不死鳥編(デュエル・マスターズ)

登録日:2014/05/03 Sat 14:06:06
更新日:2024/04/08 Mon 10:50:32
所要時間:約 10 分で読めます



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終末魔導大戦の傷跡は、一万年の時が経過したこの時代でも、

未だあらゆる場所に残っている。




不死鳥編(スペクタクル・ノヴァ)とは、TCGデュエル・マスターズ」5番目のシリーズ。


エキスパンション

  • DM-19「不死鳥編(スペクタクル・ノヴァ) 第1弾」
  • DM-20「不死鳥編 第2弾 魔闘竜×機兵団(ジ・アルティメット・ノヴァ)
  • DM-21「不死鳥編 第3弾 封魔王の系譜(ヒストリー・オブ・デビル・ノヴァ)
  • DM-22「不死鳥編 第4弾 超神龍雷撃(ザ・ドラゴニック・ノヴァ)
  • DM-23「不死鳥編 第5弾 冥龍王帰還(ジ・エンド・オブ・ユニバース)

概要

聖拳編で登場したフェニックスが再登場。
ただし今回のフェニックスは、「不死鳥型フェニックス」ではなく「惑星型フェニックス」と呼ばれる存在。なのに『不死鳥』編
五文明全てに等しく存在する上、多色ではなく単色である。
デュエル・マスターズの世界のフェニックスは必ずしも不死鳥ではないのである。
こちらはメテオバーンを持つことが特徴となっている(後にメテオバーンが常盤木能力になるとは誰も思うまい)
進化元を捨てて効果を発動する能力であるが、類似のエクシーズ召喚より登場は早い。

また、「単色の状態で」「ふたつの文明に」存在するハイブリッド種族と、それをサポートする2色で構成されるサポート種族が登場。
両方の色の良い所を生かした種族デッキを組む方向を公式が推奨した形となる。
この種族デッキ構築を全面にプッシュするというコンセプトは後にドラゴン・サーガでも取り入れられる。あちらはより極端になったが。

評価

今のカードプールでは不死鳥編のカードが見直される機会も増えており、また不死鳥編の種族は後のストーリーでも重要な役目を担っていたり
強いクリーチャーが増えたこともあいまって人気を得ているが、当時の評価はどうだったか?

「魅力を感じない」セットであった。

まず旧来の種族のほとんどが絶滅(あのアーマード・ドラゴンであってすら!)してしまっているため、
旧来の種族を元にしたデッキに、このエキスパンションのカードは入りにくい(背景ストーリー上、新規種族と同盟関係にあった旧種族に関するデッキに少し入る程度)。
種族デッキを組むことを推奨していた割には、これまでの莫大な資産を活かした種族デッキは作りにくいという結構本末転倒な事態。
また、新規種族のほとんどはパワーが低い(もともと数を並べてから進化することが目的のため)ため、ボルバルマスターズやサファイア地獄の中をくぐり抜けてきたカードたちにパワーで勝ちようがない。
つまり、訴求力が足りていなかった。

加えて、この時期のデュエル・マスターズは漫画は玩具作品漫画とはしては異例の7年目(ポケモンやマリオなど有名どころのゲーム作品では珍しくないが玩具中心の漫画では相当長い部類)であり、
既にデュエマファンだった子供もコロコロやデュエマを卒業している時期でアニメも切札勝舞ではなく「夢実 テル」であり、アニメと漫画が繋がらないことがまた良くない結果をもたらす。
その他、ボルバルマスターズやサファイア地獄の尾をひいてるとか、転生編以降の地味さを覆せないとか、そういう点でどうしても人気を取り戻せていない。
商売としてもこのシリーズは(後のバトスピに見られるような)第5弾までと、基本セット以来の多さを見せたが、
その第5弾が準バニラとバニラが多いために「これを販売する必要があったのか」と言われる始末である。第5弾のバイオ・T(タックル)、バイオ・K(キック)も大して使われていない…。
また、2006年時期のコロコロはロックマンエグゼやゾイド、ビーダマンなど有名タイトルも一時の展開終了や終焉期、ポケモンも当時の秋の第四世代発売まで外伝作中心と話題性が少なく
その事も少なからず影響を与えている。

