デ・リーパー(デジモンテイマーズ)

登録日:2011/10/20 Thu 20:14:14
更新日:2023/12/12 Tue 22:23:17
所要時間:約 7 分で読めます




『デ・リーパー』はデジタルモンスター(アニメ『デジモンテイマーズ』)に登場するキャラクター。
正しくは、不良データ消去アプリケーションである。


【概要】

元々はデジモンやデジノーム誕生より以前に作成された原始的なプログラム。
そのためデジモンのように感情を持たない。

ただ、あるとき原因不明の異常進化を起こし
『デ・リーパーの存在する世界で、その世界の容量(メモリ)を越えた活動体が存在する場合に全てを「消去」し、世界を「無」にする』
という挙動を見せるようになった。

【作中でのデ・リーパー】

当初はデジタルワールドの最奥部(最外部)、四聖獣の領域よりも深い場所で活動せず、存在だけしていた。

近年の情報化社会に伴い、大量の情報がデジタルワールドに送られた事によりデジモン達は絶対数を増やし、進化と退化を繰り返した。
それによりデ・リーパーは刺激され目覚めることとなった。
触れたもののデータを消去するという能力を持つデ・リーパーはまさしく、全デジモンの天敵 と言って差し支え無いだろう。
デジタルワールドでは赤い泡状の形を取り、デジモンやデジタルワールドを消去していった(抑えに行った四聖獣のバイフーモンはグロッキー状態に…)。
そして数日でデジタルワールドの半分を消去し、四聖獣のスーツェーモンをも撃墜した。

現実世界へは、パートナーだったデジモン界の歩く死亡フラグを喪ったことで実母を亡くしたトラウマを刺激され、PTSDを発症した樹莉の心をスキャンし、その樹莉を通して侵攻してきた*1
そしてデータではない「生命体」を排除するため、デジタルワールドで消去したデジモンのデータから有線端末、“Agent(エージェント) D-Reaper(デ・リーパー)”(以降ADR)を作り出した。

赤い泡状のデ・リーパーゾーンで都市を包み*2、そこからADRを送り込む。
ゾーン内部は光ファイバーや電線や様々な機器を取り込んでいるため外部よりやや高温。
また、分厚い装甲のセントガルゴモンや特殊な力を持つマリンエンジェモン等でないとゾーン内の力に耐えられない。

元々プログラム的な存在なのでデジモンの力では対抗できても根絶することは出来ない。
中級クラスのADRでさえ完全体クラスのデジモンが歯が立たず、最上級クラスだとロイヤルナイツクラスの究極体をも圧倒するほどであり、天敵と言って相応しい相手。
最も有効な弱点は、ADRは本体に繋がるケーブルを切られると機能停止してしまうこと。
もっとも、上級のADRはケーブルを切らせる隙を見せることもないので、狙うのは至難の業。
当然、不定形のデ・リーパー本体には通用しない攻撃手段である。

……テイマーズとの攻防の末、東京のほとんどを飲み込んだデ・リーパーだったが、デジモン達とテイマーズ、そして大人達との連携によって成しえた“オペレーション・ドゥードゥルバグ”(“doodlebug(ドゥードゥルバグ)”とは「アリジゴク」の意味)によって初期化され、再び眠りにつかせることに成功した。
しかしその代償としてパートナーデジモン達もその影響で退化したため、退化しきる前にデジタルワールドに戻さざるを得なくなってしまった。

設定からある程度推察できると思うが、こいつらは「デジモン」が「デジモンというデータ存在」である限り完全な勝利は不可能な相手。
『データの破壊』『ウィルス』などの次元の存在ではなく、いわば『rmコマンド』などが意思を持った、シリーズでも間違いなく最も異質な敵と言えるだろう。
設定的にテイマーズ世界でしか出す余地がないのか、以降の作品やゲームでもほぼ扱われていないのがそれを裏付ける。


【エージェントとデ・リーパー】

デジモンではないため、世代、タイプ、属性は本来持たない。
※カードゲームなどでは、便宜上付与されている。

◆Agent D-Reaper-01 = “JURI(ジュリ)”◆

世代 究極体クラス
タイプ 諜報タイプ
属性 なし
必殺技 α崩壊弾
得意技 マインドスキャン
相手の思考を読み取る(スターモンの技)。
人間の思考を解析し、完全にコピーした諜報タイプのエージェント。
様々な姿を持ち、また、敵を催眠術にかけ、思考操作を得意とする。

