ジム改/パワード・ジム

登録日:2012/04/11(水) 10:31:11
更新日:2024/04/18 Thu 08:01:44
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ジム改及びパワード・ジムとは、ガンダムシリーズに登場するモビルスーツ(以下MS)。
いずれも地球連邦軍ジム系列の機体である。




ジム改

GM type C

型式番号:RGM-79C
所属:地球連邦軍
   ティターンズ
   アナハイム・エレクトロニクス社
生産形態:量産機
頭頂高:18.0m
本体重量:41.2t
全備重量:58.8t
出力:1,250kw
推力:12,500×4
    1,870×4
総推量:57,480kg
センサー有効半径:6,000m
装甲材質:チタン合金セラミック複合材

《武装》
60mmバルカン砲×2
ビームスプレーガン
90mmブルパップ・マシンガン
ジム・ライフル
ロングライフル
ガンダム用ビームライフル
ハイパーバズーカ
ビームサーベル
シールド

《主なパイロット》
サウス・バニング
アルファ・A・ベイト
ベルナルド・モンシア
チャップ・アデル
カレント
ホーク・ロイザー
マックス・ブロア
カムナ・タチバナ
シャーリー・ラムゼイ
パミル・マクダミル



地球連邦軍の主力であるRGM-79 ジムの改良型。
ルナツーで密かに開発されていた初期型ジムをベースに、稼働して間もないRX-78-2ガンダムの実働データを(強引に)入手・参考にすることで開発されたのが「ジム後期生産型であり、その後期型ジムを若干仕様変更した「戦後仕様」としてマイナーチェンジした機体がジム改。
言わば、“量産型ガンダム”としての完成形に位置する機体である。

基本的な性能は後期型ジムに準ずるが、頭部の内装にはD型やG型の構造も取り入れられている。
これは本機の開発目的が単純に性能を追求したものではなく、乱立していたジム系の規格や生産の規格指標となるべく、戦後を見据えて開発されたリファレンス機であった為。
一年戦争後のMS運用の確立と開発にジム改は大きく貢献しており、実際に「ガンダム開発計画」や後継機のジムⅡは本機を基準として開発されている。
また本機をベースとした実験機も幾つか存在する。


本格的な量産は一年戦争終結後からだが、戦争末期には量産試作機が完成しており、ア・バオア・クー攻略戦になどに実戦投入されている。

一年戦争中は主にエースパイロットや生還率の高い部隊に優先的に配備された。
かの“不死身の第4小隊”が一年戦争時に搭乗したMSも、このジム改(とジム・キャノン)であったとされる。

主に一年戦争終盤からデラーズ紛争集結後にかけて連邦軍の主力MSとして活躍、ジムⅡの配備が開始されるまで第一線で活動し続けた。
その後も新鋭機の配備が間に合わない(あるいは必要がない)地区や、アナハイム社などに引き続き配備されたようで、U.C.0080年代後期から0090年代初頭にも民間企業での護衛機や小規模な基地で運用されている様子が描かれている。


なお、悪名高い“30バンチ事件”の際にはティターンズカラーの機体も確認されている。



主な武装

  • 60mmバルカン砲
連邦系MSに広く採用されている頭部バルカン砲は本機にも健在。
ジム改は従来機に比べて装弾数が増加されている。

説明不要のビーム剣。
初代ジム同様、バックパックの左上部に装備している。
『クライマックスU.C.』の主人公カムナ・タチバナ大尉の機体のみ指揮官用を示す2本差しをしている。


  • ビームスプレーガン
    型式番号:BOWA BR-M-79C-3
拳銃型ビーム兵器。遠距離では威力が大幅に減退するが、近~中距離では十分な威力を発揮する。
ちなみに本品は一年戦争末期から配備された改良型のC-3型。最初期のジムが用いていたC-1型より小型だが、センサーの追加等により命中精度、射程、威力が向上している。


カムナ機がデラーズ紛争の際に用いた物は、所謂ガンダムのビームライフル(BRASH XBR-M79-07G)。
これ以外にもジムⅡ等の連邦系量産機で広く使用されているBR-S-85-C2型は勿論の事、ガンキャノンのXBR-M-79a型も使用可能。
変わったものではT3実験部隊などで使用していたEパック型のBR-S-85-C2(ただしEパックは1つ)がある。