あと、フェニックス対ハイブリッド種族という構図なのにフェニックスの進化元がハイブリッド種族だったりする。なんでだ。
大人の事情?そんなん知りませんな

ただし、不死鳥編が後のシリーズに残した功績は少なからずあるのも事実。
前述したように、このシリーズでの新種族は(想定よりは主要種族の仲間入りは出来なかった感があるが)、一部で根強いファン層を獲得した。
「文明の枠に拘らない種族」という新要素はDMに大きな影響をもたらし、後のシリーズではそのような新種族が多くなった。
旧種族がこれまでとは違う文明で登場したことも、後のエピソード2での文明シャッフルなどと通じる物がある。

このシリーズを手掛けたスタッフは後にMTGでローウィン・シャドウムーアブロックを作る。
ローウィンブロックは不死鳥編同様種族テーマのセットであり、DMからハイブリッド種族・サポート種族の概念が導入されている。
ちなみに不死鳥編の「カードパワーが弱い」という反省点からか、カードパワーが強く設定されており、次のアラーラブロックとともにクリーチャーのインフレが加速するきっかけを作った。

背景ストーリー

あらすじ

転生編から1万年後。
東方浄土に移住した超獣たちは、未だに「時空の裂け目」に吸い込まれる世界の中で、とりあえずは安定した時代を迎えた。

文明にとらわれない種族も現れ、「旧世界」に負けず劣らずの世界をつくり上げる。だがその世界に、「時空の裂け目」からフェニックスと呼ばれる存在が突如現れ、支配されてしまう。5大種族はそれぞれの富国強兵策をとり、他の種族から力を奪い合うことになるが…

ストーリーの特徴

ストーリー的には、基本セット~転生編までの流れを一気にリセットした世界観なのが特徴。
イラストに出てくる世界の光景やフレーバーテキストなども、世紀末的な無情な世界観を醸し出している。
これまでのシリーズで強調されていた文明の価値観というのも一気に荒廃しており、このシリーズでは一切文明間戦争の匂いはしない。
……最終的には「五大文明連合」なんて勢力が構築されたりもするんだが。

「基本セット~転生編」と区切るなら、このシリーズは次シリーズで直接の続編となった極神編とまとめて区切ることができるだろう。
ただし、世界観設定の根本には転生編の騒動が深く影響しており、物語的には直接繋がってはいないが切っても切れない関係にある。
また、本作の出来事や世界設定は後のエピソード2のラスボスに影響したとかなんとか。

一方で、このシリーズは地味に放置された伏線や描写が他のシリーズ以上に多い。
「時空の裂け目を拡大したドリームメイトの狙い」「アーク・セラフィムの動向」という二点は、今現在でも謎としか言いようがない。

勢力別の動き

グランド・デビル

このストーリーの実質的な主役。

物語開始時点ではデーモン・コマンドと共同で覇王ブラックモナーク復活の為にせっせと働いていた。
また、初期の時点で既に水文明を持つことを活かしてグレートメカオー陣営に忍び込んでいた模様。

ティラノ・ドレイクがグレートメカオーに負けたのを見て、グレートメカオーを危険視すると共に、ティラノ・ドレイクからの同盟の申し入れを承諾し連合軍を結成。
彼らと共に蘇生術を研究し、歴史上の旧種族の者たちを蘇らせ、自分たちの一部にしていく。
途中フェニックスたちに反撃を受けるが、ドラゴンを蘇らせたり、自分たちがむしろドラゴンと融合したりした。

ちなみに覇王復活計画だが、はるか後のマスターズ・クロニクルシリーズにドルバロム様からとんでもないネタバラシがされる。
「覇王を復活させてこなかった理由を教えてやろう。あまりに一方的な戦いになってつまらないからだ。」
この時期のグランド・デビルとデーモン・コマンドの動きと矛盾するというか、ドルバロムの発言が本当だとグランド・デビルは踊っていたようなもんなんですが……。
まぁ、マスターズ・クロニクルシリーズは世界観が曖昧でパラレルの可能性もある。

ティラノ・ドレイク

主人公種族…のはずなのだが、本ストーリーきってのやられ役。
いきなり攻めてきたグレートメカオーの前に、一部奮戦するものの劣勢を覆すまでにはいたらず、彼らの根拠地でエネルギー源である「クリスタルの塔」を奪われる。
多数の仲間が倒された無念を背負いながら《覇竜凰ドルザバード》はグランド・デビルに共闘を持ちかける。

