ベルセルク

登録日:2009/06/20 Sat 21:50:52
更新日:2024/04/04 Thu 20:31:02
所要時間:約 6 分で読めます





ベルセルクとは…

北欧神話に登場する戦士達の名前。「熊の毛皮を着る者」の意。
戦闘時には熊に変化し敵味方関係無く葬ると称え畏れられた。英語読みでバーサーカー、狂戦士と訳される。
影技ではバーセルクと読む。ちょっと無理ないかい?




それは 剣と言うには
  あまりにも大きすぎた
大きく ぶ厚く 重く
  そして大雑把すぎた

それは正に 鉄塊だった

三浦建太郎による漫画。
1989年よりヤングアニマルにて連載中。
単行本は現在42巻まで発売、累計発行部数は約2400万部。海外翻訳もされており海外発行部数は約700万部である。

連載を追うごとに劇的に向上する画力・その緻密な書き込みと重厚な画にマッチする複雑な世界観・各キャラクターの内面とその闇・回を重ねるごとに広がる謎が読者を引きつけている人気漫画。
だがストーリーは拡大していくばかりで収束する気配がなく、さらにその緻密すぎる作画(例:1つの見開きを画くだけで1日費やす)や作者の疲労が原因で年に一桁程度しか掲載されないため、進行速度が非常に遅くなっている。

そのため、『HUNTER×HUNTER』や『BASTARD』、『ガラスの仮面』などと並んでファンから完結が危ぶまれていたが、
2021年5月20日、作者の三浦建太郎が同年5月6日に他界した事が発表された。
一時はそのまま未完に終わると見られていたが、翌年2022年6月から三浦氏が生前話していたストーリー構造やメモを元に連載再開することが発表された。
作画は三浦氏の弟子たちが所属するスタジオ我画、監修を三浦氏の古くからの親友で、最終回までの構想を聞かされていた漫画家の森恒二氏が務める。*1

メディアミックスの際、主題歌および劇中歌には平沢進が必ずといって良いほど起用される。
TVアニメ第一期では劇伴も担当していた。


第13巻は伝説の鬱巻(後述)。


【本当に簡単なあらすじ】
使徒と呼ばれる人外の化け物がはびこる世界で、大剣を担いだ主人公ガッツは妖精のパックと出会う。
彼はグリフィスという男を殺す旅をしていた………


【登場人物】
主人公。右目と左腕を失った全身傷だらけの隻眼隻腕の剣士。
身の丈を超えるほどの巨大な剣を使いこなし、黒髪黒目に黒い胴当て黒いズボン黒いマントと全身黒づくめ。
その凄まじいまでの強さと黒ずくめの風貌から『黒い剣士』の異名を持つ。
首筋に「生贄の烙印」を刻まれたことによって悪霊・妖魔が蠢く「狭間の世界」を生きる。
失った左手は大砲手回し式ボウガンを仕込んだ鋼鉄の義手になっており、他にも投げナイフや炸裂弾など様々な武器を隠し持っている。
一章(1〜3巻)の言動はおよそ主人公のものとは思えないものだが、それにはガッツの過去が関係していた。

  • グリフィス
もう一人の主人公。
かつてのガッツの親友。
平民の生まれでありながら一国の王になる夢を持つ。
傭兵団『鷹の団』の隊長であり美しい顔立ちをしており際立ったカリスマ性を持つ。
赤い人面石『ベヘリット』を持っているが、それが意味するものは……

  • キャスカ
ヒロイン。鷹の団古参の一人であり、グリフィスに対し崇拝に近い信頼を寄せている。
ガッツの入団当初彼に反発し嫉妬を抱いていたが、共に戦地をくぐり抜けていくうちに彼のことを認めていく。しかし……

  • パック
妖精(エルフ)。多分男。いや男の娘?その鱗粉には治癒能力があり、共に旅をするガッツを助けている。栗の精(自称)
巻を追う毎にギャグキャラ化。多分本作最大の癒やし要素。

  • ファルネーゼ
信仰心の強いお嬢様。
ガッツを捕らえようとしていたが、実際に魔と戦うガッツに触れガッツと共に旅をすることになった。
最初エロチックだったが次第に柔和に。

