ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦

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&font(#6495ED){登録日}:2011/04/18 Mon 10:33:20 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){#bold(){さあさあ……みんなあつまってっ……! &sizex(5){&font(#ff0000,#000000){賭 博 黙 示 録 マ ル コ}} はじまるよっ……!}}                       『ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦』とは、1990年12月7日に発売された[[ゲームボーイ]]用のゲームソフト。発売元はタカラ(現タカラトミー)。 *◆概要◆ [[国民的人気アニメ>ちびまる子ちゃん]]の[[ゲーム]]化第一作で、人気絶頂の時に発売されたので購入者は実に20万人を数えたという。 が、ウキウキ気分でプレイした&bold(){犠牲者}たちは地獄を見ることに……。 &s(){まさに駄目なパターンのタカラトミーだった} *◆あらすじ◆ #blockquote(){&font(b,#ff0000){まる子「わたし まるこ いま ほしいものが いっぱいあって こまってるよ」} &font(b,#ff0000){まる子「あーっ ほんとに にんげんの よくってのは キリがないねえ」} &font(b,#ff0000){まる子「とりあえず あたしゃ こつこつと ためていくことにするよ」}} *◆ゲーム内容◆ 本作の目的は[[まる子>さくらももこ(ちびまる子ちゃん)]]を操作してミニゲームをクリアしながら[[お金]]を集め、デパートで5つの品物(([[マンガ>漫画]]、笑い袋、ままごとセット、オルゴール、フランス人形))を買い集めること。 品物の合計金額は10000円強だが、原作の設定(まる子のおこづかいは1日30円)に合わせたのか、&bold(){初期所持金はたったの&font(#ff0000){30円}}。 しかも所持金は&bold(){最大500円}((まる子カードというアイテムを使えば1000円))と上限が低く、貯金が重要となってくる。 なお、貯金と所持金がともに0円になるとゲームオーバー。 この仕様から、買い物をした結果、所持金と貯金が0になってもその場で[[ゲームオーバー]]となる。 …と思われていたが、実際には、全財産をはたいて買い物をした場合、[[やさしいお姉さん>優しいおじさん(カイジ)]]が十円恵んでくれる。 そしてお金が手に入るミニゲームは、 ・&sizex(4){&font(b){[[サイコロ>ダイス(サイコロ)]]}} ・&sizex(4){&font(b){スロット}} ・&sizex(4){&font(b){坊主めくり}} ・&sizex(4){&font(b){ビッグオアスモール}} の4種。 #center(){&font(#0000ff){この時まる子に電流走る……!} &font(#ff0000){まる子「この4つのミニゲームを見て……すぐある予感が走った……。&br()この勝負運否天賦だ……おそらく愚図が堕ちていく……。勝つのは強運を持つもの……」} ([[CV>声優(職業)]]:萩原聖人)} そう。このゲームの本質、それは&font(#0000ff){カイジも真っ青のギャンブルゲー}である。 このゲームをクリアするためには、町の住人やまる子の祖父である[[友蔵>さくら友蔵]]と&bold(){ミニゲームという名のギャンブル}を繰り返し、 自らの強運のみを武器にしてお金を勝ち取り、生き残らなければならない。 もちろん「ギャンブル」の名の通り、プレイするには掛け金が必要となるので、負ければお金も少しずつ減っていく。 &bold(){なにがおかしいってゲーム中で明確に「かけごと」と称されていること。} これだけならたいした問題ではない。著しい運ゲーとはいえ根気があればクリアできそうなものである。 #center(){&font(#ff0000){が、駄目っ……!}} そんな考えのプレイヤーを待ち構えているのは、このゲームの難易度を更に倍、いやウン100倍プッシュする鬼畜仕様である。 #center{ |LEFT:BGCOLOR(black):&font(b,#ffffff){&br()&br()&sizex(7){お}&br()&br()&sizex(7){&font(#ff0000){母}}&br()&br()&sizex(7){さ}&br()&br()&sizex(7){ん、襲来    }}| } #center(){ &font(#ff0000){まる子「ひどい……! ひどすぎるっ……! こんな話があるかっ……!} &font(#ff0000){命からがら……やっとの思いで帰宅したのに……お母さんっ……! あいつがもぎ取ってしまった……!