グランド・デビルとの同盟を組んだあとは割と活躍している。蘇生術に手を貸したのは仲間を蘇らせたかったのだろうか。

グレートメカオー

エネルギー大好き!な彼らは早速まずはドリームメイトを襲撃。
だが可愛い顔している連中のよくわからない未知の力の前にあえなく撃沈。
ドリームメイトのエネルギーを諦めざるをえなかった彼らは、その後ティラノ・ドレイクを襲い容赦なく叩き潰すとエネルギー源を強奪した。

だがその後、その力を危険視したグランド・デビルと復讐に燃えるティラノ・ドレイクの連合軍に粉砕されることに。

ドリームメイト

可愛い顔している連中。
しかし不死鳥編では特によくわからない行動をとった種族である。
グレートメカオーを謎の力で壊滅させたと思ったら、《ザ・ユニバース・ゲート》を開いて小型フェニックスを呼び集めたりしている。
もしかしたらフェニックス側についていた種族なのかも知れない。

アーク・セラフィム

…なにしたっけこいつら。
そう、「5大種族」とか銘打っておきながら、アーク・セラフィムはまさかの本筋に関わってこない種族なのである。
一応、フレーバーテキストやコロコロの付録ポスターを見る限りでは、ワイルド・ベジーズや魔導大戦におけるシルヴァー・グローリーの最終防衛体制で行き場を失ったガーディアンなどの旧種族と手を組んでいた模様。

デーモン・コマンド

旧世界では主要種族だった彼らだが、今回はグランド・デビルと同盟関係にある。
覇王ブラックモナークの復活計画を企んでおり、そのためにせっせとグランド・デビルと遺骸集めをしていた。
グランド・デビルの蘇生術に貢献したと考えられる(《インフェルノ・ゲート》にドルバロム様の姿が見える)

ドラゴン

不死鳥編での世界観において絶滅状態にあった(DM-19時点では一枚も存在しない)が、徐々に生き残りが姿を見せ始める。
その後、グランド・デビル&ティラノ・ドレイク連合軍が不死鳥に対する対抗策として復活を企み、結構な数が蘇った。
その際に、本来はあり得なかった光と水のドラゴンであるアポロニア・ドラゴンとポセイディア・ドラゴンまでもが誕生した。
復活後は、グランド・デビルやティラノ・ドレイクに融合させられたドラゴンも多い。

ガーディアン

転生編の終末魔導大戦時に天空都市から見捨てられ、地上に降下していた。
その後は本能に従って地上の生物を防衛することに守護することに奔走し、光文明を捨てるガーディアンもいた。
コロコロの付録ポスターやイラストから察するに、アーク・セラフィムと関係を結んでいた様子。
この時期にガーディアンの目的が「光文明の防衛」から「生物の防衛」に切り替わったことが、遠い遠い将来で悲劇を生む。

モナーク家

覇王ブラックモナーク様の一族で、今回のシリーズで初めて一族の一人《悪魔神デスモナーク》が出現した。
光の時代の終わりと一族の繁栄を予感していた末弟の彼だが、不死鳥編の世界観だと光文明も糞もない世界なんですけど大丈夫なんですかね…?
恐らくだが、グランド・デビルと共同で行動していたと思われる。

フェニックス

不死鳥編開始時点の世界の支配種族で、本シリーズの敵役になる超生命体。
終末魔導大戦で生じた時空の裂け目から飛来してきた種族で、ハイブリッド種族は対抗策がなかったためにこの不死鳥達の世界支配を許した。
後にドリームメイトが時空の裂け目を拡大させたことで、彗星型の小型フェニックスや従来の超新星を超えるフェニックスが飛来してくる。

超神星ブラックホール・サナトス

ラスボス。その割に弱いとか言うな。
設定上は絶望を司る最悪のフェニックス。
5大文明から生命力を奪い取り、闘えば闘うほど大きくなっていく。

超神星ビッグバン・アナスタシス

まさかの味方になるフェニックス。
5大文明からフェニックスに傾いたパワーバランスを元に戻し、サナトスと激突する―――



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最終更新:2024年04月08日 10:50