  • セルピコ
ファルネーゼの付き人の男で剣の達人。お嬢様命。色んな意味でキツネ。過去のトラウマからが苦手。

「最強剣士」を目指す少年。ガッツに憧れている。窃盗を働いていた時ガッツ達と出会い、共に旅をすることに。

  • シールケ
魔女っ子でようじょだが結構な戦力である。
優等生気質な面を持っていたが、旅をするごとに次第に柔和に。
ガッツに淡い感情を抱いている。

  • イバレラ
シールケお付きの妖精。
やたらにシールケを彼女のガッツに対する感情をダシに弄り回し、楽しんでいる。
パックは正直あまり好きではないらしい。

不死の異名を持つ使徒。もさもさなでっかいおっさん。武装はでっかいにでっかいにでっかい斬馬刀とその体に合わせとにかくでっかい。
真に強い敵に出会うことを求め、300年に渡り戦場に現れては殺戮を繰り返し、いつしか不死(ノスフェラトゥ)の二つ名で伝説にまでなった武人。
使徒になると隆々とした筋肉に蝙蝠の翼、大きな角を持った巨大な黒獅子といった風貌になる。

【用語】
  • ミッドランド
本作の主な舞台である大陸中央部の王国。
かつてガッツが所属していた鷹の団の活動拠点でもあった地。

  • 使徒
後述の「降魔の儀」によって人間の心と体を捨て、異形の魔物へと転生した「超越者」。本作の主な敵。
彼らを律するのは「己が望むままのことをせよ」というただ一つの戒律のみであり、多くの使徒はそれに従って人間を食い散らかしたり領地に圧制を強いたりといった欲望の限りを尽くしている。
また使徒の能力によって怪物へと変貌させられた人間も存在し、それらは「使徒もどき」と呼ばれる。戦闘能力は純正の使徒には劣るが、それでも通常の人間にとっては脅威そのもの。
姿に関しては千差万別で、猿や蛇、蛾などの動物を模したものから、嵐や炎などの自然現象そのものまで様々。
ちなみにどのような姿の使徒になるか自体は予め決まっているらしく、ゴッド・ハンドのユービックはそれを「その者の本来あるべき姿」と表現している。

  • ベヘリット
使徒の転生の鍵となる卵型の物体。目や鼻といった顔のパーツが福笑いの様に出鱈目に散らばった形をしている。
因果律、即ち運命によって所有者を決めており、他者が手に入れてもいずれ勝手に離れてゆくが、逆に選ばれた所有者が手放しても必ずその手元に戻ってくるという。
そして所有者が深い絶望と渇望を感じた際に異空間への扉を開き、ゴッド・ハンドを召喚する。
その時に行われる儀式こそが「降魔の儀」であり、所有者は家族や恋人などの「その者にとって最も大切な存在」を生贄に捧げる事で使徒へと転生する。
ちなみにこの工程はゴッド・ハンドのスラン曰く「己の人間性を断ち切る」意味があるらしい。
そして216年に一度出現する真紅のベヘリットは「覇王の卵」と呼ばれ、使徒達によって繰り広げられる狂乱と殺戮の宴「蝕」により所有者を新たなゴッド・ハンドへ転生させる。

  • 生贄の烙印
降魔の儀に選ばれた生贄の身体に刻まれる、歪な十字架のような印。
この烙印を刻まれた者は儀式に参加した使徒にその場で食い殺され、その肉体と命、そして断末魔までもが使徒への転生の為の養分として捧げられる。
仮に儀式から生きて逃れたとしても烙印は一生消えず、その後も夜毎に魔物や悪霊に付け狙われながら生きる運命を余儀なくされる。
ガッツが他人との交流を避けたがるのもまさにそれが理由であり、自分を狙って寄ってきた悪霊に他の人が襲われないようにするため。
なお使徒や人外が接近すると激痛と共に出血する性質があり、その存在の大きさに伴い痛みもより強くなる。ガッツはそれを逆手に取って使徒狩りに利用している。

  • ゴッド・ハンド
使徒の長とでも言うべき超存在であり、降魔の儀の進行役。「守護天使」と呼ばれる事も。
「降魔の儀によって人間から転生する」という意味では使徒と同等だが、その力は比べ物にならないほど強大。また使徒に対し絶対的な優位性を有し、使徒は本能的に彼らに逆らう事が出来ない。
しかしあまりにも力が強すぎるため通常現世に顕現する事は出来ず、異空間を通じて出現するか、もしくは何かしらの方法で仮初肉体を得る必要がある。
神の手という通称の通りメンバーの定員は五人で、本編でのメンバーはボイド、スラン、ユービック、コンラッド、そしてグリフィスが転生したフェムト。