} &font(#ff0000){せっかくの……今までの苦労……費やした時間……すべてをっ……!」} (CV:[[藤原竜也]])} なんと、自宅に帰った際&font(#ff0000,b){ランダムで}[[お母さん]]が待ち構えていることがあり、出くわしてしまったが最後、&font(#ff0000){所持金全て}を取り上げられてしまう。 &bold(){しかも警告や兆候などの類は一切無く、家に入るまでいるかどうかが全く判らない、完全な運任せ仕様。} あの帝愛すら寒気を覚えるであろう、厳しすぎる取り立てである。 自宅では友蔵とのゲーム(勝てば1000円もらえる)が遊べるが、それが終わった時や、&bold(){メニューを開いて閉じた時に襲撃してくることすらある。} なおその際の台詞は常に一定。 自宅内のメニュー開閉で現れても&bold(){&font(#ffb6c1){「あんたどこ行ってたの?!」}}と言われるし、 所持金が僅か10円でも&bold(){&font(#ffb6c1){「あんたどーしたのそのお金!お母さんが預かってあげるからよこしなさい!」}}である。((元ネタはさくらももこが親戚から貰ったお年玉を貯金されたことからとも言われている。母は「将来必要な時に備えて」と言うが、成年後に行方を訊ねられた彼女は……。)) 貯金が無い場合、ここで&color(red){ゲームオーバー}。最初からやり直しとなる。 もちろん貯金の無い初帰宅の時に遭遇すれば、開始して即ゲームオーバーとなってしまう。 この時の&bold(){&font(#ff0000){「あんた おにだね……」}}というまる子のセリフが全てを物語っているだろう。 福引きで当てた景品を持っていれば所持金を奪われずに済むが、福引きなので手に入るかはこれまた運次第。 さらに、福引きをするには当然福引券が必要だが、そもそも福引券自体じゃんけん勝負に勝つとたまに貰える代物なので、 景品を手に入れるには、じゃんけん勝負と福引きという二重のハードルを越えなければならない。 &bold(){そしてここまで苦労して手に入れた景品でやり過ごしても、メニュー開閉をしたら再襲撃されてそれまでの苦労が水の泡と化すこともある。} スタッフはどれだけプレイヤーを運ゲーの極致へ挑ませようとしているのか……。 挙句には後半になるにつれ出現率が上がる((これはROMの問題もあるだろうが))鬼畜仕様。 ただし、&bold(){実はお母さん襲来フラグが立つ条件が存在しており}、それは&bold(){お財布と貯金の合計額が2000円を超えている状態で家に入る事}。((一度フラグが立つとその後は超えてなくても襲来するようになる。)) なので、2000円までの品物は上手く調整すればお母さん襲来を回避して進める事ができる。 しかし、そもそもとしてこの襲来条件は(当時のゲームでは珍しくもないが)ゲーム中ではもちろんノーヒントである。 また、後半になるほど出現率が上がるというのも、だいたいのプレイヤーが安い品から買い揃えていき、2000円以上の貯金を得るのが後半になるせいだろう。 このフラグを解明した人々はどれだけの賭博沼に浸かったことだろうか……&s(){その時間や根気をもっと有効に活かしてほしかった} なお、貯金には手を出されないので、それさえちゃんとしていれば致命的な被害は受けない……と思われた。 #center(){&font(#ff0000){まる子「貯金に手を出されることはない……! 今度こそ……!」} &font(purple){ナレーション「ギャンブルではこういう考え方が一番危ない」} &font(purple){「まさに地獄に直結する道」} &font(purple){「貯金に手を出されないという読みはまさに泥沼」} &font(purple){&bold(){「嵌まっている……! すでに泥中 首まで……!」}} (※CVは[[立木文彦>賭博黙示録カイジ]]、[[古谷徹>アカギ~闇に降り立った天才~]]、キートン山田、木村匡也をご自由にお選びください) #center(){&sizex(7){&font(Green){&bold(){丸 尾 君}}}} #center(){&sizex(7){&font(Green){&bold(){強☆襲}}}} &bold(){&font(#ff0000){まる子「お母さん…丸尾君…腐ってやがる…!お前らっ……!それでも人間かっ……!」}} (CV:[[櫻井孝宏]](パチンコ版))} このゲームは一度ギャンブ……ゲームをした相手とはすぐに再戦できない仕様になっており、再戦するには「[[たまちゃん>穂波たまえ]]」のカードを使う必要がある。 町中を駆けずり回って上手く金を巻き上……勝利を重ねたとしても、一周だけでは目標金額には到底届かないため、攻略には前述のカードが必要不可欠となる。 しかしこのカードは、攻略上必須アイテムと言えるのに、ミニゲーム「じゃんけん」で勝つと1/6で手に入るという徹頭徹尾超運ゲー仕様。 