PTSDを発症し、心を失いかけていた樹莉をサンプリングして最初に出現したADR。
樹莉に似た姿以外にも幾つかバリエーションが存在する。
樹莉の姿から遠ざかるほど不気味さが消えていく…


◆Agent D-Reaper-02 = “Searcher(サーチャー)”◆

世代 成熟期クラス
タイプ 情報収集タイプ
属性 なし
必殺技 獄門蝶の羽音
得意技 ジャミングヘルツ
聴覚を麻痺させる音波を放つ(サーチモンの技)。
小型飛行情報収集エージェント。
戦闘能力は低いが情報収集能力は高い。
ADRの中でも数が多く、常に集団で行動する。


◆Agent D-Reaper-03 = “Pendulum Feet(ペンデュラムフィート)”◆

世代 完全体クラス
タイプ 対空攻撃タイプ
属性 なし
必殺技 鳳仙花
得意技 シャドウシックル
鎌を使用して超音速で敵を切り裂く(スナイモンの技)。
対空戦闘型エージェント。
浮遊する子機を使った遠隔攻撃を得意とし、その動きは素早い。

劇中ではデジモン達の技をコピーし、アトミックブラスターやホーミングミサイル、タオモンの障壁などを使用した。


◆Agent D-Reaper-04 = “Bubbles(バブルス)”◆

世代 成熟期クラス
タイプ 対地戦闘タイプ
属性 なし
必殺技 35mmα崩壊速射砲
得意技 エネルギーボム
エネルギー弾を撃ち出す(メタルマメモンの技)。
対地戦闘型エージェント。
ADR-02と同様に常に集団で行動し、あらゆる場所で出現した。
4本の腕が波動銃になっている。


◆Agent D-Reaper-05 = “Creep Hands(クリープハンズ)”◆

世代 完全体クラス
タイプ 戦闘タイプ
属性 なし
必殺技 螺旋の鞭腕(べんわん)
得意技 スクイーズバイン
伸縮自在の腕で敵を絞めつける(ザッソーモンの技)。
中型の格闘型エージェント。
凄まじい腕力を持つ腕を使用して移動、螺旋状の伸び縮みする腕で敵を攻撃する。


◆Agent D-Reaper-06 = “Horn Striker(ホーンストライカー)”◆

世代 究極体クラス
タイプ 武将タイプ
属性 なし
必殺技 円月蹴り
円月を描くような蹴り(ワーガルルモンの技)。
得意技 ボールディブロー
連続でボディブローを繰り出す(ワーガルルモンの技)。
中型の格闘型エージェント。
ADR-05と同様に格闘戦を得意とする圧倒的なパワータイプ。

作中ではジャスティモンと戦闘。
その際テイマーズの誰一人として

「ケーブルを切れば止まる」

と、遼に教えなかった ため、噛ませのハズがジャスティモンといい勝負してしまった。
(最終的にはアンティラモンが押さえている間に、ジャスティモンがケーブルを切断した)


◆Agent D-Reaper-07 = “Paratice Head(パラティスヘッド)”◆

世代 究極体クラス
タイプ 威力偵察タイプ
属性 なし
必殺技 虚撃の口弾
得意技 メビウスバイト
グリフォモンの技)
大型の威力偵察型エージェント。
無数の口で埋め尽くされた頭部、と同様に無数の口がついたピンクの巨体を持つ不気味な姿。
その体と大きな腕などで予想不可能な攻撃を行う。

戦闘能力と分析能力が高いため、ADR-02の強化版とも言える。
ADR-02が集団で中距離からの索敵・情報収集を主任務とするなら、
こちらは場合によっては交戦も行い威力偵察を行う任務を持っていると考えられる。