ネタバレ






物語は第3〜14巻で一旦過去に飛ぶ。
生まれてからずっと孤独であったガッツは鷹の団で次第に自分の居場所を見つける。
親友のグリフィス、戦地を共にくぐりぬけた戦友・部下、そしてキャスカという恋人を手に入れる。








が、






第13巻で、再起不能となった親友のグリフィスが自分の夢のために鷹の団団員を生け贄に捧げる
→戦友・部下がガッツの目の前で魔物に殺されていく
→恋人のキャスカが目の前で親友のグリフィスに犯されるのを見せつけられる
→それに否応ながら反応してしまうキャスカ
→拘束された自分の左腕を切り落として抵抗するが何もできないガッツ
さらに第14巻ではキャスカの人格が崩壊し、記憶喪失になってしまう。

漫画界屈指の絶望展開である。


ガッツの鷹の団時代のエピソード「黄金時代編」をベースに「剣風伝奇ベルセルク」のタイトルで1997年にアニメ化もされたが、グリフィスによるキャスカの陵辱シーンもばっちり再現されていた。
放送時間が深夜だったとは言え一般向け作品であのシーンをやるとは……。ちなみに実質的には黄金時代編のアニメ化である都合上、よりによって蝕が最終回となった。
一応第1話でガッツが復讐の剣士として健在の様子を描いた上での回想という形ではあるが…。

2012年には三部作構成で劇場アニメ化もされた。こちらも黄金時代編ベースだが、エログロシーンもバッチリ余すことなく描写されており、回を重ねる度に対象指定が厳しくなっていった。

2022年にはこの劇場版をメモリアルエディションと称して再編集されたバージョンがテレビ放映された。流石にエログロシーンは規制されている。

2016年秋から2017年春には分割2クール構成で「黒い剣士編」と「断罪編」「千年帝国の鷹編」をベースにした待望の第2期が放映された。
ただし尺の都合もあってか圧縮された展開が多く「断罪編 ロスト・チルドレンの章」に至っては丸ごとカットされている。
映像としては3DCGモデルと手描きアニメを両立させた表現となっている。

ゲーム版がドリームキャストとPS2からそれぞれ一本ずつ発売。
アニメ版と同じキャスト、原作者監修による漫画本編の空白を補うエピソードを描いており、ファンからの評価も悪くない。
DC版に登場したマンドラゴラは原作にも出演した。(作者コメントでもDC版と繋がっていると明言されている)






GOD EATER BURSTに登場する装備。カテゴリーは制御パーツ。
バースト時に剣の攻撃力が大幅に上昇するかわりに、被ダメージも大幅増加するという、非常にピーキーな装備である。言うなれば剣版トリガーハッピー
リスクは当然大きいが、火力の大幅強強化か可能。しかもゲームシステム上戦闘不能になることへのデメリットが小さい(リンクエイドで繰り返し復活できる)ため、かなり強力。
しかもスキル「全力攻撃(攻撃力が上昇するかわりに攻撃時スタミナを消費)」と「剣の達人(弱点部位へのダメージが増加し、耐性部位へのダメージが低下)」との併用が可能で、合わせて使いこなせばさらに火力が跳ね上がる。
上記スキル構成はもっぱらタイムアタック用として使われ、大幅なタイム短縮を可能にする。まぁ被弾せず正確に弱点を狙い続けられればの話だが。
ちなみに制御パーツと同じようなスキルが付与される「ベルセルクの血脈」という強化パーツも存在する。こちらはさらにガード速度低下、ガード被ダメージ増加もつくためさらにピーキー。






Gears of Warに登場する敵

視覚が閉ざされており、聴覚と嗅覚で獲物を探して探知した獲物(味方含む)目掛けてひたすら突っ込む
通常兵器は通じず、大抵は衛星から砲撃するドーンハンマーで彼女を倒す事になる。作中1の初見殺し。触れたら死ぬ

「アーニャ!今すぐドーンハンマーを使う!!」
『駄目よ!ネーマシストがこんなに居てはとても無理だわ!!』
「わかった、じゃあプランBで行こう。…プランBは何だ?」
「あ?ねぇよ、そんなもん」

ちなみにプランB?は列車を脱線させ列車ごとぐしゃぐしゃに、さらにはそれが失敗したときはプランC?があるのだがそれは自分の目で確かめてくれ!



追記・修正よろしくお願いします。

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最終更新:2024年04月04日 20:31

*1 うろ覚えのエピソードや語られていないエピソードなど、余計な肉付けはしないと語っている。