そのため、全然このカードを引けない場合は、最悪&bold(){詰み状態になってリセットするしかなくなる}場合も……。 さらに、「たまちゃん」以外には、 ・「まる子」 ・「おじいちゃん」 ・「おかあさん」 ・「[[丸尾君>丸尾末男]]」 のカードが存在し、「まる子」は上述の通り所持金の上限アップ、「おじいちゃん」と「おかあさん」は後述の「気力」上昇と有用。 福引券は前述の通りなのだが、「丸尾君」のカードは、引くと&bold(){&font(#ff0000){貯金が半額になってしまう}}凶悪なお邪魔カードである。&bold(){しかも1/5とは思えないほど遭遇率が高い。} ちなみに、入手できるカードは平然とダブる上、被った場合は複数所持など出来ずにそのままなくなってしまう、地味に嫌な仕様。 一応お母さん襲来は「突然現れた母がお金を預かるという名目で没収する」という演出があるが、&bold(){こちらはどういう理屈か一切不明。} ただ貯金箱に触れた瞬間&bold(){「お金が減っている!」}というメッセージが表示されるだけである。&s(){ぶっちゃけ丸尾君との関連性すらイマイチ分からない} カードの効果とはいえ、こんな汚れ役を担わされる丸尾君は災難((丸尾君は「永沢君を励ます会」を立ち上げるなど、行動にアレな面は多々あるものの、学級委員を務めるほど非常に真面目で成績優秀な少年で、他人の貯金に手を出すなんて真似はまずしないはずのキャラクターである。まる子にも「丸尾君はいつも一生懸命生きている」と評されているのに……。強いて適役を挙げるなら、何をしでかすかわからずあらゆる行動が読めない山田あたりが該当するだろうか……?))だが、それ以上に災難なのはもちろんプレイヤーである。 そもそも他のギャンブルを行う際には「気力」が1つ以上必要という仕様のため、&bold(){手っ取り早く気力を上げる方法はじゃんけんをするしかない}が、 &bold(){それによって丸尾君のカードとエンカウントする可能性がさらに上がる}という隙の無い仕様となっている。   一応対策手段はあり、それは&bold(){「丸尾君」のカードが発動するのは家の貯金箱に触れた瞬間}という仕様を利用するというもの。 つまり、「&bold(){丸尾君」のカードを引いてしまったらデパートに行って散財してしまえば被害は最小限に抑えられる}のだ。 しかし、後半になれば買える品物も減っていくので、数多のプレイヤーが鬼畜眼鏡に貯金をゴリゴリ削られていった。 &font(Green){丸尾君「[[そんな貯金額、修正してやる!ははっ!ズバリ、ざまぁないでしょう!抵抗しても無駄な稼ぎに終わるだけだって、なぜわからないのですか!>カミーユ・ビダン]]」} &font(#ff0000){まる子「やめないか!」} まとめると、 >+気力を貯めるためにじゃんけんをする     →&bold(){丸尾君襲来} >+再戦用にたまちゃん狙いでじゃんけんをする  →&bold(){丸尾君襲来} >+お母さん回避用の福引券狙いでじゃんけんをする→&bold(){丸尾君襲来} >+丸尾君回避を諦め没収されないことを祈る   →&bold(){お母さん襲来} の&bold(){グランドクロス}が完成する。 そして最後にこのゲームを超絶難易度に押し上げているのは、 #center(){&font(#ff0000){まる子「なんだっ……! このゲームはっ……! セーブできねえじゃねえかっ……! 通るかっ……! こんなもん……!」} (CV:[[矢尾一樹]](パチスロ版)) #center(){&sizex(7){&font(b,#ff0000){セ}}} #center(){&sizex(6){&font(b,#ff0000){|}}} #center(){&sizex(5){&font(b,#ff0000){ブ}}} #center(){&sizex(4){&font(b,#ff0000){不}}} #center(){&sizex(4){&font(b,#ff0000){可}}} } &u(){この超絶難易度でセーブすら許されない一発勝負。} "人生はセーブもリセットもできないもの &s(){そ〜んな〜の〜じょ〜うし〜き〜♪} なので大切にしてください"というメッセージなのか(こんな人生送る小学生などいないだろうが)、 あるいは技術不足でセーブ機能を搭載できなかったのかは不明だが、これによってクリアの難易度はさらに上がっている。 そして製作陣には手加減という名の&ruby(セーブ){Save}機能も無かったようだ。   この全方位において隙の無い運ゲーおよび[[クソゲー]]っぷりのせいで、誰が呼んだか&font(#0000ff){『GB版[[マインドシーカー]]』}&color(red){『賭博黙示録マルコ』}などという物騒な渾名が定着した。 後者の渾名については、『ちびまる子ちゃん』自体が、現在でこそ世間一般ではファミリーアニメとして認知こそされているが、 &bold(){まる子を含んだ登場人物が全体的にアクが強く、子供ゆえの無垢な行動が結果的に酷いことになったブラックな回((具体的には『まる子 おすし屋さんに行く』のエピソードなど。))