽を楽しむなど、珍しく闇文明の破壊衝動以外の文化が描かれる。

火文明

光文明程ではなかったがクロスギアにおいて技術力を発揮。
パワーと仙界の竜たちによって光文明と争う。

水文明

今回は最初から動きを見せず、その隙を狙われて火文明に壊滅的被害を与えられる。



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最終更新:2023年01月21日 16:59

*1 ただし通常弾はDM-18「ベスト・チャレンジャー」(再録セット)を挟んでいる。

*2 まぁ流石にこれは誇張し過ぎた表現だが。「デュアルショック・ドラゴン」なんかは当時から速攻デッキで活躍しているし現在ではS・バックを中心に評価が改められている。