  • 90mmブルパップ・マシンガン
    型式番号:HWF-GMG・MG79-90mm
ホリフィールド・ファクトリー・ウエポンズ製の、通称「ジム・マシンガン」。
システム・ウエポン構造を採用していて、部品交換によって容易に下記のロング・ライフルやジム・ライフルに組み換えられる。
ヤシマ重工製の100mmマシンガンよりも口径が小さいが、新型炸薬の採用によって初速が増し、ジオン軍のMSにも十分な貫通力を発揮した。

90mm口径弾は連邦陸軍の標準だった為、戦後の規格統一を生き延び、一年戦争中からグリプス戦役頃にかけてビーム兵器の使用が躊躇われるコロニー駐留部隊やビームの威力が減衰し易い地上の部隊に配備された。


  • ジム・ライフル
    型式番号:HWF-GR・MR82-90mm
戦後に開発されたジム・マシンガンの改良型。
こちらはU.C.0096年代にも使用が確認されており、息が長かった模様。


  • ロング・ライフル(ロングバレル・ライフル)
    型式番号:HWF-GR・MLR79-90mm
こちらもジム・マシンガンの構造を応用した改良型。
ビーム兵器が幅を利かせた戦後においても優秀な狙撃性能を発揮したライフルで、ジム・スナイパーⅡなどは戦後に初段命中率95%を叩き出したという。
ビームが扱いづらい荒天時にも安定した狙撃が可能な為、ティターンズ等の特殊部隊は主にこのライフルを用いたとされる。


  • ハイパーバズーカ
    型式番号:BLASH HB-L-03/N-STD(前期型) / BLASH HB-L-07/N-STD(後期型)
03型はガンダムやジム用と同じ物。
口径380mmとMS用実弾火器としては最大級だが、装弾数は5発と少なく、取り回しや弾速にも難がある。

07型は戦後に開発されたタイプで、口径が360mmに減じているものの、センサーの追加と弾倉がカートリッジ式になって継戦能力が向上した。
こちらはパワード・ジムやガンダムMk-Ⅱも使用している。


  • 対MS戦用シールド改
    型式番号:FADEGEL RGM-M-Sh-007
旧来のジムのシールド(FADEGEL RGM-M-Sh-003)の改良型。
見た目はいつもの角形シールドだが十字マークが省略され、マウントラッチが可動式になり、裏側にウェポンラッチが設けられた。
運用性は向上したが、材質がルナ・チタニウムからチタンセラミック複合材にダウングレードされている。


  • ビームガン
装備例が『MS IGLOO』のみというレア武器。
陸戦型ガンダム等が扱うXBR-M-79E型ビームライフルの銃身を切り詰め、フォアグリップを廃してショートバレル化したもの。
配備されたのは一年戦争の末期も末期だったが、出力は高かった模様。


  • その他
連邦軍規格の装備は概ね使用可能。
アナハイム社仕様機などはネモのシールド等を装備している為、同社の規格に合わせて改良されている可能性も考えられる。



主な活躍

映像作品では『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場。
従来通り赤白の制式カラーの機体と、デザートカラーのトリントン基地仕様が登場した。
信頼性の高さ故か宇宙・地上共に実弾のマシンガンを装備し、十字マークの無いシールド改を携えている。

ただ、モブパイロットばかりが乗るこの機体に活躍の余地はなかった。
しかしサウス・バニング大尉の機体はザメル相手に奮戦し、相討ちに近い形で撃破しているので全く見せ場が無い訳ではなかった。


漫画版の『クライマックスU.C.』ではなんと主人公であるカムナ・タチバナとその仲間の乗機の一つとして登場。つまりは主人公機として抜擢されたのである。
しかもカムナ機は、『ギレンの野望』シリーズの指揮官用ジムの様にビームサーベル2本差し、オマケに武器はガンダム用ビームライフルという大判振る舞いだった。

劇中ではデラーズ・フリートのコロニー落としの落下阻止作戦に参加、ザック・ウィンザー中佐のゲルググとの激しい戦いの末にこれを撃破した。




キース少尉、ちゃんと操縦の仕方をお勉強してきたのか?