も多々ある}ことと、 ギャンブルを繰り返すゲーム性が、この項目の至る所で使われている台詞や文章からも分かる通り『[[賭博黙示録カイジ]]』を連想させたことから、 本来ならば無関係のはずの本作(というより原作)と『カイジ』のイメージがプレイヤーたちの中で妙に合致し、定着したと思われる。 なお、『カイジ』の連載が始まったのはこのゲームの発売から6年後の1996年だった。人気シリーズになった『カイジ』だが、もしかして本作は時代を先取りしていた……? なお、エンディングはというと……。 #blockquote(){&font(b,#ff0000){まる子「ばんざーい!! まさか ほしいもの ぜんぶが てに はいるとはねえ」} &font(b,#ff0000){まる子「まるこだって やればできるってことがわかったよ にんげん がんばってみるもんだねえ」} &font(b,#ff0000){まる子「うれしいねぇ あたしゃ こんな ぜいたくは はなわくんの うちにでも うまれなきゃ」} &font(b,#ff0000){まる子「いっしょう できないもんだと おもっていたからねえ」} &font(b,#ff0000){まる子「ばんざーい ばんざーい」}} &bold(){以 上 で あ る 。} すぐにタイトル画面に戻るので&s(){戦犯リスト}スタッフロールも流れない。 ''余韻もクソもねえ(´・ω・`)'' 他にも『ちびまる子ちゃん』のゲームはいくつかリリースされたが、そのいずれもコレを超えていない。売り上げでも酷さでも。 尤も、前者はともかく&bold(){後者は超えられたらたまったものではない}ので、良かったと言えなくもない。 本作が希代のクソゲーになっただけのことで、後発タイトルは[[こちら>ちびまる子ちゃん めざせ!南のアイランド!!]]を始めとしていずれも普通に遊べる内容であり、 『ちびまる子ちゃん』のゲーム全てが[[地雷]]というわけではないので安心しよう。&s(){むしろ、本作の悪評のせいで後発のゲームに風評被害が及んでいる一面も否定できない} *◆そして、時は流れて◆ ……2021年、原作の舞台となる『昭和』はおろか、ゲームが発売された『平成』も過ぎ去った令和の世。 この全方位クソゲーに&font(l){途中で吐きそうになりながらも}果敢に立ち向かった &font(l){狂人} 有志であり勇者達の手により、とある攻略法が編み出された((なお、攻略した有志のうち、多くがクリア後に体調を崩した模様。それほどまでに本作の攻略は過酷なのである))。 それは、 #center(){&font(#ff0000){まる子「人は人を救わない……なぜなら……人は人を救わなくても……その心が痛まないからっ……!} &font(#ff0000){なら……期待するなっ……!他人に……!} &bold(){&font(#ff0000){自分だっ……! 自分……!自分を救うのは……自分だけ……!」}} (CV:[[小西克幸]](ポーカーチェイス版))} #center(){&sizex(7){&bold(){賽    銭}}} #center(){&sizex(7){&bold(){泥    棒}}} ……もちろん良い子の&font(l){(?)}我らがまるちゃんが本当にそんなことをしでかしているわけではない。 正確には、あくまで&bold(){「そう見える行動を取ると所持金が増える」}というだけであるので安心してほしい。 ともかく詳しく説明すると、神社にて&font(l){お賽銭を納めずに}[[神]]頼みを繰り返すとたまに10円を入手することがある。 賽銭箱の近くで拾えるからには、恐らくはそこから外れて落ちたお金だろう。 だが、無限に拾えるので&bold(){どう見ても賽銭箱からネコババしている}ようにしか見えないのだ。 &u(){&bold(){断っておくが、よしんば賽銭箱の外に落ちていたものだったとしても、落ちているお金をネコババした時点で立派な犯罪である。「子供のやったことだから」では済まされない。}} で、これを何度か繰り返して50円まで貯めたら、神社の近くにある駄菓子屋でお菓子を買い「気力」を2つ増やせる。 これにより、じゃんけんで「丸尾君」カードとエンカウントする確率を極力下げつつ、 「気力が高ければ高いほどミニゲームでの賞金が増える」仕様を利用してお金を稼ぎやすくする、という一石二鳥の攻略法が成立したのである。 まあ、焼石を握った時点で大火傷していることには変わらないが。 #center(){\ノーカン!ノーカン!/&br()&font(#ff0000){回 る チ ン チ ロ リ ン}} あん、追記・修正してよん、イケズ。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,162) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }
&font(#6495ED){登録日}:2011/04/18 Mon 10:33:20 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 6 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){#bold(){さあさあ……みんなあつまってっ……! &sizex(5){&font(#ff0000,#000000){賭 博 黙 示 録 マ ル コ}} はじまるよっ……!}}                       『ちびまる子ちゃん おこづかい大作戦』とは、1990年12月7日に発売された[[ゲームボーイ]]用のゲームソフト。発売元はタカラ(現タカラトミー)。 *◆概要◆ [[国民的人気アニメ>ちびまる子ちゃん]]の[[ゲーム]]化第一作で、人気絶頂の時に発売されたので購入者は実に20万人を数えたという。 が、ウキウキ気分でプレイした&bold(){犠牲者}たちは地獄を見ることに……。 &s(){まさに駄目なパターンのタカラトミーだった} *◆あらすじ◆ #blockquote(){&font(b,#ff0000){まる子「わたし まるこ いま ほしいものが いっぱいあって こまってるよ」} &font(b,#ff0000){まる子「あーっ ほんとに にんげんの よくってのは キリがないねえ」} &font(b,#ff0000){まる子「とりあえず あたしゃ こつこつと ためていくことにするよ」}} *◆ゲーム内容◆ 本作の目的は[[まる子>さくらももこ(ちびまる子ちゃん)]]を操作してミニゲームをクリアしながら[[お金]]を集め、デパートで5つの品物(([[マンガ>漫画]]、笑い袋、ままごとセット、オルゴール、フランス人形))を買い集めること。 品物の合計金額は10000円強だが、原作の設定(まる子のおこづかいは1日30円)に合わせたのか、&bold(){初期所持金はたったの&font(#ff0000){30円}}。 しかも所持金は&bold(){最大500円}((まる子カードというアイテムを使えば1000円))と上限が低く、貯金が重要となってくる。 なお、貯金と所持金がともに0円になるとゲームオーバー。 この仕様から、買い物をした結果、所持金と貯金が0になってもその場で[[ゲームオーバー]]となる。 …と思われていたが、実際には、全財産をはたいて買い物をした場合、[[やさしいお姉さん>優しいおじさん(カイジ)]]が十円恵んでくれる。 そしてお金が手に入るミニゲームは、 ・&sizex(4){&font(b){[[サイコロ>ダイス(サイコロ)]]}} ・&sizex(4){&font(b){スロット}} ・&sizex(4){&font(b){坊主めくり}} ・&sizex(4){&font(b){ビッグオアスモール}} の4種。 #center(){&font(#0000ff){この時まる子に電流走る……!} &font(#ff0000){まる子「この4つのミニゲームを見て……すぐある予感が走った……。&br()この勝負運否天賦だ……おそらく愚図が堕ちていく……。勝つのは強運を持つもの……」} ([[CV>声優(職業)]]:萩原聖人)} そう。このゲームの本質、それは&font(#0000ff){カイジも真っ青のギャンブルゲー}である。 このゲームをクリアするためには、町の住人やまる子の祖父である[[友蔵>さくら友蔵]]と&bold(){ミニゲームという名のギャンブル}を繰り返し、 自らの強運のみを武器にしてお金を勝ち取り、生き残らなければならない。 もちろん「ギャンブル」の名の通り、プレイするには掛け金が必要となるので、負ければお金も少しずつ減っていく。 &bold(){なにがおかしいってゲーム中で明確に「かけごと」と称されていること。} これだけならたいした問題ではない。著しい運ゲーとはいえ根気があればクリアできそうなものである。 #center(){&font(#ff0000){が、駄目っ……!}} そんな考えのプレイヤーを待ち構えているのは、このゲームの難易度を更に倍、いやウン100倍プッシュする鬼畜仕様である。 #center{ |LEFT:BGCOLOR(black):&font(b,#ffffff){&br()&br()&sizex(7){お}&br()&br()&sizex(7){&font(#ff0000){母}}&br()&br()&sizex(7){さ}&br()&br()&sizex(7){ん、襲来    }}| } #center(){ &font(#ff0000){まる子「ひどい……! ひどすぎるっ……! こんな話があるかっ……!} &font(#ff0000){命からがら……やっとの思いで帰宅したのに……お母さんっ……! あいつがもぎ取ってしまった……!} &font(#ff0000){せっかくの……今までの苦労……費やした時間……すべてをっ……!」