◆Agent D-Reaper-08 = “Optimizer(オプティマイザー)”◆

世代 究極体クラス
タイプ 母船タイプ
属性 なし
必殺技 46cmα崩壊砲
得意技 ミョルニルサンダー
強力な電撃を放つ(パロットモンの技)。
大型の母船型エージェント。
体内で下級ADRを生み出すことが可能。
巨体に似合わぬスピードで飛行ができる。
戦闘能力は高いとは言い難いが、体内から半端ではない量の下級ADR(主にADR-03)を解き放つ。

テイマーズの中で一番の巨体を誇るセントガルゴモンより大きい。


◆Agent D-Reaper-09 = “Gate Keeper(ゲートキーパー)”◆

世代 究極体クラス
タイプ 拠点防衛タイプ
属性 なし
必殺技 アクティブウィング
得意技 35mmα崩壊速射砲
大型の拠点防衛型エージェント。
D-Reaper Ball(デ・リーパーボール)”と呼称されることも。
デ・リーパーの中核“カーネルスフィア”を防衛することが目的。
非常に堅いシールドを張り、輪(ウィング)で強力で多彩な攻撃を行う。

作中において、そのシールドはファイナル・エリシオンとデススリンガーの同時展開にも耐え、カオスフレアの連射にも耐えた。
だが、最終的にはグラニのユゴスブラスターによって体の一部諸共破壊された。

また、目から光線を放つこともできる。
それにより、ベルゼブモンBMの陽電子砲を破壊し、ベレンヘーナも弾き飛ばした。
そして、ベルゼブモンBMの武器は“拳”のみとなった…

ウィングの破壊力も凄まじく、デュークモンに幾度もダメージを与え、ベルゼブモンBMの身体をボロボロにした(そしてそのまま退場)
上記二体は小柄ではあるが、直撃を受ければ究極体のデジモンと言えどひとたまりもないという威力を誇る。

バリアが突破されても、攻撃力が衰えることはないため、バリアを破ったベルゼブモンBMを撃墜し、そのまま退場に追い込んだ。


◆Mother D-Reaper◆

世代 究極体クラス
タイプ 能力統合タイプ
属性 なし
必殺技 錆滅(しょうめつ)の波動
得意技 175mmα崩壊弾
デ・リーパーが人間とデジモンの意識、さらに都市をも取り込み統合した姿。
“母なる死神”と呼ばれ、体はコード・光ファイバー・電線で形成されている。
ADRの力を増幅させる。
巨大で、全長はADR-08をも超える(およそ数百m)

“カーネルスフィア”を包むように都庁ごと取り込み出現し、無言の圧力を発しながらゾーンに鎮座していた。
サクヤモンはそれを見て「女神像」と形容。


◆Reaper◆

世代 超究極体クラス
タイプ 能力統合タイプ
属性 なし
必殺技 死神の鎌
得意技 α崩壊弾
全てのADRを統合して誕生したデ・リーパーの究極の最終形態。
Reaper(死神)の名のとおり、光ケーブルで構成された巨体の先についた“死神の鎌”ですべてを破壊する。
さらに再生能力も持ち合わせており、縦に真っ二つにされても分かたれた左右が結合することですぐさま復活した


【余談】

後にシリーズ構成の小中千昭氏が語ったところによると、
デ・リーパー(D-Reaper)という名前の由来は「Delete」「Reaper」で『消去する死神』の意味合いで名付けられている。

基は不整合ファイルを消去する単純なAIプログラムでしかないデ・リーパーを、高度に進化させた要因は小中氏としても謎(仮説はある)。
宇宙由来ではない……とも言い切れないらしい。

シリーズの最終敵を単なる「悪いデジモン」ではない「それまでの規模を越える強大な敵」にするために発案された存在であるとのこと。

この他、
「デ・リーパー編がホラー的な描写としているのは事実で、単に暴虐な敵ではない新しいものを描きたかった」
「あまり好きな言葉ではないが、年少の視聴者にトラウマ的に「刺さった」なら本意だったし「申し訳ない」と謝るしかない」
とも語っている。

因みに、小中氏のサイトなら資料的な画像やその他設定も見ることが可能。
引用、転載不可なので気になった方はそちらへ。


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最終更新:2023年12月12日 22:23

*1 設定としては地下インフラのケーブルを依代に実体化している。

*2 当初の予定では都庁を破壊し物質的に出現する予定だったが9.11の影響で変更された