パワード・ジム

Powered GM

型式番号:RGM-79
所属:地球連邦軍
生産形態:実験機
頭頂高:18.0m
本体重量:46.6t
全備重量:64.2t
出力:1,650kw
推力:32,000×2
    1,870×4
総推量:71,480kg
装甲材質:チタン合金セラミック複合材

《武装》
60mmバルカン砲×2
90mmブルパップ・マシンガン
ハイパーバズーカ
ビームサーベル
シールド

《主なパイロット》
ディック・アレン


ガンダム開発計画の一環としてジム改に大型バックパック、大推量ブースター、ショックアブソーバーユニットを装備した試験機。推量は元の30%増しで、胸部もダクトが4つに改装されている。
その目的は“ガンダム開発計画”におけるガンダム1号機の装備の評価試験である。

あくまで評価試験機なので独自の型式番号は与えられず、武装も既存の物を使用している。


主な活躍

ジム改同様『0083』に登場。複数機がトリントン基地でデータ収集を行っていた。
その内1機にはトリントン基地でもバニング大尉に次ぐ腕利きであるディック・アレン中尉が搭乗、
コウ、キース、カークスのザクⅡF2型を相手にした模擬戦で3人を手玉に取っていた。

奪われたガンダム2号機の追撃にも参加したが、
二手に分かれて探索していた際に脱出用のコムサイⅡを発見、破壊しようとした隙を突かれてドム・トローペンの奇襲を受け、同行していたチャック・キースの目の前で爆散した。

なお、他の機体も基地内で破壊されたらしく、残骸が確認出来る。




バリエーション

詳しくは「ジム改のバリエーション」へ。



ガンプラ

ジム改はMGでデザートカラーとスタンダードカラーの両方が通常ルートで発売。
武装は後期型ビームスプレーガンやシールド、ビームサーベル、ジム・マシンガン等が付属、特にジム・マシンガンはパーツの組み換えによってジムライフルなど複数の武装に切り替えが可能となっており、スタンダードカラーには更にロングライフルのパーツが追加されている。

HGUCではデザートカラーが通常で、スタンダードカラーがボール改修型とのセットでプレミアムバンダイから発売。
先に発売されたパワードジムのリデコキットである。
MGに比べてライフル組み換えパーツとビームスプレーガンが無い代わりにハイパーバズーカと豊富なハンドパーツが付属するが、手甲パーツがクリーム色とグレーの2種混合となっていて、クリーム色左手甲用が可動平手専用しかない(グレー成型のハンドに付け替えられない)など、左右で合わせるのがやや困難で扱いに困るものとなっている。
また、サーベルグリップこそ付属するものの元キットにあったビームエフェクトパーツが無く、他から流用する必要がある。
スタンダードカラーは単なるカラバリだが、色分けの都合でバックパックが真っ赤っか(本来はグレー)になっている。


パワード・ジムはHGUCで通常ルートで発売、プレミアムバンダイ受注販売ながらMGも販売されていたりとなかなか優遇されている。

出来栄えは勿論のこと、付属の武器もそれぞれ微妙に異なっているので気になった方は近所の店に行ってみよう。



ゲームでの扱い

パワードジムはゲームによって地上専用か宇宙でも使えるかがまちまちとなっている。

Gジェネレーションシリーズ』では性能的には0083時代の量産機なのでそれ相応。とはいえ、ジム・カスタムと違って武装にバズーカがあるため射程の長さ故に使い易い。
また、0083ステージではバスク率いる連邦艦隊が敵として出るため、鹵獲するのも容易となっている。

ギレンの野望 アクシズの脅威V』ではパワードジムがかなりの高性能となっており、リック・ディアス等を差し置いて終盤まで使用可能。
移動力8、高運動性+シールドによる生存力、バズーカの射程が2で支援向きかつIフィールドに妨害されない…と至れり尽くせりである。



余談

  • デザイン担当は、ガンプラ等の「Ver.Ka」でもおなじみのカトキハジメ氏。
    ガンダム・センチネル0079』に登場した「ジム後期生産型」のものを多少アレンジして流用している。
    更にジム改から『第08MS小隊』での「初期型ジム」へ流用された。
    • 上記の経緯もあってか、設定の整合性を付けるために開発経緯がなかなか混沌としている。詳細は「初期型ジム/ジム後期生産型」の余談を参照。

  • ジム改は英語では「GM Type-C」と型番で表記されているが、これは直訳だとジム・カスタムと被ってしまうためだと思われる。




追記・修正は規格や後付け設定の整理統合を目指しつつお願いします。

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最終更新:2024年04月18日 08:01