} (CV:[[藤原竜也]])} なんと、自宅に帰った際&font(#ff0000,b){ランダムで}[[お母さん]]が待ち構えていることがあり、出くわしてしまったが最後、&font(#ff0000){所持金全て}を取り上げられてしまう。 &bold(){しかも警告や兆候などの類は一切無く、家に入るまでいるかどうかが全く判らない、完全な運任せ仕様。} あの帝愛すら寒気を覚えるであろう、厳しすぎる取り立てである。 自宅では友蔵とのゲーム(勝てば1000円もらえる)が遊べるが、それが終わった時や、&bold(){メニューを開いて閉じた時に襲撃してくることすらある。} なおその際の台詞は常に一定。 自宅内のメニュー開閉で現れても&bold(){&font(#ffb6c1){「あんたどこ行ってたの?!」}}と言われるし、 所持金が僅か10円でも&bold(){&font(#ffb6c1){「あんたどーしたのそのお金!お母さんが預かってあげるからよこしなさい!」}}である。((元ネタはさくらももこが親戚から貰ったお年玉を貯金されたことからとも言われている。母は「将来必要な時に備えて」と言うが、成年後に行方を訊ねられた彼女は……。)) 貯金が無い場合、ここで&color(red){ゲームオーバー}。最初からやり直しとなる。 もちろん貯金の無い初帰宅の時に遭遇すれば、開始して即ゲームオーバーとなってしまう。 この時の&bold(){&font(#ff0000){「あんた おにだね……」}}というまる子のセリフが全てを物語っているだろう。 福引きで当てた景品を持っていれば所持金を奪われずに済むが、福引きなので手に入るかはこれまた運次第。 さらに、福引きをするには当然福引券が必要だが、そもそも福引券自体じゃんけん勝負に勝つとたまに貰える代物なので、 景品を手に入れるには、じゃんけん勝負と福引きという二重のハードルを越えなければならない。 &bold(){そしてここまで苦労して手に入れた景品でやり過ごしても、メニュー開閉をしたら再襲撃されてそれまでの苦労が水の泡と化すこともある。} スタッフはどれだけプレイヤーを運ゲーの極致へ挑ませようとしているのか……。 挙句には後半になるにつれ出現率が上がる((これはROMの問題もあるだろうが))鬼畜仕様。 ただし、&bold(){実はお母さん襲来フラグが立つ条件が存在しており}、それは&bold(){お財布と貯金の合計額が2000円を超えている状態で家に入る事}。((一度フラグが立つとその後は超えてなくても襲来するようになる。)) なので、2000円までの品物は上手く調整すればお母さん襲来を回避して進める事ができる。 しかし、そもそもとしてこの襲来条件は(当時のゲームでは珍しくもないが)ゲーム中ではもちろんノーヒントである。 また、後半になるほど出現率が上がるというのも、だいたいのプレイヤーが安い品から買い揃えていき、2000円以上の貯金を得るのが後半になるせいだろう。 このフラグを解明した人々はどれだけの賭博沼に浸かったことだろうか……&s(){その時間や根気をもっと有効に活かしてほしかった} なお、貯金には手を出されないので、それさえちゃんとしていれば致命的な被害は受けない……と思われた。 #center(){&font(#ff0000){まる子「貯金に手を出されることはない……! 今度こそ……!」} &font(purple){ナレーション「ギャンブルではこういう考え方が一番危ない」} &font(purple){「まさに地獄に直結する道」} &font(purple){「貯金に手を出されないという読みはまさに泥沼」} &font(purple){&bold(){「嵌まっている……! すでに泥中 首まで……!」}} (※CVは[[立木文彦>賭博黙示録カイジ]]、[[古谷徹>アカギ~闇に降り立った天才~]]、キートン山田、木村匡也をご自由にお選びください) #center(){&sizex(7){&font(Green){&bold(){丸 尾 君}}}} #center(){&sizex(7){&font(Green){&bold(){強☆襲}}}} &bold(){&font(#ff0000){まる子「お母さん…丸尾君…腐ってやがる…!お前らっ……!それでも人間かっ……!」}} (CV:[[櫻井孝宏]](パチンコ版))} このゲームは一度ギャンブ……ゲームをした相手とはすぐに再戦できない仕様になっており、再戦するには「[[たまちゃん>穂波たまえ]]」のカードを使う必要がある。 町中を駆けずり回って上手く金を巻き上……勝利を重ねたとしても、一周だけでは目標金額には到底届かないため、攻略には前述のカードが必要不可欠となる。 しかしこのカードは、攻略上必須アイテムと言えるのに、ミニゲーム「じゃんけん」で勝つと1/6で手に入るという徹頭徹尾超運ゲー仕様。 そのため、全然このカードを引けない場合は、最悪&bold(){詰み状態になってリセットするしかなくなる}場合も……。 さらに、「たまちゃん」以外には、 ・「まる子」 ・「おじいちゃん」 ・「おかあさん」 ・「[[丸尾君>丸尾末男]]」 のカードが存在し、「まる子」は上述の通り所持金の上限アップ、「おじいちゃん」と「おかあさん」は後述の「気力」上昇と有用。 福引券は前述の通りなのだが、「丸尾君」のカードは、引くと&bold(){&font(#ff0000){貯金が半額になってしまう}}凶悪なお邪魔カードである。&bold(){しかも1/5とは思えないほど遭遇率が高い。} ちなみに、入手できるカードは平然とダブる上、被った場合は複数所持など出来ずにそのままなくなってしまう、地味に嫌な仕様。 一応お母さん襲来は「突然現れた母がお金を預かるという名目で没収する」という演出があるが、&bold(){こちらはどういう理屈か一切不明。} ただ貯金箱に触れた瞬間&bold(){「お金が減っている!」}というメッセージが表示されるだけである。&s(){ぶっちゃけ丸尾君との関連性すらイマイチ分からない} カードの効果とはいえ、こんな汚れ役を担わされる丸尾君は災難((丸尾君は「永沢君を励ます会」を立ち上げるなど、行動にアレな面は多々あるものの、学級委員を務めるほど非常に真面目で成績優秀な少年で、他人の貯金に手を出すなんて真似はまずしないはずのキャラクターである。まる子にも「丸尾君はいつも一生懸命生きている」と評されているのに……。強いて適役を挙げるなら、何をしでかすかわからずあらゆる行動が読めない山田あたりが該当するだろうか……?))だが、それ以上に災難なのはもちろんプレイヤーである。 そもそも他のギャンブルを行う際には「気力」が1つ以上必要という仕様のため、&bold(){手っ取り早く気力を上げる方法はじゃんけんをするしかない}が、 &bold(){それによって丸尾君のカードとエンカウントする可能性がさらに上がる}という隙の無い仕様となっている。   一応対策手段はあり、それは&bold(){「丸尾君」のカードが発動するのは家の貯金箱に触れた瞬間}という仕様を利用するというもの。 つまり、「&bold(){丸尾君」のカードを引いてしまったらデパートに行って散財してしまえば被害は最小限に抑えられる}のだ。 しかし、後半になれば買える品物も減っていくので、数多のプレイヤーが鬼畜眼鏡に貯金をゴリゴリ削られていった。 &font(Green){丸尾君「[[そんな貯金額、修正してやる!ははっ!ズバリ、ざまぁないでしょう!抵抗しても無駄な稼ぎに終わるだけだって、なぜわからないのですか!>カミーユ・ビダン]]」} &font(#ff0000){まる子「やめないか!」} まとめると、 >+気力を貯めるためにじゃんけんをする     →&bold(){丸尾君襲来} >+再戦用にたまちゃん狙いでじゃんけんをする  →&bold(){丸尾君襲来} >+お母さん回避用の福引券狙いでじゃんけんをする→&bold(){丸尾君襲来} >+丸尾君回避を諦め没収されないことを祈る   →&bold(){お母さん襲来} の&bold(){グランドクロス}が完成する。 そして最後にこのゲームを超絶難易度に押し上げているのは、 #center(){&font(#ff0000){まる子「なんだっ……! このゲームはっ……! セーブできねえじゃねえかっ……! 通るかっ……! こんなもん……!」} (CV:[[矢尾一樹]](パチスロ版)) #center(){&sizex(7){&font(b,#ff0000){セ}}} #center(){&sizex(6){&font(b,#ff0000){|}}} #center(){&sizex(5){&font(b,#ff0000){ブ}}} #center(){&sizex(4){&font(b,#ff0000){不}}} #center(){&sizex(4){&font(b,#ff0000){可}}} } &u(){この超絶難易度でセーブすら許されない一発勝負。} "人生はセーブもリセットもできないもの &s(){そ〜んな〜の〜じょ〜うし〜き〜♪} なので大切にしてください"というメッセージなのか(こんな人生送る小学生などいないだろうが)、 あるいは技術不足でセーブ機能を搭載できなかったのかは不明だが、これによってクリアの難易度はさらに上がっている。 そして製作陣には手加減という名の&ruby(セーブ){Save}機能も無かったようだ。   この全方位において隙の無い運ゲーおよび[[クソゲー]]っぷりのせいで、誰が呼んだか&font(#0000ff){『GB版[[マインドシーカー]]』}&color(red){『賭博黙示録マルコ』}などという物騒な渾名が定着した。 後者の渾名については、『ちびまる子ちゃん』自体が、現在でこそ世間一般ではファミリーアニメとして認知こそされているが、 &bold(){まる子を含んだ登場人物が全体的にアクが強く、子供ゆえの無垢な行動が結果的に酷いことになったブラックな回((具体的には『まる子 おすし屋さんに行く』のエピソードなど。))も多々ある}ことと、 ギャンブルを繰り返すゲーム性が、この項目の至る所で使われている台詞や文章からも分かる通り『[[賭博黙示録カイジ]]』を連想させたことから、 本来ならば無関係のはずの本作(というより原作)と『カイジ』のイメージがプレイヤーたちの中で妙に合致し、定着したと思われる。 なお、『カイジ』の連載が始まったのはこのゲームの発売から6年後の1996年だった。人気シリーズになった『カイジ』だが、もしかして本作は時代を先取りしていた……? なお、エンディングはというと……。 #blockquote(){&font(b,#ff0000){まる子「ばんざーい!! まさか ほしいもの ぜんぶが てに はいるとはねえ」} &font(b,#ff0000){まる子「まるこだって やればできるってことがわかったよ にんげん がんばってみるもんだねえ」} &font(b,#ff0000){まる子「うれしいねぇ あたしゃ こんな ぜいたくは はなわくんの うちにでも うまれなきゃ」} &font(b,#ff0000){まる子「いっしょう できないもんだと おもっていたからねえ」} &font(b,#ff0000){まる子「ばんざーい ばんざーい」}} &bold(){以 上 で あ る 。} すぐにタイトル画面に戻るので&s(){戦犯リスト}スタッフロールも流れない。 ''余韻もクソもねえ(´・ω・`)'' 他にも『ちびまる子ちゃん』のゲームはいくつかリリースされたが、そのいずれもコレを超えていない。売り上げでも酷さでも。 尤も、前者はともかく&bold(){後者は超えられたらたまったものではない}ので、良かったと言えなくもない。 本作が希代のクソゲーになっただけのことで、後発タイトルは[[こちら>ちびまる子ちゃん めざせ!南のアイランド!!]]を始めとしていずれも普通に遊べる内容であり、 『ちびまる子ちゃん』のゲーム全てが[[地雷]]というわけではないので安心しよう。&s(){むしろ、本作の悪評のせいで後発のゲームに風評被害が及んでいる一面も否定できない} *◆そして、時は流れて◆ ……2021年、原作の舞台となる『昭和』はおろか、ゲームが発売された『平成』も過ぎ去った令和の世。 この全方位クソゲーに&font(l){途中で吐きそうになりながらも}果敢に立ち向かった &font(l){狂人} 有志であり勇者達の手により、とある攻略法が編み出された((なお、攻略した有志のうち、多くがクリア後に体調を崩した模様。それほどまでに本作の攻略は過酷なのである))。 それは、 #center(){&font(#ff0000){まる子「人は人を救わない……なぜなら……人は人を救わなくても……その心が痛まないからっ……!} &font(#ff0000){なら……期待するなっ……!他人に……!} &bold(){&font(#ff0000){自分だっ……! 自分……!自分を救うのは……自分だけ……!」}} (CV:[[小西克幸]](ポーカーチェイス版))} #center(){&sizex(7){&bold(){賽    銭}}} #center(){&sizex(7){&bold(){泥    棒}}} ……もちろん良い子の&font(l){(?)}我らがまるちゃんが本当にそんなことをしでかしているわけではない。 正確には、あくまで&bold(){「そう見える行動を取ると所持金が増える」}というだけであるので安心してほしい。 ともかく詳しく説明すると、神社にて&font(l){お賽銭を納めずに}[[神]]頼みを繰り返すとたまに10円を入手することがある。 賽銭箱の近くで拾えるからには、恐らくはそこから外れて落ちたお金だろう。 だが、無限に拾えるので&bold(){どう見ても賽銭箱からネコババしている}ようにしか見えないのだ。 &u(){&bold(){断っておくが、よしんば賽銭箱の外に落ちていたものだったとしても、落ちているお金をネコババした時点で立派な犯罪である。「子供のやったことだから」では済まされない。}} で、これを何度か繰り返して50円まで貯めたら、神社の近くにある駄菓子屋でお菓子を買い「気力」を2つ増やせる。 これにより、じゃんけんで「丸尾君」カードとエンカウントする確率を極力下げつつ、 「気力が高ければ高いほどミニゲームでの賞金が増える」仕様を利用してお金を稼ぎやすくする、という一石二鳥の攻略法が成立したのである。 まあ、焼石を握った時点で大火傷していることには変わらないが。 #center(){\ノーカン!ノーカン!/&br()&font(#ff0000){回 る チ ン チ ロ リ ン}} あん、追記・修正してよん、イケズ。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,163) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }

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